大仙市の06年度当初予算

一般会計は443億8950万円

緊縮型だが、教育・子育てに重点配分(2月18日・土)

  大仙市は17日、総額443億8950万円の06年度一般会計当初予算を発表した。05年度当初予算額に比べ11億7184万6000円、率にして2.6%減の緊縮型予算となった。栗林次美市長は予算発表の記者会見で「市税の伸びが期待できないうえに地方交付税や国庫支出金の減少もあって財政事情は厳しく、緊縮型の編成とせざるを得なかった」と述べながらも「市の将来を担う子どもたちへの教育や子育てに関してはギリギリ頑張って重点配分した。また要望の多い道路関係も工夫を凝らし、それぞれの地域のバランスを取って生活道路の整備に力を入れた。農業関係については国も担い手に絞って動いており、大仙市独自に集落営農指導センターを作って現場指導するようにしたい」などと語った。予算案は28日から始まる2月定例議会に提案される。

  予算編成に当たっては各課からの要求額は歳入で約424億円、歳出で約506億円あって、予算要求の収支のギャップは約82億円もの差があった。これに対して今回は大仙市として初めての予算であることから、旧8市町村の枠にとらわれず、住民要望を十分に把握し、真に必要な事業費をゼロから積み上げて計上するという方針を取った。

  その上で収支の溝を埋めるため歳入では財政調整基金繰入金や前年度繰越金などを計上し、約20億円の歳入増を図った。また歳出では経常収支比率の改善が課題だとして、経常的経費の削減や普通建設事業費の見直し、さらに人件費では管理職手当の20%カットや時間外手当を05年度実績見込みの50%減とするなどし、約62億円の歳出減を行った。

  一般会計の歳入は市税が約74億7300万円(前年度当初比0.7%増)で、予算に占める割合は16.8%。地方交付税は約183億4253万円(同0.3%減)で、41.3%。国庫支出金は32億1905万円(15.1%減)で、7.3%。市の借金である市債は約56億8810万円(0.7%減)で、12.8%。この4つが市の財政を支えている柱(79%)とになる。さらに財政調整基金から12億2000万円、減債基金から1億3000万円を取崩し、歳入増を図った。これにより基金の残高は約13億59万円となり、07年度以降は基金による財源調整は困難となり、今後は歳入に見合った歳出予算を編成をせざるを得なくなった。

  合併特例債の発行は事業分が約17億4450万円、基金造成分3億8000万円の計21億2450万円だった。特別会計では駅前第二土地区画整理事業と学校給食センター建設事業で17億850万円を発行する。学校給食センター建設事業の発行額10億2720万円のうち、3億円程度は前から計画していた「ミニ市場公債」を発行したいとしている。

  歳出では人件費が約88億481万円(7%減)で、予算全体に占める割合は19.8%。生活保護費、身障者・知的障害者扶助など扶助費は約42億7062万円(2.4%増)で、9.6%。市の借金の返済である公債は約67億6288万円(0.6%増)で、15.2%。これらの義務的経費で約198億3832万円となり、歳出全体の44.6%を占める。

ガス抜き器具を全世帯に

  また子育て支援策の柱である2歳未満の子どもを養育する保護者に対し月1万円を支給する「すこやか子育て支給金」や県の医療費助成に上乗せして0歳から小学生までの医療費全額を市独自に助成している医療給付扶助費について栗林市長は「制度を長く続けるため一定の所得制限を設けることにした。また学校給食費の第3子の減免制度は05年度限りで廃止し、その分を全体の子育て財源に入れることにした」と理解を求めた。また、家庭で使うスプレー缶によるごみ収集車の火災事故を目防ぐため、ガス抜きを徹底させたいとして市がガス抜き器具を購入、全世帯に配布するという異例の予算措置も取った。

  一般会計のほかに国保特別会計や老人保健特別会計、介護老人福祉施設介護サービス事業特別会計など23特別会計と市立大曲病院事業会計など2企業会計を合わせた予算総額は805億5608万7000円となる。前年度比較では2%減だった。

