大仙市大川西根小学校
オルガンとバイオリンの華麗なデユェット(12月6日・木)
大仙市大川西根小学校の音楽室で5日夜、「パイプオルガンコンサート」が開かれ、訪れた音楽ファンは、バイオリンとオルガンの華やかなデユェットを心ゆくまで楽しんだ。
全校音楽で知られる同校には公立の小中学校では国内で唯一、パイプオルガンがある。学校の個性である音楽を通じて子どもたちを育みたいと1988年の校舎改築の際、音楽室に設置されたもの。オルガンはドイツ製で高さ約5.5メートル、幅約2.9メートルで、680本のパイプで構成されている。校舎完成の翌年に組み立てられ、その音の魅力をより多くの人にも楽しんでもらいたいと90年から毎年、同校PTAと市教育委員会の共催でコンサートを開くようになった。今回も地元だけでなく、秋田市や横手市などから約100人のファンが訪れた。
演奏者はパイプオルガンが小高園里子さん、バイオリンは安東純子さん。二人とも東京在住で、小高さんはスイス国立ジュネーブ音楽院を1等賞及びジュネーブの町から特別賞を得て卒業。現在は日本基督教団成宗教会オルガニスト、ヤマハ横浜クラシックオルガン科講師などで活躍。安東さんは国立音楽大学を卒業し、第6回全日本ソリストコンテストで奨励賞を受賞、フリーで演奏活動している。
小高さんの祖父母は旧太田町、旧中仙町出身とあって、そのお母さんからの推薦で今回のコンサートが実現した。4日昼に同校を訪れ、オルガンの音合わせをしたという小高さんは「秋田には幼いころ1度来た思い出はあります」と語りながら、バイオリンの安東さんとは小学校からの友だちだと言い、「今日は素敵な雪。ホワイトクリスマスに感激しながら演奏を楽しませてもらいます」と話した。
音楽室には白とグリーンのクリスマスツリーも飾られ、ムードも盛り上がった。PTA会長の荒川洋男さんは「壮麗なパイプオルガンとバイオリンとの競演をゆっくりと楽しんで下さい」と歓迎の言葉を述べ、二人を紹介。
パイプオルガンは空気の出し入れで音を組み立てる11本のストップと2段鍵盤、そして足で踏むペダルと複雑な構成。ストップを引いたり、戻したりする手助けを受けながら小高さんはリオネル・ロッグのコラール集から「目覚めよと呼ぶ声が聞こえ」を独奏。そして安東さんの繊細なバイオリンとの競演で、バッハの狩りのカンタータより「羊はのどかに草をはむ」、ブルックナーの「アヴェ・マリア」など8曲を演奏。最後には「赤鼻のトナカイ」や「きよしこの夜」などクリスマスメドレーをエレガントに披露した。
空気を震わせ、地をはうような重厚な音から、小鳥のさえずりのような明るい響きも奏でるパイプオルガン。そしてバイオリンの色彩豊かな音が静かに重なり、祈るように流れる。息の合った二人の演奏に会場はため息がもれるほどの緊張感と喜びにあふれ、終わると「アンコール」の声も。鈴木恒久校長は「心にしみ入る演奏で幸せいっぱいの時間だった」と謝辞を述べていた。