軽快なエンジン音
大きな転換期に心境は複雑(5月17日・木)
初夏の陽気が広がる大仙市で田植えが始まった。水が張られた広大な田んぼに軽快なエンジン音を立てて、田植え機械が滑るように走り、田んぼが緑色に染まっている。苗を背負った田植え機械はまるで巨大なミズスマシのように田んぼを走る。
県仙北地域振興局農林部によると今年は4月の低温と雨で、耕起作業は遅れ気味だったが、下旬からの好天で盛り返し、ほぼ平年並みになったという。
農作業をしながらも農家の人たちの頭から離れないのは07年から始まる国の「新たな経営安定対策」。県も寺田典城知事自ら、農村に足を運んで担い手となる認定農家の育成や集落営農の必要性を説くため「あぜ道ミーティング」を実施するなど県、そして市や町村もその説明に全力を挙げ、農家の関心も高まっている。
国からの支援を受けるには経営規模を拡大し、4ヘクタール以上の認定農家になるか、20ヘクタール以上の集落営農や法人組織の一員となるしかない。このため大仙市農林商工部でも本庁と各総合支所が1月から3月にかけて全集落で座談会を開いて、国の方針を説明してきた。
地域によっては集落化に向けて動き出した所もあるが、個々の農家になると収入を集落営農通帳に入金するという「経理の一元化」や自分の持っている田んぼを他人に任せること、それに個人で買い求めた農業機械をどうするかなど課題も多く、抵抗もある。
大仙市蛭川で田植えしている農家の人は「集落化の話は来ているが、この田植え機だって去年買ったばかり。みんなもそれぞれに持っている機械がどうなるかで悩んでいるようだし、具体的な話し合いはこれからだな」と心境は複雑。田植え機械で300万円前後、そしてトラクターで600万円、さらにコンバインになると1000万円はするという。集落化や法人化した場合、そうした機械を買い取るという方法もあるが、大きな課題を抱え、転換期を迎えた中での田植えが始まった。