災害時に備えたマニュアル案を検討
2総合病院を災害拠点病院に関係団体の連携強化へ(2月23日・木)
仙北地域医療推進部会及び災害・救急医療検討部会が22日、大仙市大曲のグランドパレス川端で開かれ、災害医療対策本部活動のマニュアル案について検討すると同時に小児救急医療体制の整備状況の報告があった。部会は大曲仙北医師会、同歯科医師会、同薬剤師会、大仙保健所、それに警察、消防など関係団体31人で構成されている。
仙北地域災害医療対策本部活動マニュアル案は大仙市・仙北市・美郷町地域が地震などで被災した場合に備え、医療救護活動が迅速に行えるよう関係機関と仙北医療本部の標準的な業務内容を示したもの。同環境部が県防災計画及び県災害医療救護計画に準拠して案をまとめた。
始めに永井伸彦部長は「自然災害を含めた健康危機管理には地域の医療機関をはじめ関係機関との連携は欠かせない。災害時に備えた健康危機管理の基となるマニュアルはこれまでもあったが、今回はより分かりやすくコンパクトなものをまとめた」として意見を求めた。
マニュアル案では震度4の地震発生と同時に「仙北地方災害警戒部」を設置、震度5で「災害対策部」とし、福祉環境部長を本部長とする「仙北地域災害医療対策本部」を設置するとしている。そして▽総務・広報班▽情報・医療班▽衛生班─の3班を編成し、救護活動に当たるとした。総務・広報班は本部活動の全体の調整や県災害医療対策本部との連絡調整、医療救護の広報、ボランティアの受け入れなどを担当する。情報・医療班は医療機関の被災状況や稼働状況の情報収集と情報提供、医療救護班の派遣・連絡調整、巡回診療体制の確保、災害用医薬品の供給確認などに当たる。さらに衛生班は医療救護班の活動状況の把握、防疫対策、廃棄物処理対策、メンタルヘルス対策に務めるとしている。
一方、仙北組合総合病院と仙北市立角館総合病院は災害拠点病院とし、災害発生時には情報担当者を定めて仙北医療本部に被災状況を報告。さらに診療状況調査報告、情報交換を行い、必要な資機材、人員を要請するとした。また両病院は災害医療情報システムの入力を行い、仙北医療本部や地域外の災害拠点病院、医療機関との医療情報共有を図る役目を担う。このため平時に「災害拠点防災行動マニュアル」の策定と緊急医療薬品の常用備蓄、貯水槽、自家発電装置の確保整備、耐震性能の強化を図ることを求めた。
大曲仙北医師会及び災害協力医療機関(病院・診療所)は医療本部からの要請を受け、大曲仙北地域の医療機関に対し、医療従事者と医療資機材の協力要請ができるとした。また救護所ごと連絡担当者を定め、医療本部に救護活動報告や必要な資機材、人員派遣を要請する役目を担う。さらに医療本部との連絡担当者を平時から定め、災害医療情報システムの閲覧を行い、各種災害・医療情報収集に慣れておくよう要請している。
大曲仙北歯科医師会には医療機関への救急医療の提供調整のほか、法歯学協力医の派遣提供を求めている。また平時から県歯科医師会または仙北医療本部の要請を受ける連絡担当者を定めるよう求めている。
大曲仙北薬剤師会は緊急用医薬品卸業者(株式会社バイタルネット大曲支店)と連携を取り、災害発生後に県内外から支援供給される医薬品の集積場所、救護所での管理や受け入れ、払い出し、搬送に務めるとした。また災害拠点病院への薬剤師派遣調整も担うなどとしている。
大仙市と仙北市、美郷町は仙北医療本部に医療救護班の派遣要請を行うと同時に情報収集と県仙北地域振興局に設けられる災害対策部への被災状況の報告、必要な資機材、人員を要請する役目を担う。また市町の災害医療担当者は平時から災害医療情報システムの閲覧を行い、各種災害・医療情報収集に慣れておくよう求めている。
警察署は災害時の道路被災状況の確認と交通規制を行い、「緊急通行車両」の搬送路の確保や医療本部の要請に対し、交通事情の情報提供を行うよう求めた。消防本部は従来の患者搬送及び転送に加え、医療本部からの要請に応え重症患者の搬送を行う。さらに災害拠点病院や救護所にトリアージタック(患者優先順位)の提供、稼働医療機関の活動状況や情報収集を行い、医療本部に情報提供をするよう求めている。
会議の司会を努めた救急・災害医療検討部会長の小野地章一仙北組合総合病院長は「病院として、また大曲仙北医師会としてもこのマニュアルと整合性の取れたものを作成したい」と述べた。薬剤師会からは「日常の連絡体制は整備されているが、緊急用の医薬品の在庫に関しては業者とも協力し、確認したい」と回答があった。
一方、警察は「県条例で定めた警察独自のマニュアルがあり、調整が必要だ」との姿勢を示した。広域消防本部も「災害時の救助計画はあるが、大きな災害時には消防だけでは対応できない。救急だけでなく火災も発生する。近隣からの救援も必要であり、検討したい」との答弁があった。このため、マニュアルは持ち帰ってさらに検討を加えることにした。
最後に下山維敏大曲仙北医師会長と枝川かづ仙北組合総合病院看護師長から同病院で行っている日曜日の小児救急医療活動の報告があった。開業小児科医と同病院の小児科医が当直制で昨年8月から行っているもので、県内初の対応。下山会長は「大曲仙北医師会と仙北組合病院が相談した上で始めた。増加する小児科救急診療に対応するため開業小児科医4人と病院の小児科医2人の6人で日曜日午前9時から午後3時まで組合病院で診療を行っている。これによって地域の休日での小児科医療は充実され、大きな病院での小児科以外の日直医の負担も軽くなった」との報告があった。
枝川支部長のまとめでは昨年8月の日曜日の診療では計81人、9月75人、10月139人、11月139人、12月141人、1月105人の患者があったという。初期救急の対応が充実したため「ウイークデーの時間外受診、それに入院患者も少なくなった」とその効果を示した。