DVD化に向けて踊りを収録
後世に残る映像へと保存会の人たちが踊りの輪(7月3日・月)
| 大曲市民会館で収録された角間川盆踊り。 | モーションキャプチャーへの収録のため踊る新目さん。 |
大仙市の無形民俗文化財指定となっている角間川町の「角間川盆踊り」が総務省の地域文化デジタル化事業の補助を受けてDVD化されることになり、その収録が2日と3日、大曲市民会館とわらび座の「デジタル・アート・ファクトリー」(仙北市田沢湖)のスタジオで行われた。角間川の盆踊りは昨年9月、県内の産学で組織する秋田デジタルコンテンツ協議会(会長・吉村昇秋田大学教授)の選考委員会で、中仙地域の「ドンパン踊り」と共に「秋田の踊り20選」に選ばれ、DVD化が決まっていた。
角間川の盆踊りは関ヶ原の戦いで敗れ、能登半島から土崎港を得て角間川に定住した豪族が先祖の霊を慰めたいと踊ったのが始まりと言われている。明治末期の鉄道の開通で雄物川を使っての舟運が衰退すると同時に踊りも廃れたが、大正末期に江戸歌舞伎の初代市川左団次の高弟であった藤田正八が幼少のころ踊ったのを思い出しながら、町民に教えたのが現在に伝わったとされている。
ドドーンのピーヒャララと太鼓と笛のお囃子に乗っての踊りは、上品さとしなやかさが漂い、1967年6月21日に旧大曲市の無形文化財に指定された。同時に角間川盆踊り保存会も結成され、町の人たちはその保存に力を入れている。そして大仙市誕生となってそのまま同市の文化財として引き継がれた。
DVD化するためのビデオ収録はデジタルコンテンツ協議会の事務局になっている南秋田郡八郎潟町の横浜電子工業が行っている。2日の市民会館での収録には角間川盆踊り保存会の踊り手8人とお囃子11人が参加。カメラ2台を設置し、輪になっての踊りを収録した。
踊り手、そしてお囃子の人たちは後世に伝わる映像だけに、完成度の高いものにしたいと撮影されたビデオ映像をチェックしては何度も何度も踊りと囃子を繰り返していた。そして角間川盆踊りの歴史やその価値などを保存会の人にインタビューし、収録していた。また、デジタル・アート・ファクトリーでのモーションキャプチャーでの収録は、角間川盆踊り保存会の前会長・小國ヱイ子さん(76)の3女で、現在は神奈川県に住んでいる新目万里子さん(52)が引き受けた。
モーションキャプチャーは両手や両足、頭部など体の16カ所に取り付けた磁気センサーからの信号を使って体の動きを正面、横、後ろ、真上など5方向から捉えてアニメーション化するもの。ビデオ映像は平面だが、モーションキャプチャーでは三次元の立体的な映像として収録される。新目さんは小國さんのアドバイスを受けながら「亡くなった父への供養も兼ねて心を込めて踊れた」と満足そうな表情で収録に応じていた。
総務省の地域文化デジタル化事業はデジタル画像技術を用いて、過疎化や高齢化で消滅していく危機にある地方の有形・無形の文化財を記録し、誰でも自由に閲覧できる仕組みを構築、保存・継承していこうと始めたもの。横浜電子工業では今後、角間川盆踊りの行われる8月14日にもビデオ収録に訪れ、町の風景や史跡、本番での踊りの様子なども撮影。中仙地域の「ドンパン踊り」同様、「みてみよう」「覚えよう」「調べよう」の3部門のテーマで10月までにDVD化し、教材や大仙市をPRする映像として市販する予定だ。