5市議が一般質問
原油高騰、低所得者への対応も検討(12月12日・水)
大仙市の12月定例議会は12日、本会議を再開、北村稔市議(大地の会・大曲)、杉沢千恵子市議(公明党・同)、佐藤文子市議(共産党・同)、渡邉秀俊市議(大地の会・協和)、佐々木洋一市議(同・中仙)の5人が一般質問を行った。会議の冒頭、栗林次美市長は発言を求め、11月2日に仙北地域の池田泰久氏から国指定名勝「池田氏庭園」約4万2000平方メートルのうち、約3万8000平方メートルの土地と敷地内の庭園設備、蔵、洋館及び国指定史跡「払田柵」指定地内の土地245平方メートル、さらに現金3000万円の寄贈があったと報告。土地、建物については市の財産として、現金については教育文化基金に積み立て、市の文化振興に役立てたいと述べた。一般質問に対する当局の主な答弁は次の通り。
◇北村稔議員
▽企業誘致の問題について=企業が求める条件は用地、人材、交通、資金、制度などが代表的なものだ。用地については市内に6つの工業団地があり、昨年から西仙北地域の北野目工業団地と南外地域の西ノ又工業団地の分譲をしており、大曲地域の中沢工業団地と西ノ又工業団地に対する照会があり、対応している。各種の要望に対しては市の制度のほか、県の優遇制度の紹介も行い、農地の取得要望については農振除外、農地転用などの手続きの迅速化を図る。さらに関係団体との仲介をするなど企業ニーズを踏まえながらフォローアップして行きたい。
人材については市内の工業高校や技術専門校を始めとする有能な人材を輩出しており、さらに高度な知識や先端的な技術を備えた人材の要請については県の専門機関と企業の連携を図りながら研究者や有識者を招くなどして補っていきたい。交通と制度については空港へのアクセス、新幹線、高速自動車道、幹線道路の整備状況、固定資産税の課税免除、雇用助成など他市と比較しても劣っているものではない。
企業誘致の推進については今年から設置した企業対策班を中心に企業訪問を実施してきたが、結果として事業規模拡大を実施した企業が3社、規模拡大を行っている企業が2社という状況だ。今後も電子デバイス、自動車産業を中心に隣接用地や建物・機械設備などの設備投資を進める動きがあり、新規雇用の創出に結びつくよう努力したい。
▽農業について=今年から始まった品目横断的経営安定対策の状況は、認定農業者、集落営農組織を合わせて959経営体が加入し、担い手として位置付けられている。集落営農や認定農業者による経営形態が増えたことで麦・大豆が前年度より17%増加して1081ヘクタール、枝豆、アスパラガスなど重点作目も9%増え、519ヘクタールの作付け実績となっている。
この結果、土地利用型作物と収益性の高い作物が増加し、休耕田の減少につながっており、効果が現れたと考えている。しかし、新制度の開始に伴い、国の助成金支払い時期や米の所得補てん時期がこれまでの助成金支払い時期に比べ遅くなっていることなどから、新たなメリットが見えて来ないことや作業の効率化や低コスト化が思ったほど進んでないなど組織としての機能がまだ十分に生かされてないケースもある。このため対策に参加している農家や経営体が将来とも、安定的な農業経営を行うことができるよう指導を積極的に進めたい。
米価急落については、これまでの産地づくり交付金などの支援方策が農家にとって必要としていたものかを精査し、JAなど生産者団体と協力しながら、販売側からの視点ではなく、消費者動向など購買者側からの視点で情報収集を行い、新たな施策を検討したい。
◇杉沢千恵子議員
▽発達障害の早期発見のためにも5歳児健診を推進すべきでないか=現在、市では4カ月児・7カ月児・10カ月児を対象に乳児健診、1歳半及び3歳児を対象とした幼児健診を行っており、発達障害などが疑われる場合は保護者への早期の受診や相談を勧奨している。しかし、3歳児健診以降就学前までの間は幼稚園・保育園で年度初めに行っている定期健康診断に頼っている状況だ。
提言のあった健診は学校や家庭において集団で遊ぶことが出来るか、ジッとしていることが出来るかなど注意欠陥、多動性障害や発達障害などの診断を5歳時に行うことだが、県では国の制定した発達障害者支援法に基づいて今年10月に医師以外に社会福祉士や臨床心理士など専門スタッフを配置した発達障害者支援センター「ふきのとう秋田」を小児療育センター内に新設し、支援体制の充実を図った。市としても県の機関との連携も視野に入れ、早期発見の見地から3歳児健診後の谷間的な期間の対応を含め、推進システムやスタッフの問題などを医師会や関係機関とも協議検討したい。
▽歴史的財産の保存について=市には文化財として国指定8件、県指定39件、市指定175件、周知の遺跡465カ所が把握されている。各地域の資料館や公民館などに郷土資料や民俗資料という形で保存されているものも数多くある。しかし、個人所蔵のものについての実態把握は十分にできないのも実情だ。
