大仙市の真木ダム代替案

玉川を水源になどを了承

斉内川の改修は09年度をめどに着手(2月1日・水)

  県が大仙市太田町の斉内川に計画していた「真木ダム」の建設中止に伴って設立された「真木ダム代替案検討プロジェクトチーム」の第4回目の会議が1日、仙北ふれあい文化センターで開かれた。県側はこれまでの会議を通じて得た結論として▽治水▽水道水源▽維持流量の3つの代替案を提示、原案通り了承された。

  代替案として斉内川の治水についてはダム計画と同じ50年に1度の洪水(毎秒710トンの流量)に対応する案を示した。手法は玉川合流点から上流1500メートルの河道を幅約70メートルに改修し、毎秒540トンの流下能力を確保、同時に毎秒170トンの流量をため込む遊水地か放水路を設けることにした。これによって概算事業費は80億円から83億円かかるが、道の駅「なかせん」周辺の桜並木は保存できるとしている。県は着工後おおむね10年を目標に先行整備したいとしている。

  水道水源については地元要望の強かった斉内川は安定的な水量が確保できないとして、玉川の伏流水、斉内川扇状地からの地下水を代替案として示した。このうち玉川の水は真木ダムで計画されていた一日に必要な水道水量1万734トンは確保可能としている。地下水はボーリングの結果、消雪施設などへの影響を与えない範囲で取水するとすれば1日3000トンとしている。

  示された代替案からどれを水源に求めるかは06年度から始まる大仙市の水道整備計画で具体的な検討に入るが、玉川だけを水源とするか、地下水をミックスするかがこれからの課題となる。

  県側は玉川の伏流水を水源としたことについて表流水に比べ、水質も良く、洪水による濁りなどの影響が少ないだけに維持管理しやすいとしている。

  また玉川の水に関しては玉川源泉の活動の活発化で田沢湖の酸性度が悪化したとの報道で県に問い合わせもあったことを明らかにし、「源泉である大噴(おおぶけ)の酸度の上昇が原因と考えられ、酸性水を中和処理する石灰石を増やすなど対策を強化する」などと説明した。水質に関しても検査の結果、玉川の水のペーハー値は6.6から7.0で、浄水の基準値である5.8〜8.6の範囲内で心配はないと報告した。

  最後に斉内川の維持流量の確保については▽第二田沢幹線用水路▽田沢疎水左岸幹線用水路▽仙北平野1号幹線用水路を使って斉内川に流すことも検討したが、いずれも建設してから20年以上経過、水路の表面が劣化しているため使用は困難との結論を出した。このため今後の利水動向を踏まえた上で、維持流量の確保の可能性を探りたいとの代替案を示した。

  プロジェクトチームは小玉良悦県建設交通部長をリーダーに県、市の関係者ら約80人で構成され、昨年7月6日に発足していた。会議で了承を得たことから、今後は寺田典城知事と大仙市の栗林次美市長に正式に代替案を報告し、チームは解散する。

  会議に出席した栗林市長は「県仙北地域振興局が地域の重要プロジェクトの一つとして間に入り、住民説明会も含め、市と県側が自由に意見交換しながらつくり上げたもので、おおむね了承できる案となった。感謝申したい。今後は正式な手続きを踏んだ上で、住民の皆さんからも理解を求め、計画を進めていきたい」と述べた。

  県はこの後、国交省に対して真木ダム建設中止の正式な手続きを踏み、治水事業に関しては08年までの3年間で調査と整備計画を立て、09年度から事業に着手したいとしている。一方、大仙市では06年度から水道整備計画に着手し、具体的な検討に入る。

  真木ダムは洪水調整や水道水確保などの多目的ダムとして計画され、1975年に県単独で予備調査にかかり、81年からは国の補助を受けて動植物の生態や地質調査などを続けていた。しかし、建設事業費が約300億円も見込まれ、国・地方の税財政の三位一体の改革で、大型新規事業に着手する見通しが立たないなどとして寺田典城知事は同ダムの建設中止を表明、昨年3月には旧大曲市と旧太田町で住民説明会を開いている。また仮にダム建設を進めるとしても着工のめどが2011年(平成23年)で、完成が18年後の2023年(平成35年)以降では洪水調節による住民の安全安心が確保できないなどの理由もあった。