秋田県議選大仙市美郷町選挙区

自民党推薦の原氏、トップ当選

自民公認2人も当選、大曲勢敗れる(4月9日・月)
 
 原氏 
  大野氏
  佐々木氏
  樽川氏
  小松氏

    統一地方選の前半戦として先月30日に告示された秋田県議会議員選挙は8日、県内一斉に投開票が行われた。区割変更となって初めて迎えた大仙市仙北郡(美郷町)選挙区では、定数5に対して10人が立候補。この日、大仙市116カ所、美郷町21カ所の計137投票所で投票が行われ、大仙市では同日午後8時半から市民体育館で、美郷町では同8時から仙南公民館を会場に開票作業が行われた。その結果、自民党推薦で新人の原幸子氏(36)が、がんで倒れた父(故・盛一県議)の無念さを晴らし、がん医療の格差をなくしたいとの訴えが大きな流れとなって爆発、1万120票を獲得してトップ当選を果たした。2位当選は自民党現職の大野忠右エ門氏(69)で、9249票。3位は社民党現職の佐々木長秀氏(58)で、8971票。4位は美郷町を地盤とした樽川隆氏(65)で、8801票で返り咲いた。5位に滑り込んだのは元西仙北町長で自民党新人の小松隆明氏(59)で、8076票だった。

  前回無投票当選だった大曲地域在住の無所属現、渡部英治氏(57)は伸びきれず、7762票。わずか314票差で次点の6位に終わった。7位は自民党公認の新人・石塚柏氏(59)で、7506票。8位は元太田町長で自民党公認の新人・高貝久遠氏(60)で、7422票。9位は元美郷町議で共産党公認の新人・泉美和子氏(52)で、3628票だった。元大仙市議で無所属新人の鈴木隆太郎氏(58)は369票だった。

  今度の選挙戦、立ち上がりの早さや組織力、知名度などから高貝氏のトップ当選も予想されたが、上滑りに終わった。原氏は2月18日の後援会事務所開き以来連日、朝夕の街頭演説を繰り返したほか、仙北組合総合病院前でも毎日のようにがん医療を何とかしたいとビラ配りを徹底。その一途な姿、そして総決起集会でも600人を超す支持者らを前に涙の訴えをするなど、女性心理をうまく捉えた。表面的には組織もなく孤立無援な戦いだったが、地下水脈で草の根のように支援の輪を広げた。

  大野氏は今度の選挙戦で仙北市3町村の票を失い、危機感を高めた。頼れるのは地元しかないと中仙地域で座談会をこなし、一軒一軒をしらみ潰しに歩くなど人と人のつながりの糸を太くすることに全力を尽くした。さらに角館町在住で、引退を表明した安杖正義県議が大きな足跡を残している協和地域にも頻繁に足を伸ばし、新しい支持者の獲得にも力を入れた。
大曲地域でも出身校である横手工業高校同期生や建設業者らに支持を求め、粘った。

  佐々木氏も区割変更で仙北市3町村の支持者を失うというハンディを負ったが、その分を旧大曲市選挙区で盛り返そうと力を入れた。そして大曲地域在住の社民党系のベテラン市議2人が積極的に支持者掘り起こしに動きだし、連合参加の労組に浸透した。その上、大仙市全体での根強い佐々木支持者も不動のバックアップをした。美郷町では前回票より大きく落ちこぼしたが、大仙市での頑張りが実った。

  樽川氏は「美郷町を代表する県議を─」の追い風に乗り切った。美郷町からは共産党の泉氏も出馬したが、松田知巳町長も樽川氏をバックアップ。「県議5人、全てを大仙市に委ねていいのか」。陣営は町民に一丸となるよう訴えた。それが勢いに乗り、樽川氏は美郷町で有効投票数の約47%の6846票を獲得、これを基礎に大仙市でも上積みを図って波に乗った。

  小松は西仙北地域で佐々木氏と競合、さらに原氏も準地盤として風を起こすなど不利な情勢に置かれたが、友人の栗林次美市長後援者の一部もてこ入れしたほか、後半になって大仙市の有力建設業者が小松氏の支持に一本化。これが大曲地域でも有力な後押しとなった。また、選挙後半になって西仙北地域出身の俳優・柳葉敏郎氏も選挙カーに乗り込むなど話題性も呼んだ。

  次点となった渡部氏は戦場は大曲地域と絞り込んだが、前半戦の流れのムードの良さ、一方で社民党・佐々木氏の危機感を強めた組織の締めつけもあって、頼みの連合系労組票をまとめきれず上滑りの戦いに終わった。大仙市議から転向した石塚氏は、引退を表明した旧大曲市選挙区選出の自民党・辻久男県議(69)の後継者として浸透を図ったが、出遅れと保守系の乱立で、組織がまとまりきれなかった。

  泉氏は美郷町で2275票を獲得するなど健闘。大仙市でも約1300票を取り込み、党勢拡大に加速を付け、夏の参院選への期待をつなげた。鈴木は美郷町で39票、大仙市でも330票と独自の運動で終わった。

  大仙市の当日の有権者数は7万8284票で、投票率は73.70%、有効投票数は5万7244票だった。美郷町の当日の有権者数は1万9099人で、投票率は77.36%、有効投票数は1万4660票だった。大仙市美郷町合わせた有効投票数は7万1904票だった。

  各候補者の得票数は次の通り。

  自民党推薦新人  原    幸子  (仙北地域)=   1万0120票

  自民党公認現職  大野忠右エ門(中仙地域)=    9249票

  民社党公認現職  佐々木長秀(西仙北地域)=    8971票

  無所属  元職   樽川    隆(美郷町)    =           8801票

  自民党公認新人  小松  隆明(西仙北地域)=    8076票

  次点
  無所属現職      渡部  英治(大曲地域)  =       7762票

  自民党公認新人  石塚    柏(大曲地域)  =     7506票

  自民党公認新人  高貝  久遠(太田地域)  =    7422票

  共産党公認新人  泉  美和子(美郷町)  =     3628票

  無所属新人      鈴木隆太郎(太田地域)  =        369票