心の苦しみを本に
「心の傷が見えればいいのに」を出版(8月2日・水)
入学した女子高で2年生になった17歳の時、親しくしていた級友から無視されたのを機に人間不信に陥り、摂食障害、不眠・鬱(うつ)、リストカットを繰り返し、精神科に入院した女性が心を解きほぐしていくまでの過程をつづったドキュメント「心の傷が見えればいいのに」が文芸社(本社・東京新宿区)から出版された。
著者は1979年(昭和54年)、東京生まれの佐伯香音(かのん)さん。佐伯さんは「同じような悩みを持つ人に何かを感じてもらえたらと思い、本の紹介をお願いします」と本紙にメールを寄せた。
拒食と過食、そして手首に傷をつけるリストカットという自殺未遂を繰り返し、暗い部屋で昼夜も分からない閉じこもり生活へと陥った佐伯さん。
メンタルクリニックに駆け込み、やっと真剣になって話を聞いてくれる医師と出会い、アドバイスと薬を処方してもらい、少しずつ立ち直った。その佐伯さんは訴える。
「この状態に一番苦しみ良くないと感じてもがいているのは本人です。お願いだから外に出られない子に出ろなんて言わないで下さい。出ないわけではない、出たくても出られないのです。唯一の場所を奪ったり、そこから無理やり追い出そうとしたりしないで下さい。それなら一緒に散歩でもしようと誘って下さい。私は夜、母と歩くのが好きでした。(略)夜眠れずに暗い部屋で起きている人の孤独と恐怖を知っていますか?眠れない、それがどれだけ不安なことかわかりますか?暗い中で起きていると、もしかしたらこのままずっと眠れないかもしれないと沢山の不安が押し寄せてくるのです。だから、ただ何もいわず、となりに寝てあげてください。誰しも一人は嫌なのです。責めないで下さい。否定しないで下さい。ただそっと抱きしめてあげて下さい。どんなあなたも大切な存在なのだと繰り返し話してあげて下さい」。まさに心の訴えであり、血の叫びだ。
本は104ページで、定価は税込みで1155円。注文は近くの書店か、クロネコヤマトのブックサービス(フリーダイヤル0120・29・9625、携帯電話からは03・6739・0711)へ。またはセブンアンドワイへ。