一足早くクリスマスを楽しむ

パイプオルガンコンサート

大仙市大川西根小、二人が連弾(12月2日・土)

  国内の公立小学校で唯一、パイプオルガンのある大仙市大川西根小学校(高橋勇治校長・児童数85人)で1日夜、パイプオルガンコンサートが開かれ、親子連れを中心に100人以上の音楽ファンがオルガンの荘厳な調べに耳を傾け、一足早いクリスマスムードを楽しんだ。

  全校音楽で知られる同校の特色を生かしたいと1988年の校舎改築の際、同校の音楽室にはパイプオルガンが設置された。オルガンはドイツ製で、高さ5.5メートル、幅約2.9メートルあり、680本のパイプで構成されている。校舎完成の翌年に組み立てられた。そのパイプオルガンの音の魅力をより多くの人にも楽しんでもらいたいと90年から毎年、同校PTAと市教育委員会の共催でコンサートを開くようになった。

  今回の演奏者は飯塚美奈さんと佐々木尚子さんの2人。飯塚さんは仙台市を、佐々木さんは由利本荘市を住まいにオルガニストとして活躍している。荒川洋男PTA会長は開会式で、「パイプオルガンは不思議な音色のする楽器で、オーケストラを鑑賞しているようないろんな感情を音にして伝えてくれる。その壮麗な音色を楽しんでほしい」と呼びかけた。

  演奏は飯塚さんのソロから始まった。飯塚さんが同校で演奏するのは昨年に続いて2度目。飯塚さんは左右に飾られたクリスマスツリーを背に「皆さんにも声を出して歌ってもらいたい」とクリスマスキャロルの「諸人(もろびと)こぞりて」の歌詞を配布。初めての人でも歌えるようユックリと演奏し、音楽室にはパイプオルガンに乗ったクリスマスの歌の合唱が響いた。

  そしてブラームスの「11のコラール前奏曲」より「最愛なるイエスよ〜わが心の切なる喜び」やフランクの「コラール第3番」などを解説も加えて演奏。オルガンはむせび泣くような響きから青い風が流れる牧歌的な雰囲気に、そして小鳥たちのさえずる声が聞こえる森の中へと聴いている人たちの心を誘った。

  聴衆をさらに盛り上げたのは佐々木さんとの連弾となった時。二人は人は音づくりのため、前日から音楽室に詰めて練習を重ねたという。パイプオルガンは鍵盤だけでも2段あり、さらに足で踏む足鍵盤もある。また、ストップというレバーを引いたり戻すことでパイプの中に流れる風の強弱も調整され、同じ鍵盤でも出てくる音が変化する。

  二人は一つのイスに座って、両手両足を器用に使いこなすマジックのような動作で演奏を始めた。そのプログラムは「ディズニー・メドレー」に始まって、ミュージカル「キャッツ」、そして映画「スター・ウォーズのテーマ」と続いた。二人はピッタリと息を合わせ、夢のようなディズニーの世界を音で描き、キャッツでは舞台のスターたちが目に浮かんでくるように、そしてスター・ウォーズでは宇宙に飛び出したかのようなスピード感とドキドキさせられるような冒険の楽しみをタップリと響かせた。

  会場には幼い子どもたちも多かったが、パイプオルガンの醸し出す不思議な音の世界、心の扉をノックし、語りかけてくるような音の優しさに目を丸くし、誰もが熱心に耳を傾けていた。