聖域なき行革をテーマに

大仙市で県民フォーラム開催

県民への不安解消に努力をなどの意見も(8月3日・金)

  県は来年度からスタートする「第4期行財政改革推進プログラム(平成20年度〜22年度)」の概要をまとめ、それに対する県民の意見を聞きたいと2日、大仙市仙北ふれあい文化センターで「聖域なき行革を語る県民フォーラム」を開催した。参加者からは「これまでの行革から一歩踏み出した内容であり、不安を感じる。必要なサービスは実行するなど宣言して、県民の不安解消に努めるべきだ」などと広報活動を通した説明に力を入れるよう求める意見があった。

  県は平成11年(1999年度)から今年度(07年度)まで3期にわたる行革を進めてきたが、平成16年度に国からの地方交付税及び臨時財政対策債が369億円も削減され、加えて三位一体改革に伴う税源移譲の結果、一般財源総額の減少による収支不足で、今年度当初予算は県の基金を290億円も取り崩しての編成となった。

  このままでは財政調整基金、減債基金など主要3基金は平成21年度(09年度)に枯渇するおそれもあるとして、歳入歳出両面にわたって、収支不足の改善に取り組み、財政構造を安定化させたいと「自立と発展のために〜生き残りをかけた聖域なき行革〜」の概要作成に取り組んできた。そしてその内容を県民に説明し、理解を求めたいと2日の県南地区を皮切りに7日には秋田市の「遊学舎」で、9日には北秋田市の交流センターでフォーラムを開くことにした。

  この日のフォーラムには県南地域の市町村職員を中心に約200人が参加。渡部文靖知事公室長は「生き残りをかけた聖域なき行革という言葉では『暗い』イメージを受けると県民から指摘を受けたが、今の状況を最も良く伝えるものだ。自立発展のための行革であり、市町村も県民も痛みを分かち合う可能性もあるが、県民サービスを落とさないでやるにはどうするかなど意見を聞いて反映させたい」などと述べた。

  プログラムは抜本的な歳入歳出の見直しを行う「財政運営システム改革」、スリムで効率的な行政の実現を目指す「行政運営システム改革」、分権型社会における県の役割の再構築と県民との協働を促進する「公共サービス改革」の3本柱としている。

  財政運営システム改革では、基金の取り崩しに頼らない財政運営とするため、県の全事業約2100件をゼロから見直し、休廃止を含めて5割程度に圧縮。さらに人件費や新たな県債発行の抑制や福祉、産業、教育などすべての分野の補助金、団体運営費補助も例外なく見直しを行い、歳出の縮減を図りたいとしている。

  そして個人県民税の未納額の縮減に向けて、県と市町村連名による「共同催告書」の送付や県税の滞納額の累増を抑止するインターネット公売やタイヤロックによる自動車の差し押さえなど県税の徴収体制の強化を目指したいなどとしている。

  行政運営システムの改革では、平成10年度(1998年度)から行ってきた知事部局の職員数を事務事業の見直しなどで、平成23年度(2011年度)まで3500人(今年4月現在4066人)へ縮減を図るとしている。また、市町村合併によって69市町村が29市町村となったのを背景に現在ある8つの地域振興局を3局に統合し、業務の効率化・集約化・市町村へのサポート体制の充実を図りたいとしている。

  公共サービス改革では、市町村の役割分担を明確化し、地域の自立促進を図るため権限移譲の推進や十和田ホテル、秋の宮山荘、秋田ふるさと村など県有観光施設などを市町村・民間への譲渡を推進。適正な公共調達を行うため、全ての工事を条件付きで一般入札を導入し、指名競争入札を原則廃止するなどとしている。

  意見交換では「県立大学に大学院は必要か」「収支不足で取り崩した基金290億円の解消めどを聞きたい。また、県からの補助金が削減されても市町村はその分を肩代わりできる状態ではない」「地域振興局を3局とし、全県をカバーするのは無理でないか」などの意見や質問があった。

  大学院については「グローバル化に向け、世界に通用する人材の育成も必要だ」「取り崩した290億円の基金は20年度から2カ年で解消したい。そのためには20年度も250億円削減しなければならないが、職員給与カットや公共事業の縮減、さらに産業、教育など団体への補助金約400億円のうち、25%100億円の削減を考えている。住民への影響の大きいものは段階的に見直しし、説明する機会を設けたい」「統合される地域振興局は、行政センターとして活用し、県税の収納、申請書などの受け付け機能は残したい。3局となることで地理的には遠くなるが、職員が集約化することでマイナスでなく、機能の強化にもつながる」などと答えた。