さくらの町、角館町へ新たな名所

老人介護施設を芝桜で飾ろう

田町山の斜面を花で埋める〃ふわふわ大作戦〃展開(5月23日・月)

  樹上に咲く桜だけでなく、大地にもサクラを咲かせようと角館町の田町山にある老人介護施設「デイサービス角館さくらさくら」で22日、ふわふわの芝桜を植栽する「ふわふわ大作戦」が展開された。事業に賛同して募金を寄せた町民や同施設を運営する社会福祉法人県南ふくし会の職員や役員、評議員ら約150人が参加、施設の周辺を中心に1000株を植えた。参加した人たちは「荒涼とした岩肌の大地が3年後には桜色をした芝桜で一面に染まり、角館町の新しい名所になること間違いない」と意気込んだ。

  この作戦はJR角館駅前の田町山を造成して昨年、介護施設をオープンさせたものの周りは岩肌がむき出しの状態で、「ものさびしさを感じさせる」との声もあったことから思いついた。当初は職員や利用者の家族が「施設の周囲だけでもきれいにしよう」とボタンザクラを植えたが、咲くまでにはまだ時間がかかる。その上、今年の雪解けが進んだら岩肌が一層、荒涼としたものに見え、その光景は新幹線からも、また駅前、近くの国道や県道、町道などあらゆる角度から見えるようになった。

  建物の「さくらさくら」の名前の優しさからは縁遠い環境に、県南ふくし会の石川勝三理事長から「芝桜を植えたらどうか」とアイディアが出された。桧木内川堤の桜のトンネル、武家屋敷の枝垂れ桜、そして駅前から見える田町山の斜面がふわふわの芝桜で一面に彩られたら「さくらのまち」のイメージアップにもつながると職員も賛同。

  「デイサービス角館さくらさくら運営協議会(相馬正志会長)」が母体となって、町役場や町社会福祉協議会に協力を呼びかけた。そして「さくら角館  あなたがつくるふわふわ大作戦」の打ち合わせ会を開き、4月から賛同者を募っていた。

  施設周辺の斜面の面積は約3700平方メートル(1200坪)。芝桜はポット入りのものを3株植えると3年で1坪の面積いっぱいにふわふわの花が咲くという。1ポットの値段は当初150円の見込みだったので、3ポット分として1口500円で協賛金を募った。

  その結果、賛同した団体や企業から5000円、1万5000円、3万円など大口の協賛金が寄せられた。そして個人の分も合わせて22日までに1249口、62万4500円もの協賛金が集まった。また、県南ふくし会の職員250人も1人2口の協賛金を寄せることになっている。

  苗代は当初の見込みより大幅に安くなって、1ポット70円となった。このおかげで30万円を苗代に充て、約4200ポットの芝桜を買い求めることができた。そしてこの日は急な斜面は危険なため、平地を中心に1000ポットを植えた。

  午前9時からの開会式は広域消防本部の消防太鼓でオープン。石川理事長は「皆さんの好意と心意気に感激している。今日が出発であり、これからも支援をお願いしたい」と感謝の言葉を述べた。また石黒直次町長も「これからの町づくりは自分たちで出来ることは自分たちでやっていくという考えが大事であり、この角館町の環境を自分たちの手で整えていこうとするのは意義のあることだ」とたたえた。

  この日は好天にも恵まれ、開会式が終わると参加者は植栽場として指定された思い思いの場所に散って、花火を合図に一株一株を丁寧に植えていた。残った協賛金は今後、業者を通じて急斜面への植栽や肥料など管理費に充てる。

    ふわふわ大作戦実行委員会は「デイサービス角館さくらさくら」の事務局内に置かれ、今後、3年をめどにふわふわの完成を目指し、5月と10月に植え替え、そして補修や施肥などの事業を行う。問い合わせは、県南ふくし会北部事業部(0187─58─2100)へ。