大仙市の06年度予算

歳出全般の見直しへ

市単独事業は10%削減へ(11月16日・水)

  大仙市では06年度予算編成に向けての基本方針として重点施策推進事業を除く市単独事業は、ソフト・ハードを問わず前年度予算総額の10%削減するなど歳出全般を見直し、過去に例のない厳しい姿勢で臨む方針だ。これは人件費、扶助費(生活保護、医療扶助など)、さらに市の借金である公債費の償還、施設維持管理費など経常経費に市税、地方交付税、地方譲与税を中心とする一般財源がどの程度充当されるかを見る「経常収支比率」が98.4%と異常に高くなっているためだ。しかも現段階での試算では、06年度歳入の一般財源見込額は約302億9261万円に対し、支出である歳出は約333億5222万円で、差し引き約30億5960万円の財源不足が生じるという要因もある。

  栗林次美市長は9月定例議会での市政報告で「大仙市として初めての決算だが、平成16年度決算は旧8市町村がこれまで経験したことのないほど悪い財政状況だ」と危機感を募らせた。

  地方自治体の財政構造の弾力性を測定する「経常収支比率」は都市部では普通、75%が妥当とされているが、同市の場合、98.4%と異常に高い数値となった。これは自由に使える財源が収入額全体の1.6%、平成16年度決算ではわずか4億7662万円しかないということを示す。

  こうした危機的状況はもともと財政基盤が脆弱で、国からの交付税に依存して成り立っている市町村が合併したという背景もある。その上、三位一体改革で国庫補助金の削減と税源移譲及び地方交付税制度の見直しが大きく影響し、06年度の予算編成はこれまでにない窮屈なものにならざるを得なくなったもの。

  しかし、06年度は大仙市にとって合併の実質的なスタートであるだけに「大仙市総合計画」に盛られた「人が活き人が集う夢のある田園交流都市」の実現のため▽安心して健やかに暮らせるまちづくり▽未来を創り豊かな人を育む▽生き生きと希望を持って活躍できる▽生活基盤の整ったまちづくり▽環境と調和し快適に暮らせる▽仲間とふれあいともに活躍できるまちづくり─を重点施策として予算を配分したいとしている。

  このため各地域がそれぞれの地域課題に対応できるよう各総合支所が自主的、主体的に組み立てた事業を行える予算配分もする。一方で05年度予算は基本的には旧8市町村のそれぞれの首長の下で編成された原案を持ち寄って編成したものだったが、06年度は旧市町村が実施していた既存の考え方にとらわれない新たな視点で編成したいとしている。

  しかし、財政的な厳しさから市単独の事業はソフト・ハードを問わず前年度予算総額の10%削減、各施設の維持管理経費も5%削減、さらに市からの補助金を受けて運営している団体への補助金も10%削減を基本とするなど厳しい姿勢で臨む方針だ。

  また市の借金である市債の発行は05年度の見込額は約108億円となるが、一方で元金償還額が約70億円となり、差し引き約38億円の残高が増える。さらに06年度の建設計画では発行見込額が約120億円で、元金の償還額は約72億円と試算しており、差し引き約48億円の残高増となることから、満額発行は難しいとしている。市債の償還財源は市税や地方交付税を始めとする一般財源だけに、借りた金を返す額が大きくなればなるほど市の財政は追い詰められることになるからだ。一方で近く着工する仮称「大曲南外学校給食センター」の建設には市民参加も求めて初めての「市民債」の発行も試みるなど新しい発想も加えた。

   合併によるメリットもある。それは議員削減と職員減による人件費の減額だ。合併当初は在任特例の適用で136人の議員でスタートした市議会。それが現在は30人となった。これらによって人件費は05年度は約91億5200万円だったのが、06年度は約88億4000万円となり、約3億円の減額となった。