高機能消防指令センター完成
119番通報、同時に相手の名前と場所を特定(3月1日・火)
大曲仙北広域消防本部(里見喜代治消防長)が昨年11月から3億8900万円の総事業費で整備していた高機能消防指令センターが完成、1日、その運用開始式が行われた。本庁3階の大会議室を改造し、コンピューター制御された最新式の消防・情報システムを導入したもの。一番の特徴は119番通報が入ると発信地表示システムが稼働し、自動的に相手の名前と場所が特定され、「火災」か「救急」かが分かるとボタン操作一つで庁内に緊急出動の放送が流れ、出動体制に入れる。
これまでは119番通報があると相手から住所と名前を聞き取って、その上で地図を調べて場所を特定し、出動していた。このため緊急出動までの時間ロスがあったが、高機能システムの導入で出動への時間が大幅に短縮された。ただ携帯電話からの119番での受信はまだ技術的にも法的にも確定されたないため、これまで通り聞き取りとなる。
システムの導入と同時に大曲消防署と角館消防署、それに9分署、1出張所にも端末装置が配置され、本部で受けた119番通報受信がそのままコンピューター音声で自動的に指令され、ディスプレイには地図も表示、出動隊に正確な情報を伝達する。
さらに本部及び2消防署と各分署、出張所にある消防車、救急車、はしご車、救助工作車など43台の車両もすべてGPSナビシステムと車両動態管理端末(AVM)で管理され、火災・救急現場に向かっているか、現場で放水中、あるいは患者の搬送中なども本部で確認できる。同時にカーナビが火災・救急現場まで道案内もする。
また2消防署の指令車にはデジタルビデオカメラも搭載され、消防署員が撮影した火災など災害現場の様子がそのまま伝送され、本部での正確な情報把握にもつながり、第2出動など的確な指令にもつながる。
指令室には最大で80インチの画面となる液晶4画面の多目的情報表示盤もあって、各車両の位置情報の監視や現場からのリアルタイムでの画像を受理し、消防力の増強を決心する判断としても使用できる。
このほか耳の聞こえない人、話せないなど災害弱者への対応として119番FAX受信装置、119番メール受信装置、さらに英語、韓国語、中国語、ポルトガル語、スペイン語の5カ国語対応システムも導入、外国人への対応もできるようにした。
センターには24時間体制で常時2人以上の署員が詰め、緊急出動に備える。システムが高度化したため、指令センターの署員は専従化し、セキュリティを図るため、センターへは毎日、更新される暗証番号を打ち込まないと入室できない。
開始式には広域管理者の栗林次美大曲市長をはじめ、仙北郡内の町村長、議長らが出席し、新システムの説明を受けた。そして栗林管理者が119番受信試験を受けて開通を祝った。栗林管理者は「消防を取り巻く環境は、高齢化の進行や建築物の大規模化など社会環境や都市構造の変化で、複雑高度化してきており、その対策が緊急の課題だった。指令センターの開始で、迅速、確実な消防・救急・救助活動のサポートとして災害被害の軽減、救命率向上に威力を発揮するものと思う」と述べた。