従来、その実態把握は地域の文化財保護審議委員や文化財保護協会員の協力で進めてきたが、地域の方がより積極的に関わってもらえるよう本年度から新たな組織づくりと資料の調査に取り組んでいる。活動拠点として総合支所の活用も前提にしたい。地域に眠る歴史的・行政的資料の収集・整理・保存についても適切な措置を講ずる必要性があり現在、市の公文書を管理・活用する上での指標となる大仙市アーカイブ構想を策定の上、重要で必要性の高い資料の一元的保存と整理にも努めたい。
◇佐藤文子議員
▽後期高齢者医療制度について=老人医療費を中心に国民医療費が増大する中、高齢者の医療費を安定的に支えるため、高齢者世代と現役世代の負担を明確化し、その負担能力に応じて公平に負担する必要から新しく創設された制度であり、具体的には医療費の10%を高齢者保険料で賄うため、医療保険者の負担が軽減されるものと認識している。
保険財政基盤の安定と事務処理の効率化を図るため、県全域を対象とする「秋田県後期高齢者医療広域連合」が県内全ての市町村議会の議決を経て設置され、制度施行の準備を進めている。
被保険者証については高齢者の医療の確保に関する法律によって特別な事情がないにも関わらず保険料を滞納した場合は返還を求め、被保険者資格証明書を交付することになっている。その資格管理に関する事務は、広域連合の所管となっているが、被保険者証の返還については、必要な医療を受けるうえで支障とならないよう、さらに被保険者間の公平性が確保されるよう悪質な滞納者について統一した対応をしたいと考えている。
▽原油価格の高騰による低所得者対策は=投機上の思惑での原油価格の高騰であり、低所得者には何らかの対応が必要と考えており、12月中に調査し、1月に整理したい。
▽全国一斉学力テスト結果について=トップクラスの学力をもたらした要因は大仙市の児童生徒がまじめに取り組んだ成果と捉えており、一人ひとりの教員の熱心な取り組みも学力の底上げにつながった。
◇渡邉秀俊議員
▽子どもの数が減り続ける中、学校統合、複式学級への対応について=学校統合や複式学級の解消については「新しい時代の学校教育だいせんビジョン」でも示したように喫緊の課題として対応しなければならない。また、密度の濃い教員配置の要望については、県費負担職員である小・中学校の教職員数は、学級数に応じて配置される人数が決まっており、統廃合によって定員を超えた分の教職員は、必然的に他校へ異動することになる。
しかし、本県では学校教育を円滑に進め、より教育効果が上がるよう少人数学習推進事業を実施し、小学校1・2年及び中学校1年で30人程度の学級で教職員が配置されている。さらに本市では特別な支援を要する子どもには市単独のものを含め、学校生活支援員33人、複式学級、情報教育、日本語指導には学習活動支援員10人を配置し、校長や教頭など管理職も加わって学校全体で児童生徒に「確かな学力」や「生きる力」を身につけさせるため支援している。
▽当初予算に比べ補正予算が多過ぎないか=年度途中での災害の発生や政策の変更、制度の改正などで経費に過不足が生じることもある。さらに自主財源の乏しい本市のような自治体は、財源の根幹をなす普通交付税の額の決定が例年7月下旬になることから、当初予算の編成時には歳入の見積もりに不確定な要素も多々あるのが実情だ。道路の除排雪経費を例にとると予算編成時にはまだ除排雪のシーズン中であり、諸課題の検証がされてない時期などを考慮し、9月の定例会で補正予算を計上している。
▽神宮寺バイパスの全線開通について=神宮寺バイパスは神岡地域を通過する国道13号の渋滞の解消、冬期交通の改善や産業・経済・文化の発展を図ることを目的に事業着手し、全体延長9.6キロのうち、3.3キロは9月23日に開通した。残る6.3キロの全線開通は平成24年度(2012年)度以降と聞いているが、一部開通ではバイパスの効果も期待できないので、早期開通を目指し、国交省との調整会議などを通じて積極的に要望したい。
◇佐々木洋一議員
▽合併して3年を経過しようとしているが、旧8市町村のそれぞれの現状をどう受け止めているか=合併協議会長として大仙市をまとめあげた者として、また初代市長として新市の基礎を固め、軌道に乗せることが当面の責務である。このため、それぞれの旧市町村が築いてきた産業・文化・伝統・地域の特性を活かし、旧市町村長が目指したまちづくりへの思いを継承し、人が活き・集うような魅力ある地域、安心して暮らせる地域の創造に向けて努めてきた。
そして市民との協働による地域づくりを掲げ、地域協議会や市長面会日、さまざまな会合、市民と一体となったまちづくりに取り組んできた。市民との情報の共有を図るため、読みやすい広報作成にも心がけ、本年度は特別号として「予算を読もう」を発行した。財政基盤が脆弱な市町村の合併であり、交付税など依存財源に頼る厳しい中での市政運営だが、大仙市の基盤を早期に確立し、市民が望むまちづくりを推進するため、今後も市民の目線に立ち、現場に足を踏み入れ、市民と一緒に汗をかきながら本市の都市像である「夢のある田園交流都市」の実現に向けて最大限の努力を重ねたい。