ドンパン祭り

大仙市中仙のお盆行事

2000人の踊りの輪、華やかに広がる(8月17日・金)
 

  民謡「ドンパン節」の故郷・大仙市中仙で16日、「第23回ドンパン祭り」が開かれた。会場の中仙総合支所前のドンパン広場には巨大なステージもつくられ、ピーク時にはお盆の帰省客も含めた約2000人が「ドンパン踊り」の輪を広げ、夏を楽しんだ。時折、雨が降るあいにくの天気だったため、人出は昨年より2万人少ない約3万人だったとまつり実行委員会。

  ドンパン祭りは1985年、旧中仙町の立町30周年を記念し、伝統芸能を通じて町民が一体となって楽しめるお盆行事を定着させたいと始めた。

  ドンパン節は明治元年に同町で生まれた円満造じいさんこと、大工の高橋市蔵さんが作った唄で「姉どごさえぐ ただ一人 日が今 暮れるとき」で始まる「円満造甚句」。これを昭和10年(1935年)ごろ、民謡編曲家の故黒沢三一氏が大衆向きに変えたのが全国に知られる「ドンパン節」となった。

  祭りは午後1時半、大神成菅原太鼓で幕を開け、地元小・中学生の太鼓演奏やささら舞い、神楽、吹奏楽などのほか、子どもたちに人気の超神ネイガーも登場したが、雨で舞台コンディションが悪く、握手会で交流を深めた。

  大人向けの本格的な祭りは夕方4時過ぎからの「ドンパン夕焼けタイム」の郷土民謡フェスティバルから始まり、地元民謡同好会の人たちが「秋田おばこ節」「秋田おはら節」「秋田音頭」などを次々と唄い、民謡ファンを心ゆくまで酔わせた。中でも「津軽あいや節」では男女二人の三味線奏者が息の合った繊細な音色で、会場からは感動の拍手が沸いた。

  メーンのドンパンフェスティバルが始まるころには旧中仙町時代から交流があり、大仙市となってからも災害時における相互応援協定を結んでいる神奈川県座間市の星野勝司市長も駆けつけた。中仙観光協会の畠山教(のり)会長は「雨となったが皆さん、元気をつけるよう踊りの輪に参加して楽しんで下さい」と開幕を告げた。栗林次美市長も祭りスタッフと同じ黄色いシャツに着替え「雨が降ってきたが、踊りには返って涼しいので雨を吹っ飛ばすような踊りをお願いします」とあいさつ。

  ステージ上には三味線、太鼓、笛を手にした16人のお囃子が並び、「ドンパン節」のメロディーを広場いっぱいに響かせた。そして「秋田美人」そのものと言えるかすり姿の女性6人がステージ上であでやかな踊りを披露。その舞台の下、左右からオレンジ色のはっぴを着た婦人たちが登場して「ドンパン踊り」を華やかに展開。踊りの輪は大きく広がり、聴衆も仲間入りし、祭りの熱気は雨を忘れさせるほど高まった。

  休憩の合間にはステージで伝統の長野ささらや長野ささら獅子送りの舞いが披露され、安藤兄弟ライブもあった。さらに2回目のドンパン踊りはロック調となり、観客も体が自然にリズムに乗ってしまう趣向に巻き込まれ、夏の一夜の思い出を刻んだ。