肝がんの予防と治療

大仙市大曲で市民講座

4人の医師が肝臓の病気をテーマに講話(6月5日・月)

  大仙市で3日、日本肝臓学会や大曲仙北医師会、仙北組合総合病院など共催の市民講座「肝がんの予防と治療」が開かれた。06年度「肝がん撲滅運動」の一環としての講座で約150人が受講した。

  講座は仙北組合総合病院の五十嵐潔診療部長を座長に大仙市大曲朝日町、中島医院の中島康医師が「肝疾患の現状」を、仙北市田沢湖のかとうファミリークリニックの加藤純司院長が「ウイルス性肝炎と肝がん」を、仙北市立角館病院消化器科の中根邦夫科長が「肝硬変と肝がんの内科的治療」、そして仙北組合総合病院の小野文徳外科科長が「肝がんの外科的治療」と題してそれぞれ20分前後の講話をした。

  開会のあいさつをした小野地章一仙北組合総合病院長は「医学界ではこの30数年間、がんを撲滅しようと叫んできたが、減るどころか増える一方で、がんを撲滅しようという言葉は使わなくなった。しかし、肝臓がんは原因が分かってきて、乳がん同様、撲滅できる少ないがんの一つだ。4人の先生たちはそれぞれ肝臓を専門にやって来た方だ」と紹介した。

  4人の医師は「肝がんの原因の80%以上がC型肝炎ウイルスで、その感染者の増加の原因は輸血などの医療行為という特殊な事情によるものだが、ウイルスによってB型やC型肝炎に感染し、慢性肝炎になってもインターフェロン、ペグインターフェロンの薬物治療によって肝硬変への進展が抑えられ、肝がんの発生も予防出が可能となった」などと話した。

  また輸血用血液がC型ウイルスに対してクリーンになったのは1992年以降であり、それ以前に手術とか輸血を受けた方は肝炎ウイルスの検査を受けるよう勧めた。一方でアルコール性肝硬変の発症例は1998年の全国統計では秋田、岩手、沖縄県が高いとして酒量を抑えるようにと注意もあった。さらに外科医からは肝臓には再生能力があり、がんが発生して肝臓の70%を切り取っても1カ月でほぼ元の大きさ戻るなどの例がスライドで紹介された。

  最後には4人の医師を前にパネルディスカッションに入り、参加者から事前に出された質問に答えた。一人は50年前の輸血でC型肝炎となり、13年前にインタフェロンの治療をやったが、74歳の今でもその薬での治療が可能かと質問。医師は「インタフェロンの治療も進歩しており、74歳だから治療の対象にはならないということはない」と答えた。

  また「アルコール性肝硬変と診断された。治らないか」との質問もあったが、医師団は「肝臓の機能が保たれているかどうかで違うが、まず酒を止めることが大事だ」とキッパリ。病気をテーマにした講座だけに参加者は最後まで熱心に聴講していた。