大仙市のキャリア教育

中学生が連続5日間の職場体験

働くことを通して生きる力、努力する力を養う(10月23日・月)
 
 道の駅を清掃する協和中の生徒。   働く生徒たちを廣川校長も励ましに来た。

  大仙市の協和中学校(廣川潔校長・生徒数219人)の「職場体験学習」が、23日から地元の特別養護老人ホーム「峰山荘」やスーパーの「マックスバリュー」、美容室「ほっぷ」、道の駅「協和」など17の職場で始まった。2年生2クラス63人が27日までの連続5日間、午前8時半から午後3時半まで実際の職場体験(キャリア体験)をするもの。文部科学省が「キャリア教育実践プロジェクト」として呼びかけ、各県に補助金を出し、県がそれぞれの実践校を指定して実施している。

  中学生のうちから実際の職場で、働く人たちとの触れ合いを通して、働くことの喜びや困難を体験し、自分の生き方について考え、努力する気持ちを育てたいという狙い。大仙市では太田中学校(松田篤校長・生徒数207人)も指定を受け、この夏休みに3年生66人が職場体験をしている。

  生徒たちはこの日から市のバスの送迎を受けて、それぞれの職場へと通勤する。体験したい職場は生徒たちが自分で選んだ。道の駅「協和四季の森」(伊藤廣明支配人)には男子3人が通勤し、売店、厨房での手伝い、そして付属する陶芸施設「荒川焼き」での土や薪運び、土をこねるために使った容器を洗うなどの仕事を手伝っている。

  生徒たちはブラシを手に道の駅への入口を熱心に掃除したり、陶芸施設では作品展示台をていねいに雑巾がけ、そして陶芸用容器の泥落としなどの作業を黙々と行っている。

  働く生徒たちを励ましたいと道の駅を訪ねた廣川校長は生徒たちに「頑張ってるか」と声をかけ、生徒たちを指導している職場の人たちには「貴重な職場体験なので、遠慮しないで使って下さい」とあいさつしていた。

  そして「変動の激しい社会だけに生きる力を養い、早くから職業観を身につけてもらうには5日間の職場体験は実践的で、素晴らしいことと思う」と話した。また、「生徒たちには失敗はあるかもしれない。あっても萎縮しないで、一生懸命やれば職場では受け入れてくれるということをアドバイスしました」と話す。5日間、普通の授業を離れることになるが、1年間の総合学習の時間を集結させたと思えば問題ないとも。

  生徒たちを受け入れた職場でも「ただ手伝ってもらうだけでなく、仕事とはこう言うものだと言う厳しさを体験させたい」と普通の従業員として接していた。

  キャリア教育では生徒たちから職場体験の前と体験後のアンケートを取ったり、保護者と生徒たちを受け入れた事業所からもアンケートを取っている。大仙市教育委員会によるとこの夏に職場体験した太田中の生徒たちは体験する前は「あいさつや身だしなみをしっかりする」などと自分自身を戒め、一方で「言われた仕事をちゃんとやりきれるか」と不安も見せていたが、体験後は「自分が作った部品が、ほかの大きな機械の一部としていつか使われると思うとうれしい」と感想を述べたり、仕事に関しては「天候に関係なく、暑くても寒くても、その仕事をやり通さなければならない」と責任感の大切さを学んだという回答もあった。

  一方、職場からも「仕事に真面目に取り組んでもらい、とても助かった」「子どもの暗いニュースがあるのに明るくて素直な子どもたちと働けて感激でした」「早い段階から仕事を経験させ、地元企業に興味を持ってもらえ良かった」など好評な回答を得た。また、保護者からも職場体験の後は「最後までやり遂げようとするようになった」「あいさつがよくなった」などの回答や、「身なりについても頭髪からズックまで鏡でチェックし、気をつけていたようだ。良い意味で緊張感のある5日間を過ごせたようだ」などの感想が寄せられている。