大仙市で夢の球宴

元プロ野球選手24人

大曲球場完成祝って、地元選抜チームと対戦(5月9日・月)
 

  秋田県出身で元阪急の山田久志投手(56)が華麗なアンダースローで投げれば、元ロッテの村田兆治投手(55)が豪快な〃マサカリ〃投法でバッターを打ち取る─。まさに夢の対決、ドリーム・ベースボールが8日、大仙市営大曲球場で展開された。同球場の落成と大仙市合併記念事業として招待した「宝くじスポーツフェア」。球場は約4000人の観客で埋まり、元プロ野球選手の名球会やOBクラブの選手たちの名プレーに一喜一憂した。

  スポーツフェアは午前9時半から開幕。名球会の金田正一元投手(71)、大洋の不動の4番打者だった山崎裕之選手(58)、鉄人と言われた広島カープの衣笠祥雄選手(58)。そして大洋の名ピッチャーとして活躍、現在OBクラブの斎藤明夫投手(50)、打席内での独特のパフォーマンスで人気を呼び、大洋・横浜で活躍した市川和正選手(46)、守備の名人とも言われた元西武の辻発彦選手(47)、豪快な投げで人気を呼んだ元巨人軍の河野博文投手(43)など24人の名選手が一堂にそろった。まさにドリーム・ベースボールならではの豪華舞台。

  午前中はその一流選手たちを講師に少年少女ふれあい野球教室が開かれた。教室には大仙市内と仙北郡内の4町村から小学校14チームと中学校8チームの合わせて525人の選手が参加。ピッチングと打撃、守備の指導を受けた。

  開会式で笹元嘉辰教育長は「小さいころ、そして社会人になってからもプロの選手たちの名プレーに酔ったものだった。その名選手たちと一緒に今日は過ごせる。まさに夢のような一日で、この選手たちから学ぶことできっと明日からの野球は違ってくる」と子どもたちに語りかけた。そして金田投手は大きな声で「お早う」と呼びかけ、「小中学生の野球を学ぼうとする姿を目にするとしみじみ野球をやっていて良かったなと思う。秋田には山田投手がいる。みんなも山田投手を目標に第2の山田、第2の落合目指して一生懸命、学んで下さい」と激励した。

  金田投手はこの後、県立農業科学館で「ふれあい講演会」へ。そして球場では参加選手全員が講師となって野球教室を開いた。山田投手は斎藤投手とコンビを組んでコーチを始めた。そしてチビッコ選手たちを前に「一生懸命に聴いて、覚え、一つでも二つでも明日からの練習に生かして下さい」と訓示。「一番、大事なのはキャッチボールであり、あすこへ投げるんやという目標を持つ気持ちが大切だ。投げる方向を良く見て」と、ピッチャーとしての心得を教えていた。

  キャッチャーを相手に投球練習が始まると、厳しい視線でフォームをチェック。腕の位置、足の挙げた時のバランスの取り方、ボールの握り方などを時にはマンツーマンで指導していた。斎藤投手から指導を受けた豊成中学校(中仙地区)の井上友太君は「腕の使い方を教えてもらった。すごく緊張したけど参考になった。嬉しい」と感激していた。

  山田投手も斎藤投手もただ投げ方を教えるだけでなく「よーし。オーケー。うん。完璧だ」と子どもたちを褒めるのも忘れない。元プロ野球の選手から褒められた子どもたちは緊張しながらも、嬉しそうにその声にうなずいていた。

  山田投手は「レベルの高い子が多く、嬉しいね。この子たちをいかにいい方向へと導いて行くのかが指導者の仕事。とにかく野球が好きだという気持ちが子どもたちから伝わってくる。いい素材だ」と褒めた。さらに大曲球場に関しても「緑がきれいで、いい雰囲気の球場だ」と気に入っていた。練習は昼ごろまで続けられた。

  そして午後から、ドリームチーム対大仙市選抜チームの対抗戦となった。開会式では西村哲男副知事が歓迎の言葉を述べ、栗林次美市長が「完成したばかりのこの球場からプロ野球選手が巣立つことを念願したい」と開会あいさつをした。プロ野球に挑戦するでは大曲小野球チームの保護者・佐藤八重子さん(44)がバッターボックスに立ってバットを握った。中学時代にソフトボールの選手だったという佐藤さんはかつてのプロ選手の投げるボールを見事に打ち返し、スタンドから大きな拍手を受けていた。

  試合が始まると山田投手の華麗な下手投げ、村田投手の豪快な〃マサカリ〃投法とスピードに大きな歓声が挙がっていた。村田投手の剛速球を受けた大仙市チームの選手は「バットを振ったらボールがもうミットの中だった」とその早さに舌を巻いていた。ノーヒットノーランの記録を持つ元日本ハムの西崎幸広が投げ、元巨人軍の河野が投げた。さらに元大洋の斎藤が華麗なフォームで投球し、最後は1試合19奪三振の記録を持つ野田浩司投手が締めくくった。プロがヒット7本、大仙市チームが4本。試合の結果は2対1でドリームチームが勝ち取った。