大仙市の9月定例議会

栗林市長が市政報告

財政硬直化、抜本的な経常経費削減へ(9月5日・火)

  大仙市の9月定例議会は5日招集され、栗林次美市長の「市政報告」の後、会期を22日までの18日間と決め、手数料条例の一部改正など条例案12件、06年度一般会計補正予算など予算案12件、財産の取得など議決案13件、05年度一般会計・特別会計決算などの認定を求める案3件の計40議案を提出して散会した。

  市政報告の中で栗林市長は3日に広域交流センターで行った一般事務及び建築・土木合わせて15人の職員採用の1次試験に対して、160人が受験したと述べた。また、市民から募集していた市の「花、木、鳥」の選定と「市民の歌」の制定については、それぞれ選考委員会、制定委員会で選考、制定作業を進めており、10月1日に大曲市民会館で開催する「大仙市誕生1周年記念式典」で披露したいとした。

  さらに第三セクターの経営改善については「大仙市出資法人経営改革調査特別委員会」を4回開催しており、今後は市としての考え方及び各三セクの運営方針などを特別委員会に示しながら、11月ごろには一定の方向を定めたいとした。また、温泉を経営する一部の三セク(西仙北温泉インターと協和リゾート管理公社)が、利用者の減少と灯油代の高騰などで、運転資金不足が懸念されるため暫定措置として、第三セクターに運転資金を貸し付ける制度を設けたいと述べた。

  子どもの安全対策に関しては、これまでの市職員と教職員による「子ども安全パトロール」のほか、地域住民、自治会、PTA、老人クラブなどと「子ども安全ネットワーク」の構築を呼びかけており、さらに市内の郵便集配局、JA秋田おばこ及び県ハイヤー協会大曲仙北支部にも協力を要請し、10月から所有車両に防犯ステッカーを貼付し、防犯パトロールを実施してもらう準備を進めているとした。このための防犯ステッカーと青色回転灯の購入費の予算補正を今議会に計上していると述べた。また、大仙市管工事組合から組合加入30社所有の車75台に独自の防犯ステッカーを貼付し、子ども安全パトロールへの協力を受けているとの報告もあった。

  最後に財政状況にも触れ、財政構造の弾力性を示す指標である経常収支比率は94.2%と非常に高い数値で硬直化しており、その改善が「喫緊(きっきん)の課題」だとし、07年度以降は経常経費全体の抜本的な削減に取り組まなければならないと危機感を募らせた。このため、人件費は退職者数に対する採用者数を抑制し、さらに早期希望退職者制度で職員数を減らし、適正とする類似団体の職員数に近づけたいとした。

  また、本年度から実施の指定管理者制度を活用した業務の民間委託や社会福祉施設や保育園の法人への移行、市が出資している第三セクターなどの経営改善なども早期に実施したいと強調した。

  市によると自治体の起債(借金)が許可制から協議制に移行されたのに伴い、05年度決算から実質公債費比率という指標が創設された。そしてその指標が18%以上の団体は従来通りの許可制が適用され、公債費負担適正化計画の策定団体となり、今後の財政運営計画を立てた上で、起債の許可を得る必要があるという。また、25%以上になると単独事業などの起債は制限される。

  大仙市の場合、実質公債費比率は17%で、まだ協議制で起債発行が可能だが、総合計画の実施計画に掲載されている事業をすべて実施すると07年度には18%を超え、09年度には21%前後になると予測している。このため、栗林市長は実施計画の中の建設事業は再度の見直しも行い、起債発行額の削減を図らなければならないと述べた。さらに自主財源確保のため、市税の滞納繰越分の徴収にも一層の努力を払いたいとした。

  提案された条例案は市で徴収している手数料を改正するための手数料条例の一部改正や太田地域の緑地広場条例の一部改正、児童館新設に伴う児童館及び児童センターに関する条例の一部改正、国保条例の一部改正など。

  手数料は住民票の写しの交付が、これまで4人までごとに200円だったものを、世帯員の数にかかわらず1通200円とする。また、件数の単位も整理し、カードや鑑札などは「枚」に、事項証明、閲覧は「件」に、それ以外の証明などは「通」とする。

  太田緑地広場は太田町小神成字根笹の太田根笹緑地広場をむらづくり交付金事業として整備したもので、10月1日から供用開始するため、条例の一部を改正するもの。事業費2300万円をかけて、5300平方メートルを緑地広場として整備した。

  児童館は神岡地域まちづくり交付金事業でJR神宮寺駅と国道13号バイパス間に道路が新設され、その区域に位置している駅向児童館を移転新築する事業が進められ、12月10日に完成の予定に伴い条例の一部改正するもの。児童館は約130平方メートルで、約1666万円の事業費。

  国保条例の一部改正は、健康保険法の改正で保険給付が見直されたものに伴うもので、出産育児一時金はこれまでの30万円が35万円に引き上げられ、葬祭費10万円は7万円に引き下げられる。10月1日からの施行。

  さらに神岡地域まちづくり交付金事業として、神岡中央公園に建設中の屋内多目的施設(愛称・嶽ドーム)のアリーナ部分が完成、12月1日から供用開始となることから大仙市公園条例の一部を改正し、施設の使用料などを規定する。施設は鉄骨平屋建てで、1850平方メートルの大きさ。アリーナは40メートル×40メートルの広さ。この他、市営協和スキー場のリフト料金が県内同規模のスキー場に比べ、高額だったことからリフト料金と貸しスキー料金を減額するための条例の一部改正も上程した。

  一般会計補正予算は11億8963万1000円で、補正後の累計額は458億6551万2000円となる。補正による主な事業は、児童手当法の改正でこれまでの対象者が小学3年生までだったのを小学6年生まで拡大されたことに伴う小学校修了前特例給付1億2810万円。西仙北地域の強首、大沢郷、平館の3保育園を統合するための建設事業費の06年度分として約6762万円。総事業費は約2億8512万円。除雪対策費として約6億283万円。さらに第三セクターとして運営している西仙北温泉インターと協和リゾート管理公社が資金計画の支払いで不足が生じたため、市が無利子で貸し付ける「第三セクター運営貸付金」として3000万円の計上など。

  議会は初日だったため、30人の全議員と栗林市長ら当局職員全員が来年の「秋田わか杉国体」に向けて作った真っ白なオリジナルジャンパーをはおって出席した。議会はこの後、12日まで休会し、13日と14日に一般質問が行われる。