大仙市角間川更生園祭

利用者と職員の劇に大笑い

歌手・小桜舞子さんのショーも(11月4日・金)
 

 大仙市角間川町の知的障害者施設「角間川更生園」で3日、更生園祭があった。祭りを通じて地域の人たちとの交流を深めようと毎年、開いているもの。主会場の体育館では午前中、同園利用者と職員による「川の流れのように」と題した劇で観客を笑わせ、午後からは角館町を舞台にした「恋する城下町」や田沢湖をテーマにした「おんなの湖畔」など秋田に縁(ゆかり)の深い歌で人気のある小桜舞子さんの「歌謡ショー」も開かれ、感動を呼んだ。

  同園は開園して25年を迎えている。現在、60人が生活している。更生園祭は利用者にとっても地域の人たちにとっても楽しみな催しとなっている。園内では保護者による食堂や利用者が農作業訓練で栽培したシイタケなど農産物の販売や障がい者自立生活センター「ほっと大仙」の駄菓子屋「ほっぺ」など売店も開かれた。またお客さんと利用者が交流を楽しめる喫茶店やお茶席、居酒屋もあった。

  訪れた保護者や地域の人たちはそうした会場を回って買い物をしたり、展示物を見学するなどして祭りムードを楽しんだ。一方、体育館では利用者による楽器演奏もあれば大曲太鼓道場生による迫力いっぱいの太鼓演奏もあった。観客を喜ばせたのは利用者と職員17人による劇「川の流れのように」だった。

  角間川町は江戸時代から鉄道が開通する明治中ころまでは川港で栄えた。舞台ではその歴史の流れの一部を再現しようと船を登場させ、二人の船頭が角間川町に祭りが来たことを話題に「今年も神社への奉納相撲で賑わうことだろう」と話し合う。そしてステージではその相撲も演じられ、体育館をいっぱいに埋めた聴衆は舞台での会話と演技に大笑いした。劇が終わると利用者を代表して佐々木卓さん(48)は「更生園祭は一人ではできない大きな行事ですが、多くのボランティアの協力と利用者、職員のチームワークでやってこれた。今日は練習の成果を発揮して精いっぱい頑張りました」とあいさつした。

  客は昼休みになっても誰も帰らず、むしろ多くなる一方。それはプロの歌手・小桜舞子さんの歌謡ショーを期待してだった。ショーは午後1時半から開かれた。佐藤仁志園長は「テレビで角館町を舞台に熱唱するのを観て、こういう人に角間川更生園にも来てもらえたらと思った。駄目で元々と今年春に思い切って電話でお願いしたら、快く引き受けて下さった」と小桜さんを紹介した。

  小桜さんは神奈川県茅ヶ崎市出身。短大で福祉を学んだことから、「福祉施設でのショーなら」と理解を示し、ほとんどボランティアでの出演料でオーケーしたという。デビュー曲「恋する城下町」、「おんな男鹿港」で登場した小桜さんは笑顔を振りまき、「角間川更生園祭にお招き頂いてありがとう。今朝は実家を朝4時に起きて秋田に来ましたが、秋田は何度来てもいい所だし、皆さんにお会い出来て嬉しい」とあいさつ。体育館は観客で埋めつくされ、立ち見席も出るほど。

  トークでは角館町の「ふるさと観光大使」として観桜会で歌ったことや田沢湖高原祭りで厳しい寒さに震えながら歌った思い出なども語り、都はるみさんの「涙の連絡船」や島倉千代子さんの「東京だよおっ母さん」なども歌って、深い歌唱力も発揮した。さらにショーの後半ではステージから下りて、握手を交わしながら歌うなどのサービスも。最後には新曲「涙の川」も披露。その歌声は心のひだを包み込むような美しさで、体育館を埋めた観客は酔いしれていた。小桜さんは6日には、美郷町の後三年更生園の「更生園祭」にも出場する。