大仙市で豪雪対策本部設置

積雪量、大曲地域で167センチ

市民の命、生活に絡むとして全庁体制で対応(1月10日・火)

  記録的な豪雪で12月26日から「雪害警戒対策室」、そして今月4日には「雪害警戒対策部」を設置していた大仙市では10日午前9時、栗林次美市長を本部長とする「大仙市豪雪対策本部」へと格上げ、全庁体制で雪害に取り組むことになった。設置と同時に総務、企画、健康福祉、農林商工、建設、水道の各部局長と総合支所長らによる「緊急雪害対策会議」を開き、積雪状況や雪害による事故報告、そして今後の方針と対応などを確認した。同市の積雪量は9日午前8時の観測で167センチ(大曲除雪ステーション調べ)と今冬、最高積雪量を記録した。

  会議で栗林市長は「職員全体で雪の問題を克服するため会議を招集した。大曲市街地を含め、それぞれの総合支所でも様々な問題、課題を抱えているとの報告を受けている。旧町村でやってきたこれまでの施策を生かしながら、大仙市全体としての雪への対応を始めていきたい。この雪は市民の命、生活に絡む問題であり、早め早めに対応したい」などと述べた。

  大仙市によると除雪ステーションでの積雪深は10日朝で150センチと多少、下がったが、累計積雪量は430センチに達した。各総合支所の観測でも累計積雪量は神岡314センチ、西仙北326センチ、中仙308センチ、協和323センチ、南外380センチ、仙北308センチ、太田297センチとなっている。

  また家屋の倒壊や屋根の雪下ろしによる事故も多い。同市のまとめによると9日現在で屋根の雪下ろし中に転落して亡くなったのは3人、負傷者は16人にもなっている。また雪の重みで倒壊した小屋は3棟、ビニールハウスなど農業用施設の損壊は1棟、さらに4日には協和地域の市道宮田又線で雪崩が発生、一時不通となった。また倒木で電線が切断されるなどの被害も9カ所あって、一時、2世帯が孤立状態になったとの報告もある。

  会議では各部の部長が道路の除雪、そして通学路の安全確保、さらに高齢者世帯、高齢者の一人暮らし、生活保護世帯への対応を、また各総合支所長もそれぞれの管内の現況を報告した。

  そして明日11日から3日間かけて通学路の除排雪、雪による道路の段差の解消、交差点の視界の確保などに全力を挙げたいなどの対策が練られた。また住宅街では排雪場所もいっぱいになったため、その排除にも取り組みたいとしている。一方、国交省からは同市に対して雪崩危険カ所を見つけるため空中からパトロールしたいのと連絡も入っているという。

  除雪費も底を突き、同市は19日に臨時議会を招集、除雪経費の補正予算を計上する事になった。栗林市長は「緊急を要することであり、専決処分で予算を組む事もできるが、この雪の問題は議会とも一体となって取り組む事が必要だ」と述べた。

  同市の除雪予算は当初で6億4200万円を計上していた。しかし、12月の大雪、そして正月3日からの休みもない降雪で除雪車はフル活動。除雪車は午前1時の段階で降雪量が10センチに達するとその1時間後には一斉に出動する体制になっている。その一斉出動は1シーズンで普通35回平均だが、今冬は10日現在で大曲地域で22回、神岡23回、西仙北26回、協和30回、南外27回、仙北20回、太田21回と記録づくめ。しかも12月末には雪の壁で狭くなった生活道を中心にダンプを使っての除排雪も実施したため、除雪予算はほぼ3分の2を使い果たしたと市建設部。

  このため新たに4億円を超える予算を計上し、19日の臨時議会に補正予算として議案提出したいとしている。

  栗林市長は会議で「郵便配達や新聞配達の人たちとも連絡を取って、住民の安全確保の情報収集に努めてもらいたい。また学校の雪下ろしもこれから必要になると思う。そうなると業者の人たちも一般家庭への手が回らなくなる恐れもある。学校の敷地などは保護者によるボランティアでの協力をもらえないか対応を相談してほしい」などと指示していた。

   県内ではこれまで秋田市、男鹿市、大館市、上小阿仁村などで災害(豪雪)対策本部を設置、仙北郡では美郷町が5日豪雪対策本部、そして仙北市も6日に雪害対策本部を設けている。また秋田市は9日に自衛隊に災害派遣を要請、一人暮らし老人や高齢者宅の屋根の雪下ろしをしている。栗林市長はこの日の定例記者会見で「市民の一部からは自衛隊を要請すべきでないかとの意見もあるが、もう少し大仙市の力で頑張ってみたい」と述べた。