幻の明治3年1円銀貨

贋造が出回ってます

大仙市の嵯峨さん、注意を呼びかけ(9月26日・火)

  大仙市大曲福見町の嵯峨良雄さん(80)は、明治3年(1870年)に発行された1円銀貨の偽物が大量に出回っている可能性があると注意を呼びかけている。嵯峨さんは元ペットショップ経営者で、骨董品収集や美術品の鑑定を趣味にし、古銭にも詳しい。

  その嵯峨さんがこの春、大曲須和町のコンビニ近くで自転車に乗った40代の見知らぬ男性から「珍しいものがある。買ってくれないか」と声を掛けられた。見たら3枚の銀貨だった。本物なら貴重なものだが、手にしたら銀貨としては硬く、厚さもなかったため、直ぐに贋造と分かった。

  相手の男は「1枚3000円から5000円の価値はある。買ってくれないか」と関西方面の言葉で持ちかけた。偽物とは分かっていたが、「2枚で1000円なら買ってやるよ」と嵯峨さんが応えたら、相手は「しょうがネエな。じゃあ、それで置いていくよ」と2枚の銀貨を渡し、1000円を受け取るとそのまま立ち去ったという。

  嵯峨さんが手にした銀貨の表面は菊の紋章を支える稲穂が描かれ、その中に1圓の文字が浮き彫りされている。裏面は竜の浮き彫りに「大日本・明治3年・ONE  YEN」の文字。直径は4センチ、重さは19グラム。嵯峨さんは買い取った1枚を半分に割った。その結果、鉄と真鍮の合金で、表面を鉛でメッキし、時代がかったように黒っぽくしている。

  嵯峨さんは「本物の銀貨は銀と銅で造られ、もっと柔らかく、温かい感じがするもの。それに厚さも違う」と話す。そして本物なら4、5万円の販売価格になるという。ましてや「本物がこの辺に在るはずがないし、売って歩くのもおかしい」と笑う。そして「憶測だが、グループで大量に売りに歩いている可能性もあり、偽物をつかまされないようにしてもらいたい」と注意する。インターネットでも明治3年の銀貨は「幻の明治3年1円銀貨」としてオークションにかけられているほど人気があるようだ。