華麗な音のドラマ
市民会館はほぼ満席の盛況さ(5月30日・月)
大曲吹奏楽団(高橋直樹団長)の「第32回定期演奏会」が29日午後2時から、大仙市大曲市民会館で開かれた。同楽団は1979年3月、大曲中学校吹奏楽部OBが、「これからも音楽活動を続けたい」とグループを結成。その熱心な音楽活動で、全国大会に9回も出場するなど実力、人気の面でも県内トップクラスのレベルへと成長。この日も約1000席のホールはほぼ満席となるほどの盛況さだった。
団員61人は大曲中OBだけでなく、湯沢市や横手市、秋田市など全県に広がった。転勤で仙台、岩手に移り住んだ団員も毎週水曜日と土曜日夜の練習日には大仙市大曲の広域交流センターに集まって、レッスンを欠かさない。会員の職業は教師や会社員、自営業と様々だが、共に演奏できる喜びは何にも替え難いと夜遅くまで練習に励んでいる。
音楽監督兼指揮者の小塚類さんは神奈川県在住。4歳からピアノを始め、1978年、東京芸大指揮科を卒業。東京室内歌劇場、パルコオペラ副指揮者として活躍。オーストリアやフランスにも留学して指揮の研鑽を積み、全国各地の吹奏楽団やアマチュアオーケストラの指導・客演をこなしている。大曲吹奏楽団とは87年の第4回定期演奏会で指揮を執り、89年から音楽監督に就任。折りを見つけては同楽団の指導に駆けつけている。
第1部はクラシックのステージで、全日本吹奏楽コンクールの課題曲から「パクス・ロマーナ(松尾善雄作曲)」とマーチ「春風(南俊明作曲)」を、そしてF.チェザリーニの「ブルー・ホライズン(青い水平線)」とZ.コダーイのハンガリー民謡「くじゃく」による変奏曲よりを演奏した。
コンクールには中・高校生も参加するので、少しでも参考になればとの先輩らしい配慮を込めた。賛助出演のハープを交えた華麗な音の幕開け、波のような音のうねり、海の底を覗くようなドラマチックに満ちた音の彩りは一気に聴衆をとりことさせた。
フルートやピッコロ、オーボエ、クラリネット、アルトサックスなどの木管、トランペット、ホルン、トロンボーンなどの金管、それに弦楽器のコントラバスの低音、そしてティンパニーや大太鼓、小太鼓、マリンバなど打楽器の響き。音と音の競演は張りつめた空気を引き裂き、心地よい緊張感を高め、聴衆は〃剣の舞い〃のような音の渦に酔った。
小学校から音楽活動を始め、現在は大曲農業高校吹奏楽部で活躍している田口里沙さん(1年)=大仙市神宮寺=は「さすが全国大会で金賞に輝いた楽団だと思った。印象的だったのはフルート。2本のフルートがまるで1本に聴こえた。それだけ二人の演奏の息が合っているのだろうし、全体の音量もすごかった」と感動していた。
第2部では映画「スター・ウォーズ」から「ダース・ベイダーのテーマ」やアニメメドレー「ハウルの動く城」より、ミュージカル「ミス・サイゴン」など4曲を演奏。色彩豊かでスケールいっぱいの演奏は心ゆくまで聴衆を楽しませ、満足させた。