書と絵の2人展

大仙市大曲図書館

夫は書、亡き妻は日本画(2月3日・金)
 
 島崎藤村の「椰子の実」を書いた小松さんの作品。   妻・アイさんの日本画。

  大仙市大曲図書館の「市民サロン展示コーナー」で同市大曲福辺内の書道家・小松慶峰(慶治郎)さんの「書」と妻・アイさんの「日本画」の「2人展」が開かれている。

  小松さんは現在、81歳。鉄道員だったが、50代を迎えた時、退職後に備え何かを学びたいと意を決し、同市在住で高校教師のかたわら書家としても活躍していた加藤秋窓さん(1999年没)に弟子入りした。加藤さんは「日展」や「読売書法展特選」などに輝き、日本書芸院一科審査員を務めた。県芸術選奨、旧大曲市芸文協会功労賞も受賞している。

  加藤さんの門下生となった小松さんはその後、加藤さんと共に「墨滴会」の結成に参画し、墨彩画も学んだ。そして毎年、「墨滴展」を開催。書では秋田書道展で「特選」、全国墨滴会展でも「特選」を受賞。1992年には読売書法展で「特選」に輝き、現在は日本書芸院無鑑査となっている。妻・アイさんは3年前に76歳で亡くなったが、独学で日本画を学び、こつこつと作品を描き残した。

  今回の2人展で小松さんは島崎藤村の「椰子の実」や作曲家・吉田正さんの「名もない男のうた」の一節を、そして「トムソーヤの冒険」に書かれている「君よ春が来るのだ  冬の後には春が来るのだ  君の上にも確かに力強く永久の春が来るのだ  微笑めよかし」の一文を独特の柔らかい文字で描いている。掛け軸4幅、扁額1点、そして墨で描いた西山の風景や童謡「しゃぼん玉」を遊び心風に描いた絵も。表装も小松さん自ら行った。

  また妻・アイさんの作品は「藤娘」や「翁」「大黒さま」と「恵比寿さま」、それにユリの花や精悍なタカなどを掛け軸にしたもので、12幅が展示されている。アイさんの作品を公開するのは初めて。富士娘や翁などは女性ならではの柔らかな筆致であり、ユリの花やタカの絵は気品に満ちた構図で見ごたえがある。2人展は今月いっぱい。