大川西根小の楽器まつり演奏会

全校児童85人、弾けた歌と演奏

友情をテーマに今年も感動のミュージカル(10月30日・月)
 

  全校音楽で知られる大仙市大川西根小学校の「第36回楽器まつり演奏会」が29日、大曲市民会館で開かれ、子どもたちの保護者や祖父母、そして同校の音楽ファンにいっぱいの感動を与えた。聴衆はホールは3階まで入り、子どもたちのはつらつとした演奏や合唱、そしてミュージカルの演技に感激の拍手を何度も送って楽しんだ。

  同校の全校音楽は1961年に「音楽を通じて子どもたちを活気づけたい」と音楽主任として赴任した一人の教諭の発想で誕生し、今年で45年の歴史を刻んだ。その活動は国内はもとより海外にまで響き、多くの視察団をこれまで何度も受け入れて来た。全校音楽は1年生と2年生は鍵盤ハーモニカーを演奏し、3年生はリコーダーを、そして4年生以上はバイオリンやトランペットなど難しい弦楽器、管打楽器を手にオーケストラ演奏するのが習わし。楽器の使い方は上級生が下級生へとマンツーマンで教えてきた。

  今年も4月に入学した児童15人を加えて、85人の児童で全校音楽は始まった。1年生は授業の合間に鍵盤ハーモニカーの使い方を習い、そして歌を楽しんできた。先生たちは特別な指導をしなくても、子どもたちから子どもたちへと受け継がれた〃伝統〃が、自然に音楽を楽しめる雰囲気となって伝わった。7月には「音楽のつどい」を開いて、招待された保護者や祖父母らを前に1年生は全校音楽へデビュー、そして4年生もオーケストラへのデビューを飾った。

  楽器まつり開幕に当たって高橋勇治校長は「子どもたちは全校音楽とミュージカルのために、ただ演奏や演技するだけでなく一人ひとりが、こうなりたいと夢を持って取り組んできた。85の夢がこれからステージに広がる。その元気いっぱいの演奏と演技を楽しんでもらいたい」とあいさつした。

  ステージに現れた児童は全員、普段着のままだった。その飾らないありのままの姿が聴衆の感動を呼び、いっぱいの拍手で迎えられた。そして創立110周年讃歌の「はばたきマーチ」で音楽は始まった。1年生から3年生は大きな口をいっぱい開けて歌い、体を元気に動かした。「ウイーンはいつもウイーン」、校歌「われらの母校」、映画音楽「サウンド・オブ・ミュージック」と続き、懐かしの唱歌「ふるさと」の澄みきった声での斉唱もあった。最後はホルストの組曲「惑星」よりから「木星」の見事な演奏もあった。子どもたちが奏でる楽器はホールいっぱいに響き、歌声が胸に染みた。

  全校音楽が終わって、第2部のウエストドリームミュージカル「ぼくたちは一人じゃない〜おれたちともだちより〜」の準備の間、隣接する中央公民館では大曲小学校和太鼓部52人が友情出演し、豪快な太鼓演奏を聴衆に聴かせた。

  ミュージカルのストーリーは今の6年生が、5年生だった時の昨年3月にテーマを話し合い「友情にしよう」と決めた。そしてそのテーマに合った本を図書室から探し出し、内田麟太郎さんの絵本「ともだちシリーズ」を参考に台本をまとめた。舞台での歌も6年生が作詞し、パソコンのソフトを使って作曲した。その完成を待って、夏休み明けから練習を始めた。こうして「全校児童みんなで創るミュージカル」は今年で15年目を迎えた。

  子どもたちは森の中に生きるリスになったり、ウサギやシカ、イノシシ、サル、ヒツジの役など好きな役を選んで練習した。そして5、6年生の中から15人がオーケストラのメンバーとなった。本番ではオーケストラの手の足りない面は元同校の校長や卒業生が応援出場した。

  練習には秋田市で子どもミュージカルを指導している佐藤修三さんも駆けつけ、演出を手伝った。ダンスは同市の社会保険健康施設「ペアーレ」でエアロビクスを指導している三浦京子さんが指導するなど、多くの応援もあった。

  こうして友情をテーマにしたミュージカルは元気に幕を開けた。森の動物たちと友だちになりたいと願うオオカミとヘビ、キツネ。3匹は知恵を出し合って「ともだちや」という商売を始めて人気を呼ぶが、やはり警戒される。その動物たちの住む森に雷が落ちて、森は火に包まれる。安全な方へ逃げるように忠告する3匹。しかし動物たちはオオカミやヘビ、キツネの言葉に耳を傾けようとしない。そして火に巻き込まれたリスの親子。その親子を必死になって助け出すことから「友だちってなんだろう」というかけがいのない大切なことを教える。

  子どもたちが演技し、歌い、踊った55分間のドラマは楽しさと感動をいっぱい与え、大きな拍手に包まれて幕を閉ざした。