  一般会計による主な事業は次の通り。

【安心して健やかに暮らせるまちづくり】
  ◇医療給付扶助費(拡大分)・継続▽1億5122万円=県と共同で実施しているもので、市の独自拡大分として0歳から小学生までの医療費の全額を助成するもの。ただし06年8月から、父と母の合わせた収入がおおむね700万円以上は対象外とする所得制限を設けた。
  ◇すこやか子育て支給事業費・継続▽1億2870万円=乳幼児育成のため経済的軽減を図るもので、2歳未満児を養育する保護者に月額1万円を支給する。こちらも同様の所得制限を設ける。
  ◇総合保育園建設事業・新規(西仙北)・(仮称)強首保育園増改築工事▽1458万円=強首、大沢郷、寺館の3保育園を統合し、乳幼児保育や延長保育へ対応し、地域子育て支援センターも設置する。
  ◇地域児童健全育成推進事業・継続▽5418万円=放課後児童クラブの実施で、現在12カ所で実施しているが、新たに太田地域と大曲地域に設ける。また07年度には南外地域にも設置する予定。
  ◇知的障害者通所更生施設整備費補助金・新規▽4950万円=まつくらが定員(40人)いっぱいとなっているため、分場地を中仙地域の旧中仙清水へき地保育所を改修整備し、知的障害者施設として活用する。
  ◇介護サービス事業費・継続▽600万円=在宅で寝たきりの高齢者を介護している家族の精神的、経済的負担の軽減を図るもので月5000円を支給する。
  ◇敬老の日事業費・継続▽8324万円=長寿祝金の支給と敬老会経費。
  ◇温泉ふれあい入浴サービス事業・新規▽3480万円=高齢者の温泉入浴サービス事業を実施し、総合的な保健福祉の向上を図る。70歳〜79歳には半額割引券15回分の交付、80歳以上には無料券を15回分交付。
  ◇老人福祉施設整備事業費補助金・新規▽9000万円=(仮称)社会福祉法人明通会が計画している社会福祉施設「テンダーヒルズ」(特養・短期入所・デイサービスセンター・ケアハウス)建設計画への補助。

【未来を創り心豊かな人を育むまちづくり】
  ◇(仮)大曲南外学校給食センター新築工事・継続▽11億3705万円=現在、大仙市内小友字山根地内に建設中。
  ◇協和統合小学校新築工事・継続▽6億4178万円=協和地域6小学校中、全校生徒51人以下が4校で、3小学校5学級が複式となっており、これを解消し、集団の中で生きる力を育むことを狙いに統合するもの。総業費は18億131万円。校舎は鉄筋コンクリート2階建て4902平方メートル。それに体育館、プール、グラウンド、野球場を現在の荒川小学校敷地に建設する。
  ◇中学校施設冷房化事業費・新規▽4678万・8校
  ◇幼稚園施設冷房化事業費・新規▽956万円・3園
  ◇総合的学習支援事業とチャレンジサポート事業の統合・継続▽1827万円=1校当たり30万円程度の事業費を配分し、自由に使えるようにする。
  ◇障害児生徒に対応する学校生活支援員経費・継続▽3933万円=支援員が学級担任とのティームテーチングを組み、児童生徒の障害に応じた指導と援助を行う。
  ◇(仮称)八乙女研修宿泊施設大規模改修事業費・新規▽2億1150万円=建築から29年を経過しているための改修で、宿泊施設、食堂、研修施設、浴室を整備する。またエレベータを設置し、バリアフリー化する。さらに本館への冷暖房の設置と体育館の床の改修やサッシの取り替え、暖房工事を行う。
  ◇大曲中央公民館部隊音響設備改修工事・新規▽5446万円
  ◇国指定名勝「池田氏庭園」の洋館修復工事と池の浚渫(しゅんせつ)護岸修復工事・継続▽7949万円。
  ◇市営仙北球場改修工事・新規▽1182万円。

【活き活きと希望を持って活躍できるまちづくり】
  ◇集落営農法人化推進事業費(担い手支援)・新規▽2997万円=集落営農・法人化支援センターを設置し、土地利用型農業における担い手の育成・確保を図るため、小規模な農家や兼業農家も担い手となる営農組織を構成する一員となるよう集落を基礎とした営農組織の育成と法人化を推進する。
  ◇すずさやか生産拡大対策事業費・新規▽75万円=無臭大豆「すずさやか」の生産拡大と新商品開発を図る。
  ◇尊仏地区草地防災事業・新規▽3698万円=出羽丘陵北部地区農地開発整備事業で造成した尊仏地区の草地の防災事業。
  ◇観光案内人マニュアル作成事業費・新規▽27万円=観光案内人制度を確立し、市内の観光資源を面的につなぎ合わせ、観光客の誘客を図るためのマニュアル作成。
  ◇高速自動車道国道活用施設の管理費(西仙北地域)・継続▽4929万円。

