大川西根小で「楽器まつり演奏会」
84人の児童、心一つになって歌い、踊り、演奏(11月21日・月)
| 見事なハーモニーを聞かせた大川西根小学校の全校音楽。 | 子供たちははつらつとした演技で歌い、踊った。 |
全校音楽で知られる大川西根小は今年も音楽を通じて聴衆に大きな感動を与えた─。大仙市の第35回大川西根小学校「楽器まつり演奏会」は20日、大曲市民会館で開催された。約1000人を収容する3階建てのホール1、2階は保護者だけでなく、一般の音楽ファンも詰めかけほぼいっぱいになるほどの盛況さ。84人の児童はその聴衆を前にはつらつとした笑顔で演奏し、歌い、演技した。
同校に全校音楽が誕生したのは44年前。音楽主任として赴任した先生が「音楽を通じて演奏し、表現する楽しさを身につけさせたい」と弦楽器や管楽器に触れさせ、指導を始めた。入学したばかりの子供たちには、上級生の演奏に合わせて歌うことの楽しさを覚えてもらった。そして全校の子供たちが心を一つにして演奏し、歌う「全校音楽」が誕生した。
子供たちの音楽活動は自信にもつながり、小学校にオーケストラがあるという評判は全国的にも注目され、国内外から多くの教育関係者の視察もあった。先生たちも同校に芽生えた〃音楽の灯〃は消されないと指導に力を入れ、音楽活動は個性となり、伝統にもなった。さらに地元企業から毎年のように楽器が寄贈されるなど支援もあった。
こうして全校音楽が定着したのを受け、お父さん、お母さん、それに応援してくれる地元の人たちに感謝したいと「楽器まつり演奏会」が始まった。14年前からは秋田市在住の演出家で、「親子ミュージカル」を主宰している佐藤修三さんの指導を受けてミュージカルにも挑戦、同校の音楽活動はさらに幅を広げた。
高橋勇治校長は「サクラが満開となった春4月、7人の新入生を迎えて今年も全校音楽活動が始まった」とこの日までの経緯を報告。そして「子供たちは勉強にも音楽活動にも自分から進んでやろう。失敗を恐れたら何もできないと頑張ってきた。力を合わせようとすれば意見の食い違いも出てくる。それを話し合いで解決しながら心を一つにしてきた。本日のステージにはそうした子供たちの思いがいっぱい詰まり、実を結んだものだ」とあいさつ。
第1部の「全校音楽」は創立110周年を記念して作曲された「はばたきマーチ」で幕を開けた。4年生から6年生のオーケストラに合わせ、下級生がリコーダー、鍵盤ハーモニカーを手に入場行進。バイオリン、チェロなどの弦楽器、そして木管や管、打楽器の響きに合わせ、下級生が歌い、演奏する。映画音楽「サウンド・オブ・ミュージック」では「ドレミの歌」も披露した。難しい曲を上級生は見事に演奏し、下級生は身振り、手振りで歌った。感動した聴衆は大きな拍手を送ってその演奏をたたえた。
第2部のドリームミュージカル「ぼくたちの音楽〜ブレーメンの音楽隊より〜」が始まるまでの間には大曲小学校和太鼓部の50人が友情出演。隣接の中央公民館で「みちのく太鼓」「未来〜無限の可能性〜」など3曲を豪快に演奏し、盛り上げた。
そして童話を基に描いたミュージカル「ブレーメンの音楽隊」。全校音楽のように「みんなでやると楽しい」をミュージカルで表現しようと9月から総合学習の時間を使って準備に取りかかり、脚本も歌の作詞も子供たちみんなで話し合って作った。オーケストラを担当するグループ、1場、2場、3場に出演する組ごとに練習を重ねてきた。ダンスは保護者のお母さんが指導してくれるなど校外からの応援もあった。
先生たちも児童と一体となって練習を見守り、舞台づくりを手伝った。そして迎えた本番。子供たちはロバやウサギ、ネズミ、リス、クマなど多くの動物になりすまし、オーケストラに合わせておしゃべりし、歌い、踊った。子供たちの演技は自然で、歌うことも踊ることも楽しんでいるように明るい笑顔だった。「一人より二人、二人より三人。三人よりみんなでやるとやっぱり楽しい。それが僕たちの音楽だ」。全校児童が心を一つにして実を結ぶ大川西根小学校の音楽。最後のセリフが響くと、ホールを埋めた聴衆から大きな拍手が沸いていた。同校の「楽器まつり演奏会」はこの後、12月10日午後1時から中仙市民会館「ドンパル」でも開く。