開講式で講師に委嘱状
タイの女性、「漢字、覚えて車の免許取りたい」(4月12日・木)
大仙・仙北広域圏日本語講座の開講式が12日、大仙市の中央公民館で開かれた。結婚や英語指導助手(ALT)、塾講師などで大仙・仙北圏域で暮らしている外国出身者のため、日常生活で困らないようにと大仙市と仙北市、美郷町の経費負担で運営している日本語講座。講師はボランティアで日本語を教えているのだが、新年度を迎え、改めて同講座運営委員長の三浦憲一教育長(代理)から委嘱状が渡された。
塾は大仙市会場で週2回と仙北市角館町会場で週1回開かれている。講座には中国人91人とフィリピン人14人、それにアメリカ、イギリス人がそれぞれ10人など世界12カ国から139人が受講生として登録している。
当初は県の事業として運営されていたが、地域国際化の受け入れと外国からの移住者の社会参加を促そうと01年からは大仙・仙北地域の2市1町の負担とボランティアの全面的な協力で運営している。
講師は英語塾の経営者や元教員、市職員、主婦など様々で大仙市では13人、角館会場では6人が登録している。この日は大仙市会場の開講式で、教育委員会の山崎篤志生涯学習課長が出席した7人の講師に委嘱状を交付した。そして幼児を含め参加した9人の受講生を前に委嘱を受けた講師一人ひとりが「今年も楽しく日本語を勉強しましょう」と自己紹介した。
受講生の一人、大内スパマットさん(44)はタイ人。会社員の夫と共に内小友で生活し7年目。もう日本語は不自由しないが、車の免許を取りたくて漢字の読み書きに挑戦している。県内の書店では手に入らなかったため、インターネットを通じてタイ日辞典を買い求め、漢字の読み書きを勉強中だ。
大内さんを指導している講師は「中国人なら漢字も簡単に読めるようになるし、英語圏の人たちも結構、早く慣れる。でもタイ語は独特な文字の世界で、大内さんも大変なようだ」と気遣う。「日本語難しい」と大内さんは笑いながらも「何とか免許証を取るため頑張りたい」と話した。そして雪国の生活にもなれ、5年前には母国にも里帰りしてきたと幸せそうな笑顔も見せた。
講座への出席者は平均して10数人。来日期間によって日本語の習熟度も一人ひとりが違うため、3人から5人の小さなグループになって開く。「結婚してせっかく秋田に移り住んだのに言葉の壁で不幸な思いはさせたくない」と元教師は温かい眼差しで受講生を見やった。塾を経営しているという男性講師も「何とか日常生活で困らない程度の日本語の基礎と漢字の読み書きを覚えてもらいたい」と話した。
山崎課長も受講生に「文化や生活様式の違いなどで生じる問題もあると思うが、一人で悩まないで、講座の先生たちにも相談して下さい」と呼びかけていた。また、この日は受講生全員に県から配付された「外国人のための電話相談案内」などのパンフレットがプレゼントされた。