大仙市大曲で開催
地産地消を地域づくりにどう活かすかと講演も(1月25日・水)
| 展示された料理を勉強する参加者たち。 | 地産地消を講演する谷口博士。 |
大仙市の大曲エンパイヤホテルで25日、「大曲地域 冬の味わい食と農のつどい」が開かれた。農家の主婦たちのアイディアと工夫を凝らした「大曲市生活技術開発展」が昨年まで35回続けられてきたが、合併で幕を閉じたことから、これまでの開発展を振り返り、〃地産地消〃を考える場にしようと開催した。
つどいには生活研究グループ、大曲街道直売所、加工販売、大曲商工会議所、大曲地域認定農業者役員など約80人が参加。第32回開発展から昨年の35回展までに商品化された「古代米大福」「いぶり大根」「ぶどう漬」などの作品20点と地域振興作物を使った料理が展示された。地域振興作物はキャベツやモロヘイヤ、枝豆、メロンなど6品種。「キャベツの鉄砲漬」「モロヘイヤの松前風味」「ほうれん草のスープ」など工夫が凝らされた11作品が展示された。参加者は作品のレシピ集を手に「見た目もかわいい」「おいしそう」と評価しながら自宅での手作り料理や農産加工品の技術にどう活かすかと熱心に勉強していた。
続いて県立大学生物資源科学部助教授の谷口吉光農学博士が「地産地消を地域づくりにどう活かすか」と題して講演した。谷口博士は地産地消をすすめる会代表幹事も努めている。講演で谷口博士は「農産物価格は低迷し、政府は農業への補助をこれまでのように一律に配分するのではなく、担い手と認められた人にしか出さないなど日本農業は大きな変わり目を迎えたが、直売所など地産地消の取り組みは元気だ」と地産地消には将来に向けた明るさがあると勇気づけた。さらに大量の食糧輸入国だった日本だが、経済発展が著しい中国もいずれは輸入国となって、日本農業は見直される時代が来るとして根を張って生きていこうとする地産地消の大切さを強調した。
そして地産地消は「地場産地場消費」の略語で、「地元のものなら何でも食べろではなく、地元の食べ物の価値を理解して、大切にしようという意味だ」と谷口博士。海の幸、山の幸、田畑の幸であるジュンサイやハタハタ、比内鶏、とんぶり、岩ガキ、ガッコ(漬物)などがを例に挙げ、秋田は「地産地消の宝庫だ」と強調した。
その地産地消の宝を活かす道として「地元のものを優先して買うことで、その金は仲間に届き、地域農林水産業の応援になる」「高齢者への食材配達など食を通じた地域の助け合いの輪を作ろう」などと提案。そして「イギリスでは週1回、公民館で高齢者のための昼食会を開いて、ボランティアの人たちが地元の食材で料理を作り、話し合いながら食べる場を設けている。モノづくりだけでなく、こうした食べる場を作るのもいいのではないか」と人の集まる場づくりが出会いとなり、新しいビジネスにもなると訴えた。
またアメリカやヨーロッパで土曜日になると公園などで開く朝市のにぎわいを紹介しながら、秋田の直売所での年間販売額は約30億円なのに青森県は約50億円、岩手県は約100億円にも達しており、秋田の地産地消の市場はまだまだ伸びる可能性があると元気づけた。
講演の後はエンパイヤホテルの料理長が地域振興作物を活用した創作料理を囲んで食談会を開いた。こだわり米や一尺ニンジン、キャベツ、アスパラ菜、白菜など地域食材を使ったプロの料理に舌鼓を打ちながら、地産地消への夢を語り合った。