県の安全・安心事業

大仙市での安全・安心アカデミー始まる

町内会長ら防犯・防災リーダー目指して受講(5月31日・水)

  日本一安全で安心な県づくりを目指そうと秋田県では、犯罪の起こりにくいまちづくりの推進と災害発生時の「安全・安心の確保」に向けて自主的な防犯、防災活動の地域リーダーを育成する「地域安全・安心ディフェンダー育成事業」を昨年から実施している。今年度は北秋田市森吉地区と五城目町、大仙市大曲地区をモデル市町に指定、30日、大仙市役所で第1回目の研修会が開かれた。

  「安全・安心アカデミー」と名づけられた防犯・防災教育講座は日中、地域を守っている高齢者や町内会役員、女性らを対象に開き、防犯・防災に関する専門知識と実践技能を習得してもらうもの。市からの呼びかけに大曲地区の町内会長ら34人が受講生として参加した。

  開講式で県生活環境文化部の佐々木松彦部長は、藤里町で発生した男児殺害事件にも触れ「痛ましい事件であり、一日も早い解決を願いたい」と述べ、「この事件を乗り越えて一歩でも二歩でも前に向かい、このような事件が二度と起きないようにしなければならない」との決意を示し、県の「安全・安心まちづくり活動支援助成金」を増額する方向で検討していることを明らかにした。さらに「安全・安心アカデミーは地域の安全、安心を守るために具体的な手だてを一人ひとりが身につけてもらいたいと昨年から実施している。長丁場の講座となるが、地域のリーダーとして自主防犯・防災組織の結成や防犯・防災活動に取り組んでもらえるよう頑張ってもらいたい」と激励した。

  この後、大曲仙北広域消防本部の菅原達美予防課長が「自主防災の意義と活動」と題して、大仙警察署の佐藤義和生活安全課長が「地域の防犯と犯罪情勢」と題して講座を開いた。

  菅原予防課長は「大災害が発生すれば行政や防災機関が総力を挙げて救助活動に当たるが、行政にも限界があり、被害を最小限にとどめるには地域の協力体制は欠かせない」と強調。1995年1月17日に発生した阪神淡路大震災では6000人を超える死者が出たが、菅原課長は「神戸市長田区真野地区では、住民を主体にしたまちづくりの実績があり、企業と住民がタイアップして火災延焼をくい止めようとバケツリレーをやった。また日ごろの豊かな付き合いもあって、高齢者を倒壊家屋から救出した」など成功例を紹介。

  さらに「地域内の消火栓や貯水槽、自然流水の場所、それに震災で崩れやすいブロック塀の状況、寝たきり老人や身体不自由な人の存在などの情報は救助・防災活動の強い味方になる」と地域を知ることの大切さを強調。そして自主防災組織は「やっていて楽しい、自分の役に立ち、他人にも喜んでもらえる。この3つの要素が大事だ」と訴えた。

  佐藤生活安全課長は県警察組織の仕組みから、犯罪への取り組みなどを紹介しながら、県南を中心に2年前から「しのび込み」事件が多発していると警鐘。しのび込みは空き巣狙いと違って、就寝中を狙って侵入するため、家族に気付かれると殺人や強盗に発展する恐れもあり、「警察としても危機感を持って取り組んでいる」としながらも「カギ」掛けを徹底するなど防犯に強い家にすべきだと注意した。

  窃盗被害に遭った家から事情を聞いた結果、無施錠だったのは全国平均で33%だが、県内は67%、大仙市内は87%、美郷町は100%の無防備さだったという。

  また昨年の県内の振り込め詐欺の認知件数は185件で、被害総額は約1億8000万円にも上ったとの報告もあった。大仙署管内では被害はなかったが、昨年6月におばあさんが300万円を振り込もうとしたのに銀行員が気付き、説得して被害を抑えたという。しかし、アダルト番組を通じた架空請求やお金を融資するからと逆に金を振り込ませる融資保証金詐欺の被害は増えており、注意するよう訴えていた。

  アカデミーは今後、12月まで7回開き、救命講習や総合防災訓練の見学、消費者犯罪や住宅犯罪、災害図上訓練などを学び、全講座が終了すると「修了証」が交付される。