大仙市の斉内川が枯渇

無数の魚が枯死

県、救済の放流を管理組合に依頼(9月21日・木)
 
 水のない死の川と化した斉内川。   枯死した無数の魚類。

  大仙市太田町の真木渓谷を源流に中仙地域で玉川に合流する斉内川が枯渇し、川に生息している魚が無数に死亡している。現状を調査した仙北漁業協同組合(組合長・渡部英治県議)では残った水たまりでかろうじて生きている魚を保護し、水辺に移動させるなど救済策を取っている。一方、県仙北地域振興局建設部から連絡を受けた同振興局農村整備課では農業用水の管理団体である太田地域の真木堰根頭首工管理組合(高橋幸晴組合長)に放水を依頼し、魚類保護に当たっている。

  漁業協同組合では今月14日に中仙地域の東長野から太田地域の大神成までの約5キロを歩いて調査、組合員の一人は「川はほとんど水がなく死の川と化し、魚が無数に死んでいた」と話す。川にはギンブナ、オイカワ、ウグイ、ヤマメ、カジカ、アユ、ドジョウなどが生息しているが、それらが渇水した川底で枯死した状態。中には環境省が「特定種」として指定しているスナヤツメやエゾウグイもあるという。

  斉内川は総延長約21キロ。同川には田沢疎水幹線用水路と仙北平野幹線用水路からの水が流れ込み、田んぼに水が必要な農繁期には水量もあるが、その水がストップするこの時期になると水涸れすることが多かった。しかし、「今年ほどひどい状況はなかった」と漁業協同組合。

  同河川の水については県と大仙市とで結成した「真木ダム代替案検討プロジェクトチーム」でも、地元要望を受けて同川に水道水源を求めることも検討したが、水涸れすることもあって安定的な水量が確保できないとして見送られた経緯がある。

  しかも、今年は8月に入ってからほとんど雨らしい雨も降らず、それが枯渇に追い打ちをかけた。川は県の管理となっており、水涸れで魚が死んでいるとの連絡を受けた建設部でも現地を調査したが、「上流にダムがあれば水量調節など手段もあるが、かと言って放ってはおけない」と魚類保護のため、農村整備課を通じて慣行水利権を持っている真木堰根頭首工管理組合に放水を依頼した。

  田沢疎水、仙北平野が田んぼに水を流すための許可を得ている取水権は5月6日から9月10日までと限られている。一方の慣行水利権は昔から真木渓谷からの水を農業用水として使っているという歴史的背景を元にした水利権で、特別な許可を必要としない。真木堰根頭首工管理組合の高橋組合長は「下流まで水を満たすほどの水量はないかもしれないが、少しでも魚を守る力になればと期待する」と話す。