衆院選の風を追って(3)

京野候補、大仙・仙北郡入り

母ちゃんパワーで語り、走り、印象づけ(9月2日・金)

  郵政解散による衆院選が30日から始まった。秋田3区では届出順に無所属で新人の村岡敏英氏(45)=由利本荘市=、自民党公認・公明党推薦で前職の御法川信英氏(41)=大仙市=、民主党公認で新人の京野公子氏(55)=湯沢市=が立候補、11日の投開票の向けて12日間の激しい戦いが展開されている。有権者の〃風〃は、どう吹こうとしているのか。3候補のそれぞれの戦いを追ってみたい。敬称略。



  ◇京野公子候補

  民主党県連からの要請を受けて県議から衆院選に転身を図った京野は1日から大仙・仙北郡入りした。1日は美郷町、そして大仙市太田、仙北地域を回って花館を遊説。2日は神岡地域を皮切りに西仙北、協和を走った。京野の大仙仙北選対副委員長として1日、選挙カーに同乗した渡部英治県議は同日夜、大曲中央公民館で開かれた個人演説会に顔を出して「知名度の低さが心配だったが、予想以上に人が出てくれた」と気をよくしていた。

  公民館には京野を推薦した連合秋田の早川隆史連合大曲地協議長ら労組を中心に約100人が集まった。京野の大仙仙北選対委員長を努める細谷昭雄元参院議員は演壇で「私は憲法を守り、自民党政権とサヨナラするためにも非自民を推すべきだと応援を決意した」と述べた。

  翌朝8時。神岡地域からの遊説スタートには友人として佐々木長秀県議が選挙カーに同乗、そして細谷は後続車に乗って京野の遊説を支えた。京野は4人の子供を育てた普通の主婦感覚を政治の世界でも大事にしたいと「ほら。あなたのそばに国政が来る!」のキャッチフレーズをポスターに刷り込んだ。そして選挙カーが走り出すとウグイス嬢は「母ちゃんパワーで元気な秋田に変える」、「母ちゃんパワーで農業を再生する」と叫ぶ。

  女性候補。しかも「母ちゃん」という庶民的な存在感で浸透を図ろうとするウグイス嬢の呼びかけに主婦たちが敏感に出てくる。京野は表に出た人を目にすると懸命に走り、握手を求める。そしてマイクを握ると「地方だけに痛みを押し付ける改革が進んでいる。これ以上、地方を破壊する改革は許さない。地方で真面目にこつこつと生きている人たちが安心して生きていける、子供や孫たちに安心して大きくなれよと言える社会にしねばダメだ。今こそ日本の未来に私たち大人が責任を持たなねばダメだ」と秋田弁そのままの口調で話す。

  神岡ではわずか1時間20分の間に5カ所でマイクを握った。時には激しい雨が叩きつける場もあった。それでもコウモリ傘の下でマイクを握って聴衆に向かって懸命に話しかけた。聞いている主婦たちは「あやー。この雨の中で」と気の毒そうな顔で見守りながらも「ンダナ。ンダ」と京野の呼びかけにうなずいていた。そして濡れるのを気にもせず京野が駆けつけてくると「あやー、仕方ねな。ガンバッテけれ」と励ましていた。

  京野の運動員として母の後を追い、懸命に選挙用ビラを配る長女の楽弥子さん(24)は「働き者でパワフルなお母さんです」と言いながら「自民党の偉い人相手の難しい選挙に出なくてもいいのにと最初は思ったが、もうこうなったらガンバッテもらいたいだけ」と母の背を追った。

  刈和野の商店街に入ると「応援してくれている佐々木県議の温かい友情に心から感謝します」とお礼を述べる。そして年金の将来に不安を抱いている人の多い現実を語り、「政治に大風呂敷を広げるつもりはない。しかし、生活の基盤を少しでも安心できるようにするのが政治ではないか。高齢者や子育てに悩んでいる若い世代、働き盛りの世代に安心感を与える社会を作るため、私たちは選挙を通じて政治家を選んだのでねべか」と呼びかけた。刈和野の商店街では出迎える人に少しでも応えたいと自転車に乗り換えて走った。京野は言葉と行動力で強力な印象を残す候補者だ。