真木ダム建設中止

寺田知事ら住民説明会

賛否両論、撤回求める議決書提出も(3月13日・日)

 太田町の斉内川に計画していた真木ダムの建設中止に至った経緯を説明するための県の住民説明会が12日、大曲市と太田町で開かれた。大曲市では「ダム建設中止は英断だ。早く玉川の水を利用して飲料水で困っている仙北町の問題を解決してほしい」など歓迎する声があったが、太田町会場では「当然、ダムが造られるものと思っていた。何億もかけて調査したのは何だったのか。県に対する不信感が拭えない」「玉川の水は中和しているから安全だと言っても飲みたくない」など厳しい声が相次いだ。

  大曲市では広域交流センターで約70人が、太田町では文化プラザを会場に約120人が参加した。太田町会場では門脇一男・太田町議会議長と小松重文・中仙町議会議長が、建設中止の撤回を求める決議書を寺田知事に手渡すシーンもあった。

  説明会で寺田典城知事は「ダムの完成はこれから20年も先のこと。果たしてそれほど長い間、待ってもらうのが行政としての仕事なのか。財政難で交付税も補助金も削減するという中で今まで通りのダムが果たして造れるのか。不透明な将来を約束するより玉川の水を使えるなら、河川改修などダムに代わる安全安心な代替案で5年から10年で解決する方が地域の利益につながるのではないか」などと述べて理解を求めた。

  さらに知事は代替案の進め方などを検討するため、22日に発足する大仙市と県とでプロジェクトチームの設置も提案した。

  参加者からは「水に困っている人がいるので、真木ダムにこだわらず早めに解決すべきだ」「仙北町では赤水が出て、洗濯さえできないほどだ。知事の英断を歓迎する。一日も早く解決してもらいたい」など賛成の声があった。一方で「玉川の水に対するアレルギーがある。水質に問題はないか」「石灰で中和された水を長年飲むことで体への影響はないのか」と不安視する声もあった。

  これに対して県側は「玉川の下流である岩瀬橋付近で昨年11月、33項目にわたる水質調査を行った。重金属の検出はなく、化学物質の面でも水質上、問題はなかった。水道水として使っても問題はない」「青森市では酸ヶ湯温泉の水を石灰で中和し、北上市では松尾鉱山からの水を中和して飲んでいる。青森市では昭和56年からだが、市民に健康に問題があったという例はない。中和した水が安全でないとは言えない」と答えた。

  また斉内川の水を水道水として確保できないかとの質問には「安定的な水道水の候補として考えている」との答えがあった。

  一方で太田町の住民から「ダム待望論はダム建設で地域経済への波及効果、仕事になると期待してのことだ。代替案で地域経済に与えるものはあるか」との質問もあった。これに対して寺田知事は「公共投資による経済効果はあるかもしれないが、ダム建設は県内業者ではできない。河川改修の方が地元企業に発注でき、地域への還元となる」と答えた。  斉内川の改修でイバラトミヨなど貴重な魚の生息や桜並木が伐採される恐れがないかなど心配する声もあった。県は「河川改修は水が流れているところは手を付けず、堤防をかさ上げするなど環境に優しい工事をする」と約束していた。

  さらに知事のダム建設中止に対して「説明不足、唐突だ」などの批判もあったが「行政の継続の大切さは分かる。やると決めたものを中止するより、やることの方が楽だ。しかし、今はそう言う時代ではない。住民サービス、財政、環境など総体的に考えて、判断した」と理解を求めた。