観光、暮らし、農業
三氏がそれぞれの持論を主張(10月19日・水)
23日に告示される仙北市初の市長選(30日投開票)に向けて立候補予定者3氏による「仙北市長選挙公開討論会」が18日夜、同市田沢湖卒田のたざわこ芸術村「わらび劇場」で開かれた。討論会は同市商工青年部の有志でつくる「仙北市長選公開討論会を実現する会(佐藤貢一郎会長)」の主催。会場には定員いっぱいの約700人が詰めかけ、3氏の主張に熱心に耳を傾けるなど初の市長選に強い関心を寄せていた。
出馬を表明しているのは元西木村長の田代千代志(56)、元角館町長の石黒直次(65)、元田沢湖町観光商工課長の佐藤善昭(55)の3氏。
主催者を代表して佐藤会長は「30日に投開票が行われる仙北市長選は、初のリーダーを決める大事な選挙だ。仙北市がさらなる発展につながるかどうかはこの3人の双肩にかかっている。それぞれの考え方を述べてもらい、リーダーを決める参考になればと思う」とあいさつした。
続いてコーディネーターの国際教養大学の勝又美智夫教授が紹介された。勝又氏は東京外語大学卒。日経新聞記者としてロサンゼルス支局長などを経て、昨年4月から同大教授に赴任した。勝又氏はあいさつで「3人の候補者の生の姿を引き出す努力をしたい」と述べた。
討論会ではそれぞれ3分間の与えられた時間内で自己紹介。始めに佐藤氏は「お年寄りから若者まで楽しんで住める仙北市にしたい。そのためには3つの町村が1日も早く1つになることが必要で、これまの慣例やしがらみをなくし、自由で透明な市政運営を行う。そして当たり前のことを当たり前に、遅れているところは進め、一生懸命頑張るところは応援する。地域に密着した、地域の人の話を充分に聞いた市政を行いたい」などと自己主張した。
石黒氏は「角館町の助役を4年やり、合併を進める中で3月から6カ月間、町長をやらせてもらった。仙北市としてそれぞれの個性、特徴を生かし、それを尊重し、育てながら住みやすい地域としたい。民間企業に30年近く勤めた経験を生かして改革に努め、合併協議会の副会長として感じた課題の解決にも努力したい。新市のスタートの方向づけのためには地域の役割分担が大事だ」などと話した。
田代氏は「政治がしっかりしないと住民の幸せは実現できないと旧西木村の村議をやったが限界を感じ、村長選に出馬、9年間、村長をやらせてもらった。その間、住民の目線に立って役場の改革、意識改革を進め官民一体となった行政運営で村民にも活力が出た。仙北市誕生に至るまで私の役目は接着剤だった。大きな町2つと小さな村の合併だが、大きな町2つの綱引きが続いては仙北市は決して発展しない。そのための接着剤としてこれからも努力したい」と訴えた。
そして「新市の将来像」「地域産業」「少子高齢化」「仙北市の問題」などをテーマに討論に入った。
新市将来像を巡って石黒氏は「観光産業を生かした北東北の拠点都市こそ仙北市の目指す位置づけだ。田沢湖地区には山、湖、スキー場、温泉がある。西木には森林、そして農地を利用したグリーンツーリズム、角館には周辺農村部に支えられた経済、文化、歴史がある。こういった要素が観光に結び付く。自分の地域内での経済活動には限界があり、外との交流で外貨を稼ぐことが必要だ。そのためにはあるものを観てもらうのではなく、興味を持ってもらう観光にしなければならない。観光を支える農業、商工業を含めて株式会社仙北市と言われるように連動していく活動が必要だ」と訴えた。
田代は「まず行財政改革を進めるのが必要だ。無駄を省き、一円でも多く仙北市民のために予算を使う市としたい。また職員のプロ意識を高め、市民と協働する市役所を目指したい。さらに旧町村の垣根を取り払い、一丸となって町部にも農村部にも気配りできる仙北市役所を目指したい。仙北市の特徴は観光資源であり、観光産業を生かした北東北の拠点都市の可能性はある。しかし、市民が暮らしやすいまちづくりを優先したい。そのため市民パワーを最大限に応援できるよう職員を養成し、各種スポーツ団体や経済団体、地域活動団体、文化団体などの活動が多彩な仙北市を目指す」と主張した。
佐藤氏は「農林業こそ仙北市の根幹産業だ。しかし、転作で山間部の農地は荒れ、農地が消えている。このままでは農村は壊れてしまう。何とか農家、農村が元気になってもらい次の世代にバトンタッチさせたい。そのためにこそ農林業は根幹産業であり、それを原点に観光を進めたい。この地域は年間600万人の観光客を受け入れている。観光産業は人的パワーを基調とする飛躍産業であり、豊富な観光資源を活用した地域づくりで活性化を図りたい」と強調した。
討論は約3時間にわたって行われた。きたうら花ねっとではその様子を収録した画像を22日までホームページで公開している。花ねっとは下記へ。