繁殖牛の増頭を

畜産農家が意見交換会

牛買い入れへ貸付金の拡大望む声も(2月21日・火)

  繁殖牛の増頭対策をテーマにした仙北畜産農業協同組合(鎌田正組合長)と家畜人工授精師協会仙北支部(嵯峨忠男支部長)主催の「公開意見交換会・和牛講演会」が20日、大仙市の大曲エンパイヤホテルで開かれた。

  大仙市、仙北市、美郷町での黒毛和種の繁殖牛は約1900頭飼育されているが、畜産農家の高齢化もあってこの17年間で約1100頭も減少している。こうした中、畜産情勢は国産牛肉の安全性への高まりもあって高値で推移しており、繁殖牛の増頭は大きな課題となっている。このため生産者を交えた意見交換で増頭方策を探ろうと開いた。

  会には県や市町の関係者、それにJA秋田おばこ、県畜産試験場、県南部家畜保健所、生産者ら約120人が参加。鎌田組合長は「国の米対策も大きく変わろうとしており、私たち集落体制も変わらなければならない。特に畜産、黒毛和種はこれからの所得の柱として期待され、その増頭に取り組んでいるが中々、結果を出せないでいる。その問題点を探るためにも農家の皆さんの意見や要望、考えを聞かせてもらいたい」と述べた。

  繁殖牛の増頭につなげるためには1頭の牛の出産は1年(365日)1頭が理想の回転率だが、鎌田組合長によると全国平均で420日、秋田県は418日、仙北畜産農協管内は425日になっているという。このため400日を切るのが念願だと強調した。

  出席した久米正雄大仙市助役も「国産牛肉への信頼は高まっており、市としても家畜導入事業基金の活用や各種防疫衛生推進への助成及び優良素牛導入への助成など関係農業団体と一体となった支援体制を継続したい」と述べた。

  一方、人工授精師協会の嵯峨支部長は繁殖率の低下の要因として飼養規模の拡大で発情発見など個体管理が難しくなっており、さらに肉質の改良や遺伝的問題もあって発情が弱くなっている面もあるなどと指摘していた。

  意見交換会では生産者代表11人がそれぞれの考えや要望などを訴えたが、牧場の利用料金への行政の助成の引き上げや、牛を買うためのJAからの貸付金のあり方や枠の拡大を求める声が多かった。

  また牛の飼料となる転作田でのホールクロップサイレージ(稲の早刈り)をもっと奨励すべきだとの意見も出た。さらに出羽丘陵開発で造成された草地が活かされず、「一部は雑草だらけだ」と指摘し、その有効利用のため行政からの支援を求める声もあった。また頭数を増やすとたい肥処理施設など施設整備に金がかかるとして、その支援策や病気になった牛の診察点数への共済からの助成を求める要望もあった。

  意見交換の後は和牛技術コンサルタントの小野健一さんが「仙北地域の推奨種雄牛と交配について」と題して講演した。