大仙市の東北農業研究センター
小学生を対象に稲作や大豆栽培の教室を開催(7月11日・火)
| 会議室でイネや大豆の栽培を学ぶ子どもたち。 | 外に出て大豆の生育や様々な品種のイネも見た。 |
大仙市四ツ屋の「東北農業研究センター大仙研究拠点」では11日、市内の小学5年生の児童を対象に「田んぼの科学教室」を開いた。同研究センター(旧水田利用部)では東北地域における水田農業発展のための試験研究を実施しているが、子どもたちの食育や理科教育の一助になればと昨年から研究員が講師を務め、教室を開いている。事前に募集した結果、高梨、豊川、太田東、横堀、太田北の5小学校から参加申込みがあって、引率の先生たちを含め115人が同センターで勉強した。
バスで訪れた子どもたちは同センターの研究管理監・荒木均農学博士らの出迎えを受けた。そして同センターで栽培された赤米のおにぎりを試食した後、会議室を教室にイネの栽培や品種改良、イネに与える肥料、イネの病気や害虫、益虫、雑草、転作大豆などをスライド映写を見ながら勉強した。
スクリーンには米が出来るまでの過程やイネは何を食べているかなどの映像が写され、「今は機械で田植えするが、昔は牛や馬を使って田んぼを耕し、みんな人の手だった」と説明。そして「機械だと簡単に田植えが終わるが、手植えの時代だと10アールの田んぼに苗を植えるだけで一人で一日がかりだった。だから昔は、子どもの手伝いも欲しくて田植えの時は学校も休んだ」との説明があるとビックリした顔だった。
そしてイネは日光を浴びてデンプンなどの炭水化物を自分で作るが、足りない栄養は根から吸い取っている。イネを大きく育てるには窒素やリン、カリウムの肥料が必要だなどと説明。子どもたちのテーブルには肥料を与えたイネ、肥料なしで育てたイネのサンプルも置かれ、その違いに目を丸くしていた。
さらにイネにとって最も怖い病気であるいもち病やイネを食べる害虫などを紹介し、同センターではその病気に罹ったイネを見せながら、いもち病に強いイネの研究や冷害に強いイネの品種づくりの研究をしているなどと説明していた。
熱心にノートに記録していた子どもたちは「イネを交配する時はどんな道具を使うのですか」とか「新しい品種ができるまで大変なことはどんなことですか」などと質問。センターでは「イネの交配はお湯を使って雌しべと雄しべを分けている」「新しい品種が出来るまでは選抜が大変な作業で、その繰り返しで10年もかかる」などと説明していた。
そして表に出てからは大豆栽培畑や水稲品種展示の田んぼ、農業機械を見学。大豆畑では子どもたちが大豆を抜き取って、根っこに付いている小さな根粒菌の観察をした。根粒菌は空気から養分を作り出す役目を果たしている。根粒菌を爪で割ると淡いピンク色の液体が出てくる。センターの職員から感想を求められた子どもたちは「液体がヌルヌルして赤いので、栄養が詰まっているような感じがした」と答えていた。
また、水稲品種展示の田んぼでは品種改良で冷害といもち病に強いイネとして1921年に同センターで生まれた「陸羽132号」やその基となった「亀の尾4号」「愛国(陸羽20号)」など昔のイネや現在の人気品種「コシヒカリ」「トヨニシキ」「あきたこまち」などが展示栽培されている。また、葉に白の縦じまが入り、穂が紫色に染まる観賞用のイネ、それに中国やフィリピン、アメリカで栽培されているイネなども展示され、見学に訪れた子どもたちは熱心にノートに記録していた。
農業機械のコーナーでも大豆用に開発されたコンバインや畑を耕しながら種も播く、播種機の説明を受けながら、「家の父さんが乗っている機械と違う」などと興味を示していた。