社会を明るくする運動

大曲地区保護司会

非行に走る少年のビデオをテーマに研究会(7月19日・水)

  7月は法務省主唱の「社会を明るくする運動」の強調月間─。大仙市社会を明るくする運動実施委員会では18日、その運動の一環として「公開ケース研究会」を広域交流センターで開いた。参加者は居場所を失った一人の少年が非行に走っていくケースと、理解を示す家族の支援や社会からの温かい言葉で立ち直るケースをドラマ化した広報ビデオ「二つの道」を観た後、その少年の気持ちや親子関係などをテーマに研究討議した。

  社会を明るくする運動は「犯罪や非行が生まれるのは地域社会であり、罪を犯した人や非行をした少年の更生を果たす場も地域社会に他ならない」とその更生に理解を示し、それぞれの立場から力を合わせ、犯罪や非行のない明るい社会を築こうと始まった。

  その切っ掛けは1949年(昭和24年)、まだ戦後の混乱が続く中、子どもたちの将来を危惧した東京・銀座の商店街の有志がこの年の7月1日に施行された「犯罪者予防更生法」の趣旨に共鳴し、自発的に「犯罪者予防更生法実施記念フェア」を開催したことからで、その翌年には「矯正保護キャンペーン」が全国的に展開され、さらに1951年、当時の法務府が「社会を明るくする運動」を展開するようになった。

  大曲地区保護司会もその運動を展開しようと実行委員会を主管し、大仙市と美郷町の各地区を会場に実施している。この日は大曲地区の保護司や更生保護女性の会ら約120人が出席した。

  始めに大仙市実行委員長の栗林次美市長は「罪を犯した人や非行に走った少年が社会の一員として立ち直ろうとするには本人の意思はもちろんだが、関係機関をはじめ地域社会の温かい理解が必要だ。特に豊富な経験と柔軟な対応ができる保護司の皆さまの協力は不可欠で、その使命感とボランティア精神には頭が下がる」と敬意を表した。

  続いて大曲地区保護司会の民谷新栄会長は奈良県や京都で起きた少年や大学生の凶悪事件、そして藤里町での娘と近所の小学生殺害事件にも触れ、「野放図な自由がこうさせたのか」と慷慨(こうがい)しながらも、「学校や地域社会、家庭が協力し、子どもたちへの物事の善悪や規範を守る心をつくってやらなければならない」と訴えた。

  会場には法務大臣からのメッセージも届けられ、佐藤光明秋田保護観察所長から栗林市長に手渡された。そして佐藤憬(さとる)大仙警察署長、三浦憲一大仙市教育長があいさつし、ビデオフォーラムに入った。

  ビデオでは高校受験に失敗した少年が不良交友や夜遊びをするようになり、居酒屋で飲酒をとがめた店員を殴ってケガをさせたことから、家庭裁判所で保護観察処分を受けるのを背景に、家庭や学校、教師からも冷たくされ居場所を失いながらも、社会からの温かい支援の声で立ち直ろうとする姿、逆に非行に走っていく姿の両方のケースが描かれた。

  ビデオ終了後、参加者は3つの会場に分かれて「少年が学校に行きたくないと思うようになったのはなぜか」「更生を決意した少年がまた、人を殴ってしまったのはなぜか」や「家族の少年への接し方にどんな問題があったのか」などをテーマに話し合い、活発な意見交換をした。その中では家庭や学校、地域の教育力の低下を指摘する声や子どもの意思や個性、能力を尊重して高校への針路を考えてやらないと本人の家庭での居場所もなくなると言った意見も出た。

  これを受けて佐藤秋田保護観察所長は「子どものしつけ、教育の原点は家庭であり、父親の無関心と母親の押し付けが今回のような悲劇を生んでおり、特に父親は子どもから逃げずに体当たりしてほしい」と講評した。