【生活の基盤が整ったまちづくり】
  ◇駅東線街路整備事業・継続▽1億9688万円=09年秋田わか杉国体までに国道13号と大曲駅を直結させ、道路と鉄道との高速交通ネットワークをつなぎ、大型バスの駅乗り入れを可能とし、中心市街地の活性化を図る。
  ◇道路新設改良費・継続▽5億3566万円=大曲・2億471万円(27路線)、神岡7963万円(3路線)、西仙北4052万円(2路線)、中仙5050万円(7路線)、協和3233万円(7路線)、南外8033万円(4路線)、仙北3907万円(2路線)、太田855万円(3路線)。
  ◇大曲駅前第二地区土地区画整理事業・継続▽27億3315万円
  ◇住宅市街地総合整備事業費・継続▽1億8813万円=大花町地区の区画整理事業。施行面積は約6ヘクタール。05年から12年までの施行期間で総事業費は24億9300万円。80戸の集団移転を伴うため「都市再生住宅」52戸分、鉄筋コンクリート造り7階建ての住宅も建設する。
  ◇まちづくり交付金事業費(大曲駅周辺地区)・新規▽2億57万円=中心市街地のにぎわいの再生を狙いとしたもので、公園、駐車場、地域交流センターなどを建設する。施行期間は10年まで。
  ◇まちづくり交付金事業費(神岡地区)・継続▽4億693万円=神宮寺駅周辺と文教施設の「嶽雄館」を核にした地域の活性化事業。
  ◇まちづくり交付金事業費(中仙地区の旧街道周辺)・継続▽1億9335万円=旧街道の街並み保存と駅舎改築事業で観光振興を図る。
  ◇まちづくり交付金事業費(協和地区羽後境駅周辺)・継続▽7億8580万円=羽後境駅周辺の交通機能の充実とやすらぎのある空間の創出を図るもの。09年までの継続事業。新協和体育館建設工事(6億9350万円)もある。

【環境と調和し快適で安全に暮らせるまちづくり】
  ◇総合公園事業費・継続▽4842万円=県立農業科学館やファミリースキー場、キャンプ場などと一体となり、スポーツ・レクリエーションや文化・教養などの複合的施設としての公園整備を図る。07年秋田わか杉国体の軟式野球メイン会場となる。
  ◇仙北ふれあい公園事業費・継続▽9580万円=10年度までの継続事業で、体育館の建設と駐車場、イベント広場、野球場の整備など。07年秋田わか杉国体の軟式野球会場となる。
  ◇協和カントリーパーク事業費・継続▽4854万円=道の駅と一体となった公園づくり。
  ◇ガス抜き器具購入費・新規▽312万円=パッカー車での不燃ごみの回収時にガスを抜き切らないスプレー缶からの火災発生があり、その事故を未然に防止するため、大仙市内全世帯にガス抜き器具を配布するもの。1本105円で3万600本を購入する。

【仲間とふれあいともに活躍できるまちづくり】
  ◇移動通信用鉄塔施設整備事業費・新規▽1億122万円=携帯電話の不感地域の縮小で、西仙北町地域の土川地内に建設する。
  ◇地域イントラネット基盤施設管理費・新規▽210万円▽議会のライブ中継事業。
  ◇男女共同参画推進経費・新規=20万円▽男女共同参画に関する川柳・ポスターコンクール事業の実施。
  ◇男女共同参画事業推進経費・新規▽79万円=市民意識調査の実施。
  ◇日韓大綱引き交流事業・新規▽157万円=旧西仙北町と韓国の唐津郡との綱引きを通じた交流を継続するため、4月6日から10日までの日程で市長、議長、職員を派遣するもの。刈和野大綱引き保存会20人と大綱太鼓7人も訪韓の予定で、経費は人材育成事業で対応する。

【計画の推進のために】
  ◇地域振興事業費・新規▽4500万円=各総合支所が地域協議会と協議し、自主的、主体的に住民と行政とが協同で行うまちづくりの推進。地域ボランティアの育成や道路、施設などの修繕で緊急を要するものに使える。大曲地域1000万円。神岡、西仙北、中仙、協和、南外、仙北、太田の7地域へはそれぞれ500万円。
  ◇地域協議会関連経費・新規▽42万円。
  ◇地域いきいきビジョン活動支援事業費(大曲地域)・継続▽260万円。
  ◇広報発行・継続▽3558万円。
  ◇行政協力員報償費・継続▽4162万円。
  ◇大仙市誕生記念事業費・継続▽291万円=大仙市の「花、木、鳥、市民歌」の制定と誕生1周年記念事業の実施。開催日10月1日の予定。