夫や恋人からの暴力
大仙市で相談や支援強化の動き高まる(9月15日・金)
夫や恋人からの暴力、いわゆるドメスティック・バイオレンス(DV)への相談や支援強化の動きが高まっている。大仙市の9月定例議会でも杉澤千恵子議員がDVへの市の取り組みを一般質問で取り上げたのをはじめ、市民の間でも先月22日、大仙市ドメスティック・バイオレンス防止連絡協議会が設立され、被害者の相談や支援強化へと動き出している。
市福祉事務所ではDVに関しては家庭相談員(2人)と母子自立相談員(2人)、それに精神障害相談員(1人)が協力し合って対応している。杉澤議員の一般質問にも答えたが、同市の場合、05年度は5件の相談があり、06年は8月末現在で6件、さらに今月に入って3件と増加傾向にある。増えたのはこれまでは夫に暴力を振るわれても「私が悪かったから」とあきらめて泣き寝入りしていた人たちが自分の人権に目覚めたことや相談したくてもどこへ行ったらいいのか分からなかった人たちが、相談機関の存在に気付き、足を運ぶようになったものと市の男女共同参画室では推測する。
DVの実態は悲惨だ。妊娠中も暴力を振るわれたり、束縛され自由な行動が出来なかったうえに、子どもにも暴力を振るう例もある。しかも、料理がまずい、ぬるいなどとちょっとしたことを切っ掛けに殴ったり、蹴ったりし、悪質な場合は殴られた跡が他人の目に付きやすいところは避けるなど、暴力を振るいながらも証拠隠滅を図る冷静な行動を取る例もあるという。
DVの特徴は加害者が暴力を振るった後、一転して謝罪を繰り返し、優しくなってしまうことだ。しかも、暴力は身体的な暴力だけでなく、妻の行動を監視したり、人前で侮辱したりする精神的な暴力や性的な暴力、さらには生活費を渡さない、借金を負わせるなど経済的な暴力もある。また年齢も20代から80代と幅が広い。
DVは夫婦げんかの延長という意識もあって、県民も問題意識は低かったが、秋田県ではDVは深刻な人権に関わる問題として10年ほど前からその啓発防止に力を入れ、現在では県内各地の地域振興局福祉環境部に相談窓口が設けられている。
相談窓口が身近になったこともあって、県仙北地域振興局では04年度17件のDV相談があったのに対し、05年度は31件と大幅に伸びた。県全体でも04年度666件だったのが、05年度は705件となった。
DVの相談を受け、被害者に身体的な危険が及ぶような緊急性があった場合は秋田市の県女性相談所へ車で送り届け、宿泊させるなど一時保護の措置も取っている。市の福祉事務所の相談員も相談が深刻で、緊急を要すると判断した場合は、県と連携しながら保護措置を取るなどしている。
13日の杉澤議員からの一般質問に対して市では「DVに対する問題意識はまだ低いことから、地域の事情に精通している民生委員などの研修会を行うなど、DVへの理解を深め、被害者が気軽に相談し、支援を求めやすい体制づくりを県女性相談所など関係機関と連携を図りながら対策を進めたい」と回答している。さらに男女共同参画室では「ドメスティック・バイオレンス防止連絡会も設立されたので、こうした団体からも協力をもらってDVに関する啓発チラシを街頭で配るなど、支援と相談活動を積極的に進めたい」と話す。
各地域振興局以外で、悩みを聞いてもらえる相談先は次の通り。
▽ハーモニー相談室(中央男女共同参画センター)=018・836・7846
▽女性ダイヤル相談(女性相談所)=018・835・9052
▽レディース通話110番(県警察本部)=フリーダイヤル(0120・028・110)
▽子ども家庭110番「電話相談よい子に」=フリーダイヤル(0120・42・4152)
▽人権・いじめホットライン=018・862・6533