ミラクルフルーツを錠剤化
大仙市出身の島村さん、台湾の企業と共同開発(12月8日・金)
大仙市大曲上大町出身で、味覚修飾植物研究家として全国の小中学校で講演している島村光治さん(32)=愛知県知多市=は、酸っぱい物を甘く感じさせる不思議な果物「ミラクルフルーツ」のタブレット(錠剤)化に成功した。台湾の園芸企業と共同開発したもので、「すっぱいものが甘くなる不思議な果実
ミラクルフルーツタブレット」として販売され、注目を浴びている。島村さんは7日、同市の四ツ屋小学校で「驚きの体験〜ミラクルフルーツとギムネマ〜」と題して特別授業を行った後、共同開発したこれまでの経緯などを語った。
島村さん秋田高専時代に酸っぱいはずのレモンを甘く感じさせる「ミラクルフルーツ」という不思議な植物があることを知り、その栽培と味覚の研究を始めた。そして名古屋市の「日本ガイシ」という絶縁体メーカーに勤務しながらもその研究に打ち込み、味覚を通しての正しい食生活や科学離れが進んでいる子どもたちの歯止めになればとボランティアで味覚体験講座を開いている。
島村さんが今回の四ツ屋小学校で体験させたミラクルフルーツは西アフリカが原産地。1〜2センチの真っ赤な実が成る。実そのものには味はないが、食べるとレモンや酢など酸っぱい物を甘くさせる。一方のギムネマはインド産で、その葉は砂糖やチョコレートの甘さを感じさせなくする特徴を持っている。
こうした味を変える味覚修飾植物の栽培法を確立した島村さんは現在、会社員と同時に味覚修飾植物研究の第一人者として、日本福祉大学大学院研究生となって全国の大学などでも講義も行っている。
そのミラクルフルーツを島村さんは、糖分が制限されている糖尿病患者への適用や食育に役立てられないかと名古屋市の医師と共同研究。その結果、ミラクルフルーツの実を生活習慣病患者を対象に3〜4カ月食べ続けてもらった結果、血糖値が正常に戻る効果も確認された。
しかし、ミラクルフルーツの実は傷みやすく、収穫後2週間程度で劣化するという欠点があり、それを普及させるにはネックがあった。また、実には種もあるため食べにくく、常用するには課題も残されていた。
こうした難点を克服することはできないかと島村さんは数年前から台湾の企業と錠剤化の研究に共同で取り組み、その果実を乾燥、粉末化することで直径約1センチの錠剤化に成功。これによって季節を問わず安定数量を供給させることが可能となった。そして台湾で製造したのを大阪府寝屋川市の大西克商会が輸入し、「ミラクルフルーツタブレット」として販売を始めた。錠剤はなめる要領で舌全体にこすると1分程度で溶けてなくなる。やや甘酸っぱい味だ。
味覚を変えるのはミラクルフルーツの成分である「ミラクリン」が酸味と反応し、舌先の甘みを感じる器官を刺激するためで、その効果は30分から60分持続する。タブレット化されてもその効果持続時間は果実と同じという。
タブレットは「食品」としての販売で、島村さんは「なめるだけで甘いものを我慢しなくても済み、無理せずに糖分の摂取を減らせるはず」と話す。10粒入りで税込み3900円発売されている。
ミラクルフルーツのタブレットの他に県内ではその果実を利用し、少ない糖分で甘さを楽しめるケーキも開発されている。潟上市天王の洋菓子店「ベルジュ」と秋田市のミラビスという会社が島村さんと提携して共同開発した。問い合わせは島村さんのホームページへ。