今年も7人の生徒に奨学金
根本家から母校の大曲農高へ絵の寄贈も(8月1日・火)
| 根本家から贈られたバラの油絵。左から熊谷校長、後松さん、大坂さん。 |
県南の高校に通う母子家庭の生徒のために設けられている根本記念母子家庭奨学基金の信託管理人となっている美郷町本堂城回の元同町議会議長の後松一成さんと同基金の運営委員長で、元大曲農業高校長の大坂昭治さん(大仙市飯田町)は28日、大曲農業高校を訪れ、7人の生徒に奨学金を手渡すと同時に根本家から贈られた油絵を同校に寄贈した。
基金は旧大曲市出身で農林大臣や建設大臣、内閣官房長官など重職を務めた衆院議員の根本龍太郎氏と妻の源さん(ともに故人)が、「愛してやまない秋田県の若い力が大いに伸び、教育振興の一助になれば望外の喜び」と生活の中からコツコツと蓄積してきた財産を社会公益に役立てたいと設けたもの。これまで計275人の高校生に贈られてきた。
当初は540万円の基金で、各学年の数人に月額5000円を支給していたが、1990年に龍太郎氏が死去した後、源さんが基金を大幅に増額して月額1万5000円に引き上げた。金利が高かった時代は各学年の20人から30人に贈っていたが、最近は10人前後への支給となった。
基金の特徴は返還の必要がないこと。基金は三井信託銀行に受託し、大坂元大曲農業高校長を委員長に県南の校長らを運営委員とする委員会に委ねられている。今年5月に91歳で亡くなった源さんは、奨学基金の設立時、「種子」と呼び、「社会へまいた3粒の種子は風雪に耐えてきた感謝をこめて、世の人のため健やかに伸びてほしいと祈っている」と書き残している。
奨学金の贈呈には7人の生徒とお母さんも同行し、半年分の9万円が一人ひとりに手渡された。残りの半年分は指定の口座に振り込む。
また、龍太郎氏の油絵は熊谷暁大曲農業高校長が受け取った。絵は緑を背景に白いバラを10号のカンバスに描いた油絵。龍太郎氏は風景画家として有名な向井潤吉画伯に師事して絵を学んだ。
後松さんは「根本先生は政治家でありながら、夜の宴会にはほとんど出ない方で、夜なんかを利用して絵を描いていたものだった」と根本家から贈呈されたバラの絵を観て、懐かしそうに生前の根本氏の思い出を振り返った。熊谷校長は「根本先生は本校の誇りとする大先輩。大変、貴重な絵だけにありがたく頂戴したい」と話す。同校の校長室には根本氏の筆による「造就人才」の額縁も飾られている。熊谷校長は31日、東京都目黒区在住の根本氏の長女・根本ベルトリ治子さんに礼状を差し上げたいと手紙を書いた。