乳頭山での43人遭難
自力下山も可能な体力を保存(3月30日・水)
30日午後5時20分、大曲仙北広域消防本部に入った連絡によると乳頭山に登山して遭難となっていた秋田市の43人のうち、救助された1人を除く42人が午後4時25分、救助に向かった岩手県警の機動隊によって無事、発見された。42人はたき火をしながら食事も取って体力を保存、自力下山も可能という。一行は岩手県側の滝の上温泉に向かって下山する予定だ。広域消防本部からと岩手県側から救急車が現地に向かっている。(午後5時30分)
広域消防本部によると午後7時58分、比較的元気な19人が急斜面を伝って無事、下山した。残りの人たちも後1時間ぐらいかけて緩い斜面を伝って下りる予定という。
岩手県側に下りた1人が救助される
上空からの捜索、天候不順で中止、捜索隊向かう(3月30日・水)
田沢湖町の乳頭山(烏帽子岳・標高1477メートル)に29日登山し、戻らなかった秋田市の登山グループの関係者から30日午前6時3分ごろ、角館署に「一行43人で蟹場温泉に向かって下山中との連絡が携帯電話であった」と通報があった。救助隊が向かったが、午後3時過ぎにグループの一人である加藤節二さんが岩手県側の葛根田地熱発電所に出たところを一般車両に救われた。加藤さんは雫石にあるコンビニ「ローソン」から角館署に無事を連絡。岩手県側の消防署から救急車も出動したが、加藤さんの健康状態に問題はなく、そのまま岩手県警の雫石交番に保護された。残り42人はまだ確認されてないが、救助された加藤さんの話では葛根田地熱発電所が見える尾根で全員が待機しており、上空からヘリコプター、そして捜索隊が現地に向かっている。しかし、天候が回復せず午後4時過ぎ、上空からの捜索は中止した。また秋田県と岩手県の合同捜索隊27人が結成され、午後4時過ぎ救助に向かった。陸上自衛隊50人も救助のため山に入ることになった。両捜索隊は遭難者の人命を考え、発見されるまで夜間の救出捜索を実施することにした。(午後5時10分現在)
グループの遭難は29日夜、家族から角館署に「乳頭に登山に行った家族が帰宅予定時間を過ぎても帰って来ない」との通報があって分かった。同署と大曲仙北広域消防本部、町役場職員らが同温泉近くに捜索現地本部を設けて救助体制を整えた。最初の携帯電話での連絡では「疲れてはいるが、全員けがはない」とのことだった。救助隊8人が午前8時に2ルートに分かれて捜索に向かったが、発見に至らなかった。その後の午前11時14分ごろ、再び関係者に「ルートを間違えた。蟹場温泉南側の尾根で待機している」と電話があり、無事が確認された。
しかし、前日から雪が激しく降っており、天候が目まぐるしく変わるなど山は厳しい状況。救助隊は蟹場温泉口と孫六温泉口の2ルートから4人ずつ分かれて入山した。また県警本部のヘリコプター「やまどり」と県消防防災ヘリ「なまはげ」も現地で連携を取って上空から捜索にあたった。さらに岩手県の消防防災ヘリも飛んでいるが、吹雪のため視界が悪く、捜索は難航した。
広域消防では現地に救急車2台と連絡車や指揮車など5台と救助隊16人を現地に派遣した。そして救助された場合、遭難者の疲労も考え、田沢湖町立病院と角館町公立病院、それに大曲市の仙北組合総合病院に収容を依頼した。一方、県では遭難者の人数が多いため、自衛隊の救難隊に海上自衛隊の大型ヘリコプターの出動も要請した。また、遭難者が待機している山中は岩手県側となっており、救急車も岩手側に向かわせ、遭難者の容体によっては岩手県側の病院に収容する手配も取った。ヘリコプターでの捜索は明日早朝から実施する。
一行は退職公務員らでつくる全日本年金者組合県本部秋田市支部の山岳グループ「山楽(さんらく)会」メンバー。60歳以上が中心だが、海外登山歴もあるベテランもいるという。