三遊亭鳳楽師匠、独演会
落語ファン、お笑いとお酒を楽しむ(5月27日・土)
大仙市南外字悪戸野の出羽鶴酒造株式会社(伊藤辰郎社長)主催の「第3回ほろ酔い寄席」が26日夕、同社の蔵で開かれた。落語と日本酒を楽しんでもらいたいと企画したもので、今回も5代目三遊亭円楽の総領弟子で、落語界の本格派として評価が高い三遊亭鳳楽師匠が高座を務めた。
落語とお酒が楽しめるとあって、座布団の敷かれた蔵は100人ほどのファンで埋まった。伊藤社長は「農繁期の真っ盛りで忙しい中、ようこそお出で下さった。笑う角には福が来ると言われてます。大いに笑って楽しんで下さい」と歓迎した。
鳳楽師匠は約300題ものネタを持ち、演じるネタの完成度の高さで1977年の第6回NHK新人落語コンクールで最優秀賞を受賞、1993年には文化庁芸術祭賞を受けている。
午後5時40分、落語界独特の「出囃子(でばやし)」に乗って鳳楽師匠が登場すると会場からは「待ってました」の掛け声も。高座に座った師匠は早速、「金曜日のこう言う時間からお出で下さるのはよっぽど余裕のある方か、家に居られない事情のある方かと思われますが」と笑わせた。
さらに前座話として落語には「こっけい話、夏場は怪談話、そして人情話がある。怪談話は電気を暗くして、ロウソクを立ててやるもので消防署から中々、許可が降りないんですよ。ですからお寺でやるんです。お寺なら許可も要らないし、怖くて心臓麻痺で亡くなってもすぐ対応出来ますからお寺が一番、最適なんです」とジョークも。
落語は江戸時代から現代に伝わる伝統芸能。弟子入りして落語界のしきたりを学び、それから前座を5〜6年、二つ目の位と上がって10年ぐらい努め、それから真打となってやっと一人前として独立する。厳しい修業を重ねて噺家になるだけに、口から出る言葉は知恵ととんちのこもった美しい日本語の羅列だ。「小児は白き糸の如しで、親の染め方一つで子供はいろんな色に染まる。〃孟母三遷の教え〃というように教育は環境が大事なんです」など〃ことわざ〃がポンポンと出る。
「オトッツあん」や「おっかぁ」、「ご隠居さん」なども登場。「昔は子供は夜になったら寝るものだった。オトッツあんが子供に桃太郎の鬼退治の話なんか聞かせるとすんなり眠ったものだ」と言いながら、「今の子供は憎まれ口を聞いて、『早く寝ろ』と言っても『子供は夜になったら寝るものだとでも六法全書に出てるのか』なんて言い出す」と現代を風刺。
さらには「黒板塀に夕日が当たったような顔をして」とか仲の良い夫婦が目と目を合わせ、「旦那もニッコリすると相手もニッコリ。合わせて凝(しこ)りだ」と見事な語呂合わせで会場を笑いの渦に。「着物の裾から見える雪のように白い脚の色っぽさ」、「焼き冷ましのモチのような堅いお人なのに」と言った表現には聴衆もうなるばかり。休憩を挟んで2時間もの間、鳳楽師匠の言葉の味は聴衆を幸せな気分にさせた。
終わってからは会場が宴会場に。テーブルに並べられた料理と出羽鶴の銘酒に舌鼓を打ちながら、「やっぱりプロの噺家。2時間もの間、本当に笑えた」と大喜び。鳳楽師匠も同席し、お客からのサインの求めにも気楽に応じていた。