早期移転新築推進会議
農協5連会長、新築に前向きの発言(9月9日・金)
仙北組合総合病院早期移転新築推進会議の第3回総会が9日、大仙市の大曲エンパイヤホテルで開かれた。JA秋田おばこ組合長から県農協5連会長に就任した澁川喜一氏は来賓あいさつで「東北農政局との財務計画の協議がまだ整ってないため、具体的な事は申し上げられないが、病院の移転新築となれば土地の取得や造成で3年の歳月を要することになる。仙北は厚生連経営の9病院の中で累積黒字が一番多く、医療、経営の面で大変、貢献している。その貢献度の高い病院こそ(改築に向けて)先行すべきであり、知事も在任中に改築計画を立て、実現したいと話している。県の了解のもと出来るのであれば進めたい」と移転改築に向けて踏み込んだ発言をした。
同病院については2000年12月までに移転先が5カ所に絞られるなど、移転改築に向けて急ピッチな動きがあったが、02年になって厚生連の財務状況の硬直化から見通しが立たないとして中断、計画は白紙状態となっていた。しかし、県が同年12月に厚生連病院の改築に向けて大幅な補助率の見直しに踏み切ったことから、湯沢市の雄勝中央病院の移転改築、そして横手市の平鹿組合総合病院の移転改築も具体化。雄勝はこの8月にオープン、平鹿は07年4月のオープンに向けて工事が進められている。仙北組合総合病院についても老朽化と駐車場不足などから移転改築に向けての要望が高まり、昨年8月に当時の栗林次美大曲市長が同会議の立ち上げを呼びかけ、設立させた。
会議は市町村合併もあって14市町村が、1市4町村(今月20日からは2市1町へ)となったため、行政代表のほか老人クラブや身障者団体、婦人団体、子育て支援グループなど民間から新たな会員を求めて幅広い層へと組織替えした。会員は65人となり、この日は約50人が出席した。
栗林市長は「高齢化や少子化の問題を抱え、住民の健康や生命の安全を支える地域医療の充実は、これまでになく重要になっている。しかし、仙北組合総合病院は建物の老朽化が著しく、狭隘であり、医学の進歩に伴った医療設備の設置にも困難を来している。また患者用駐車場の確保にも困難を極めている状態」などと移転改築の必要性を訴えた。
さらに県仙北地域振興局の渡部文靖局長も「厚生連病院は県内の二次医療の中核的な医療機関として、老朽化に伴う改築には県も補助率を大幅に引き上げて支援している。仙北組合総合病院についても現在、進めている県の総合計画実施計画の中に移転新築も含め、将来構想に明記するよう調整をしたい」と述べた。
そして澁川会長のあいさつの後、仙北組合総合病院の小野地章一院長が病院の現状を報告。小野地院長によると同病院のベッド数は622床、医師60人を含む職員は臨時を含め680人、入院患者数は一日平均522人で、大曲仙北医療圏の精神科を除く入院患者の約50%を占め、大曲仙北地域の年間の救急搬送患者数の57%を引き受けているという。
そして「優秀な医師の確保には時代に合った医療機器の整備が不可欠だが、当院は狭隘なため新たな医療機器の導入は不可能な状態。このままでは県内の極端な医師不足の中で医師の確保も困難となる。一方、空調設備の不備、狭隘な病室など快適な入院環境とはほど遠い状態」と窮状を訴えた。さらに外来患者数は1日平均1200人を超えているが、第1から第4までの駐車場は234台のスペースしかないとし、「周辺土地の借り上げに努力しているが限界だ」とも訴え、「これからの高齢化社会の進展を思うと早期移転新築は一刻の猶予もならない」と理解を求めた。
会議では05年度の事業計画や予算などを決め、12日に栗林市長が県農協5連の澁川会長と寺田典城知事に要望書を手渡す原案を採択して終了した。