大仙市の学校づくり将来構想

2回目の検討委員会開催

小・中一貫教育や個性的な教育求める意見も(9月26日・火)

  大仙市の学校づくり将来構想検討委員会の2回目の委員会が25日、同市大曲田町の地域職業訓練センターで開かれた。同委員会は少子化で、児童生徒の急速な減少傾向にあることから、小中学校の統廃合や小中一貫教育も視野に入れた教育環境の整備を急がなければならないとして、有識者や学校教育関係者、保護者代表15人で構成され、8月10日に第1回目の検討会が開かれている。この日は12人の委員が出席し、大仙市の新しい時代の学校教育に求められるものと、小・中学校の適正規模、適正配置の方策などをテーマに活発な意見交換を行った。

  始めに三浦憲一教育長は「今日は新しい時代を展望した教育のあり方や教育環境の整備について意見を頂きたい。新しい時代とは人が生み出す技術や知識、知恵が社会を変えていく時代と捉えている。活力ある社会を形成していくためには夢、志を持った人材を育成していかなけらばならない。大仙市全体の視点、そして地域の子どもたちの視点から提言を頂きたい」と述べた。

   同市は教育目標に「生きてはたらく知恵を育み、創造力にあふれる人づくり」を掲げているが、県外から移り住んだ委員の一人は「秋田に移り住んで思ったのは、秋田の人は創造力が乏しいというのが実感だ。現状維持に努め、個性が足りない」と指摘し、「学校も個性を出さないと創造力の育成につながらない」との意見が出された。また別な委員からも「秋田で講演しても反論がないと良く言われる。しかし、懇親会に入ると様々な意見も出てくる。もっとストレートに思ったことを言い、表現できる教育をすべきだ」と同調する声もあった。

  一方で、教職経験者からは埼玉県の小学校の例を挙げ、「人前で積極的に話そうと子どもたちの指導に力を入れた結果、学力も向上したが、その子たちが中学に入ったら悩むようになった。それは中学校に入ってからも授業中に積極的に手を挙げて質問したら、先生から余計なことを言わず、黙って勉強しろと言われたためだ」と述べ、「幼・小・中のつながりが大事だ」と訴えた。

  現職の教師からは「平成10年からゆとりの教育が始まったが、その結果、子どもたちの学力が低下したとマスコミにも批判され、先生たちは頼りにすべき学習指導要領というよりどころを失い、自信をなくしている」と混迷している現場の声もあった。また別な教師からも「今の子どもたちは経済的には恵まれ、学力向上に向けて頑張っているが、自然へのふれ合いや文化の香りに触れる機会は少なく、夢を持てない。学力を支える心の豊かさを大事にしていく教育を目指してもらいたい」との意見もあった。

  学校の適正規模に関しては「学校が大きくても、小さくても自分に与えられた学校だと子どもたちは思っており、規模で負けることはない。大きい学校に行って気後れすることも一つの経験であり、小さくても大川西根小学校のような独特の教育をしている学校もある」と規模にこだわるべきでないとの意見もあった。一方で、子どもの教育のためにも複式学級だけは避けたいとの指摘もあった。

  三浦教育長は「勉強が好きか」との問いかけに対して小学生の多くは「好き」と答えるが、中学校に入るとその回答が少なくなる例を挙げながら、「小学校と中学校とのギャップをどう埋めるかが課題となっている。5〜6年生になったら、中学校の教科も取り入れたり、中学校の先生も小学校で教えるなど教師の交流も検討したい」と小・中学校連携の必要性を訴えた。また、学校が地域文化の拠点となるように「先生だけの学校でなく、少子化で余裕教室となった部屋を使い、地域のお年寄りとふれ合いを楽しむ体験学習の拠点としたい」との考えも示した。

  市では複式学級の解消と合併のメリットを生かすため、学区再編も検討の一つにしているが、委員からは学校選択の自由化を実施した東京都品川区では廃校となった事例もあるとして、その導入には慎重を求める意見もあった。そうした中で、幼稚園や保育園と小学校との連携や小・中一貫教育を急ぐべきだとの声は多くあった。

  検討委員会は10月27日にも開き、11月下旬までに提言書を教育委員会に提出し、「大仙市立小・中学校の現状と教育環境整備の方向性について」と題した報告書を来年2月までに印刷、議会・関係団体に配布すると同時に3月には市の広報とホームページへも掲載し、一般公開する。