11団体が活発な意見交換
地方が手を組む友情が大事と地震の長岡(3月20日・日)
「全国花火サミットin大曲」が20日、大曲市のグランドパレスで開かれた。サミットを構成する新潟県長岡まつり大花火大会の藤井芳実行委員長、長野県諏訪湖祭湖上花火大会の山田勝文諏訪市長、茨城県土浦全国花火競技大会の久保田正美土浦市産業部長らが「花火による地域づくりと活性化」をテーマに活発な意見交換をした。
花火サミットは、花火の前進的なテーマの研究や構成団体の情報交換と友好関係の構築で、世界に誇れる日本の花火を通じて交流人口の拡大を図ろうと01年10月に諏訪、袋井、土浦、長岡、大曲の5つの団体が集まって土浦市で第1回目のサミットを開催したのが始まり。その後、熊本県八代市、山形県鶴岡市、広島県広島市、同宮島町、三重県伊勢市、宮城県石巻市の6団体が加わって、03年8月に新潟県長岡市で2回目のサミットが開催されている。そして3回目が今回の大曲市となった。
サミットにはそれぞれの花火大会の主催者代表9人と大曲市からは栗林次美市長と大曲商工会議所の高柳恭侑会頭、それに前日の新作花火コレクションで特別審査員となった料理評論家の山本益博氏、日本煙火協会の本田正憲氏ら14人が出席。花火作家や関係団体約100人が見守る中、NPO法人大曲花火倶楽部の賢木新悦会長がコーディネーターとなってシンポジウムが進められた。
長岡市の藤井氏は「長岡まつりはスポンサーからの提供で花火が打ち上げられており、 顧客を守るより、お金を出すスポンサーをどう守るかにかかっている」と話ながら「一つの煙火工業の花火師さんが花火を上げるため、スポンサーと花火師が直接話をして花火の内容を決めるため、段々似たような花火となっており、スポンサーとどう調整を取るかが難しい」とスポンサー付きの花火打ち上げのジレンマを語った。
八代市の和田正道観光協会長は「大会はまだ17回と歴史は浅いが、花火を始めた目的は八代市の活性化であり、ある程度、目的は達成している。昨年は18万人のお客が来てくれた。県外から約200台のバスツアーで9000人の方が来てくれ、今までの八代にはなかったことだ」と花火の持つ誘客力の魅力を強調していた。また花火を通じた満足度も「リピーターが多いこと、旅行代理店からも『すぐ売れるから去年よりもワクを増やしてくれ』と言われるほどで、ある程度、満足してもらっている」と報告しながらも「本当に満足してもらうにはその年、その年で何か新しいものサプライズ(驚き)とかの企画を考える必要がある」と語った。さらに花火師との交流も必要だと述べた。
大曲の花火の高柳氏は「前の大会実行委員長だった佐藤勲さん(故人)は『花火大会は事故を起こしてはならない』と事故防止に力を入れた人であり、大曲の花火の事故対策は全国の中でも進んでいる。しかし、佐藤さん時代よりも観客も増えて、打ち上げ現場だけでなく交通事故の問題などの課題も出て、事故を起こさないための研究、検討が大きな問題となっている」と述べた。また高柳氏は「佐藤さんからは花火大会が開けるのは花火師のおかげであり、花火師を大事にしなさいと言われ、花火師といい関係をつくるための努力はしている。大会終了後の夜12時ごろ花火師の泊まっているホテルを訪ね、お礼を述べている」と話した。
アドバイザーとして出席した山本氏は「新作花火コレクションで過去に優勝した花火はどんな内容のものだったのか。その記録を残すべきでないか。それによって技術の進歩も比較できる」と提案。同時に「70万人もの人出となる大曲の花火がなぜ一晩で終わるのか、もったいない。前夜祭とか新作花火や古典の花火を見せるなど、中身を変えて3日くらいやったらどうか」との提言もあった。
長岡の藤井氏も「長岡は2日間の大会だ。良く2日間もやれるなと言われるが、私らに言わせればあれだけの設備を造って1日で終わらせるのはもったいない」と訴えた。また藤井氏は「花火ミュージアムを通じで一年中、花火を楽しめるようにしたい」と語った。
八代市の和田氏は「大会運営を一般市民も巻き込んだものにし、故郷を愛する意識を持ってもらえる人を一人でも増やすことが地域づくりにつながると思う。八代の花火大会をそうした方向に持っていきたい」と訴えていた。
大曲の花火が1日で終わるのはもったいないとの指摘に高柳氏は「来てくれるお客さんに満足してもらうため、頑張って頑張って1日に集中しており、精力的に続かない」と人口4万のまちに70万人もの観衆が入ってくる大会の運営への対応の難しさを強調していた。
また昨年の新潟中越地震で大きな被害を受けた長岡の藤井氏は「ボランティアをはじめ地方に助けられた。こういうサミットみたいな友情を大切にし、地方がお互い手を組んで一生懸命やっていくことが地域づくり、活性化に必ずつながっていく」と地方のつながりこそ大切だと提案していた。
サミットでは最後に花火競技大会の観覧者増加に伴う環境などの会場整備、花火の安全性などの課題は至上命題であると訴えると同時に「私たちは、未来の花火を目指して大会開催地間の連携と交流を深め、花火を一過性のイベントから産業として位置づけ、それぞれの個性を尊重し、花火による豊かで魅力あふれる地域づくりと活性化を目指す」との共同宣言を発した。