仙北市の初代市長

旧角館町長の石黒氏が当選

大票田を抑え、三つどもえの激戦を制す(10月30日・日)

  仙北市初代市長は石黒氏に─。田沢湖、角館、西木の3町村合併に伴う新市「仙北市」初の市長選は30日、市内43カ所で投票が行われ、午後8時半から角館広域交流センターで即日開票された結果、初代の仙北市長には旧角館町長の石黒直次氏(65)=角館町表町下丁・無所属=が9827票を獲得して初当選した。次点は旧田沢湖町観光商工課長の佐藤善昭氏(55)=田沢湖刺巻字明戸・同=で7417票だった。旧西木村長の田代千代志氏(56)=西木町桧木内字松葉・同=は5431票だった。投票率は83.92%で、2万2825票の投票総数だったが、有効投票は2万2675票だった。

  角館町岩瀬字勝楽の石黒氏の事務所に当選の報が届いたのは午後10時10分ごろだった。約500人の支持者が詰めかけ、「ヤッター。バンザイ」の声が鳴り響いた。石黒氏は典子夫人(65)を伴って事務所に顔を出すと「市長。おめでとう」と次々と歓呼の声が掛けられた。石黒氏の当確を知って大野忠右エ門県議、大仙市の栗林次美市長、美郷町の松田知己町長も駆けつけた。

  念願のダルマに目を入れると総括責任者の高橋雄七元角館町長は「バンザイ」を三唱、当選を祝った。典子夫人と共に檀上に上がった石黒氏は「初めての仙北市長選挙に当選を果たすことができた。後援会の皆さん、たくさんの支持者の応援を得てこの栄を勝ち取ることができた。これからの仙北市の発展、選挙中に皆さんに訴えてきたことを着実に実行し、この仙北市が合併して良かったと思えるような市にしていきたい。3つの地域の特徴、個性を尊重しながら3つの地域、仙北市全体が手を取り合って底力を付けていくよう一生懸命頑張りたい」と当選の喜びを語った。

  後援会長の安杖正義県議、栗林大仙市長、松田美郷町長らが次々と祝いのあいさつをした。

  今度の市長選は旧町村の地域戦だった。22日現在の有権者数は2万7357人。うち角館町が1万1932人で、有権者の44%を占め、田沢湖が1万487人で、有権者の38%、西木町は4938人で、有権者のわずか18%しかなかった。このため石黒、佐藤の両氏はそれぞれの地盤をいかに守りきるかの戦いに撤した。その上で石黒氏は西木町西明寺地区在住の市議らの支持もあって、同地区での票の掘り起こしもあった。また角館町在住の安杖県議も全面的に後押しし、合併から離脱してこの春3月の出直し町長選で対決した反石黒陣営も新市の初代リーダーは角館町から出すべきだと一本化、石黒氏の支持基盤は手堅いものとなった。

  佐藤氏は叔父の旧田沢湖町長で、市長職務代理者・佐藤清雄氏の支持者らの支えもあって地元、田沢湖地区で善戦し浸透したが、知名度の低さから角館町や西木町での票の掘り起こしは上滑りに終わった。一方の田代氏は持ち点が最も少ない西木町のハンディを何とか乗り越えようと村長9年の実績を前面に出し、同地区在住の門脇光浩県議の支援を受けながら角館町、田沢湖地区へ懸命の食い込みを図ったが、「地元から市長を出したい」とする地域感情もあって、浸透しきれなかった。それでも西木地区の有権者を超える票を上積みする力を発揮した。

  初当選を飾った石黒氏は明日1日午前10時に本庁舎である田沢湖庁舎に初登庁する。今度の市長選での3地区の投票者数は田沢湖8761票、角館9804票、西木4260票だった。