知事の市町村懇談会

美郷町と大仙市で開催

障害者の出張販売に県の施設も提供(1月26日・木)

  寺田典城知事が市町村を訪問し、行政関係者や地域住民と意見交換を行う「知事の市町村懇談会」が25日、美郷町と大仙市であった。寺田知事はあいさつで「経済はどうにか自立へと向かっているが、行政は地方と国合わせて775兆円の借金を抱え、消費税アップや社会保障の負担を求めることもあるだろう」と国家財政の厳しさを分析しながら「雇用、子育て支援などいろいろ課題があると思うが、忌憚のない意見を皆さんに求め、県の行政サービスにつなげたい」と参加者に呼びかけた。

  さらに農政の経営所得安定対策等大綱にも触れ「戦後の農地解放に次ぐ大きな転換となるのではないか。これをどこまでやれるか。制度に乗って半数以上の農家が認定されなければ本県の農業は生き残れない。そこまでの覚悟でやらなければいけない」とも述べた。大綱はこれまで全農家を対象とした支援を担い手を対象とし、認定農家なら都道府県で4ヘクタール以上、北海道で10ヘクタール以上、集落営農の場合20ヘクタール以上の農業者を支援対象とするもの。

  大仙市での懇談会は仙北ふれあい文化センターで開かれ、栗林次美市長をはじめ8地域自治区の地域協議会の代表ら8人とNPO法人障がい者自立生活センター「ほっと大仙」の石川和美理事長が出席。

  意見交換では「認知症となった高齢者はグループホームで介護を受けられるが、若年の場合、入所する場が少なく困っている。県としての対策があれば助かる」、「寝たきり老人を抱え、地域の施設の世話になっているが個人負担が大変だ。中には負担しきれず仕事を辞めて自宅で介護している人もいる」と負担軽減を求める要望もあった。

  これに対して県仙北地域振興局は「老化による認知症なら介護保健の対象になるが、若年の認知症の場合、障害福祉の面で対応できるかどうか検討してみたい」と答えた。寺田知事も「制度を調査してみたい。必要であれば対処したい」と述べた。

  また寝たきり老人の経費負担に関して知事は「介護保険では県の財政負担も87億円となっており、限界に近い。これからの対策は医療の問題も含め介護認定を受けない元気な高齢者をつくるような県民運動を一生懸命やっていくのも一つの方策ではないか」と答えた。

  大曲の花火での農家民宿という提案もあった。「農家の方から花火に来た人たちを自分の家に泊めることができれば農業体験もできるという話しもある。制約もあると思うが、花火特区として農家民宿はできないか」と求めた。寺田知事らは「面白いアイディアだ。大仙市と連携して花火特区も検討してみたい」と述べた。栗林市長も「地域協議会でもそういう話題が出ている。ホームスティーもいいが、何十万人も泊まった場合、対応できるかもある。いずれ観光客に少しでも滞在してもらいたいのが本音であり研究、検討してみたい」と前向きの姿勢を示した。

  合併で空いている役場の議場の改築について県の支援を求める意見もあった。これに対しては栗林市長が答弁。「合併で公共施設にかなりゆとりが出てきており、それをどう利用するかは我々の智恵であり、みんなに利用されるような改築をしたい」と述べた。

  ほっと大仙の石川さんは昨年10月に独立行政法人・福祉医療機構の助成を受けて買い求めた「焼きそばカー」や福祉店舗「ほっぺ」の運営活動を報告しながら「駄菓子店や焼きそばカーを使っての出張販売にも力を入れており、県の施設でも私たちの仕事をさせてもらえないか」と要望。

  寺田知事は「秋田は障害者を隠したがる傾向にあるが、社会に出て健常者と一緒に社会生活するのが基本だと思う。能力のある人なら普通に働いてもらう。障害者だからと過保護になってはいけない。やれることはやってもらうべきだ。農業科学館などでイベントがあった場合、福祉の観点から優先的に使ってもらうようにしたい」と支援を約束。石川さんは「知事にお願いして良かった」と感謝していた。