一般会計は427億8870万円
緊縮型だが子育て、健康、教育に重点配分(2月20日・火)
大仙市は19日、総額427億8870万円の07年度一般会計当初予算を発表した。06年度当初予算に比べ16億80万円、率にして3.6減の緊縮型予算となった。栗林次美市長は「合併後、予算を毎年抑えてきたがこの傾向は続けざるを得ない。国の制度改革で一部税源は移譲となったが、大企業もない自治体に税収の伸びはない。一方で交付税は減額され、一般職員の人件費にも手を付けざるを得なかった」と苦しい予算編成だったことを強調した。そうした中で「縮減、縮減では夢もないのでゼロ予算事業として職員から様々な提案を求めた結果、予算をかけないで職員がボランティアの皆さんと一緒に広い意味での行政サービスにつながる事業が出てきており良かった」と評価した。そして「子育て、医療、健康の問題、それに教育、芸術文化に少し手厚く予算を配分した。また、生活関係では集落排水、下水道、上水道、簡易水道は最低限の生活インフラであり、促進できるような予算を組んだ」と述べた。さらに予算については「市民に対しても主要事業を分かりやすく説明するため広報の保存版のようなものを発行し、市民から客観的な評価を求めたい」との考えを示した。予算案は27日から開会する2月定例議会に提案される。
一般会計の歳入は、市税が81億2843万円(前年度当初費8.8%増)で予算全体の19%を占めたが、地方交付税は180億2922万円(同1.7%減)で、予算全体の42%を占める。国庫支出金は29億2444万円(同9.2%減)で、予算全体の6.8%。繰入金は11億434万円(同31.1%)で、予算全体の2.6%を占め、さらに借金となる市債を51億5240万円(同9.4%減)、予算全体の12.1%分を発行した。
繰入金は財政調整基金から6億5000万円、市債を計画的に償還するための積立金である減債基金から3億円などを取り崩したもので、基金残高は10億796万円とギリギリとなった。予算構造を単純に見ると自主財源は2割しかなく、国から半分近くの支援を受け、足りない分は貯金を取り崩し、借金も重ねての編成という厳しい台所事情だ。
これに対して歳出は、人件費が86億6220万円(前年度当初費3.8%減)で、20.2%を占め、扶助費は42億9671万円(同0.6%増)で10%、それに借金の返済に充てる公債費71億2615万円(同5.4%増)で、16.7%。この義務的経費だけで200億8507万円、全体の46.9%を占める。このため投資的経費は予算全体の13.5%、57億6199万円(同12.5%減)に抑えた。
一般会計の目的別では民生費に98億9246万円(同1.5%増)で予算全体の約23%を充て、教育費にも61億2507万円(同6.9%増)で約14%を充てるなど重点配分。一方で土木費や商工費、農林水産費、衛生費などは減額とした。
財政は厳しいながらも障害者福祉サービス利用者支援事業や父子家庭の児童1人当たりへの年額支援1万円を月額5000円に改正するなど弱者対策が目立った。また、普通学級に在籍する障害のある児童生徒のための学校生活支援経費を大幅に増額したり、老朽化した大曲中学校体育館改築に向けた設計費を充てるなど教育面への配慮が見られる。
一般、特別、企業の各会計を合わせた予算総額は772億3795万円で、前年度当初費に比べ33億1813万円、4.3%減となった。
一般会計による07年度の主な事業は次の通り。
【安心して健やかに暮らせるまちづくり】
◇健康づくり推進事業▽1億186万円(継続)=栄養教室、食生活改善など食による健康づくやトレーニングルーム活用による健康づくりと心の健康づくりの推進。新規に市内の幼稚園・保育園の5歳児、小学生を対象にフッ素洗口事業を実施。
◇地域医療対策検討事業▽150万円(継続)=仙北組合総合病院の早期移転改築を目指し、地域医療のあり方を検討。
◇すこやか子育て手当支給事業▽1億4257万円(継続)=県の1歳未満児を対象とする事業を拡大し、満2歳未満児の保護者に「すこやか子育て支給金」の支給(月額1万円)。
◇医療給付扶助費事業▽1億4995万円(継続)=県の福祉医療費制度を拡大し、0歳から小学生までの全額を助成。一部所得制限あり。
◇統合保育園建設事業▽2億6457万円(継続)=強首、大沢郷へき地、寺館へき地保育園を統合、木造一階建て園舎の建設。
◇地域福祉計画策定事業▽88万円(新規)=高齢者、障害者、児童、健康・医療などを包括した計画の策定。
◇父子手当支給事業▽720万円(継続)=15歳未満の児童の父子家庭に小・中学校の給食費程度に当たる5000円を毎月支給。
◇障害者福祉サービス利用者支援事業=1249万円(新規)=自己負担上限額を半額に軽減。市独自事業。
【未来を創り心豊かな人を育むまちづくり】
◇地域子ども教室モデル事業▽312万円(新規)=児童生徒の課外活動や校外活動の充実として大曲、仙北地域を対象とした放課後児童クラブ、放課後の学習などの実施。
◇神岡幼稚園・保育園統合施設建設事業▽2億3947万円(新規)=木造一階建ての園舎の建設。
◇学校教育施設冷房化設備事業▽8706万円(継続)=大曲地域を除く小・中学校、幼稚園の保健室、校長室などの冷房化を実施。本年度は小学校を実施。
◇協和統合小学校建築事業▽8億8700万円(継続)=協和地域の6校を統合、鉄筋コンクリート校舎二階建てと体育館の建設。
◇学習定着度調査事業▽189万円(新規)=市内小学校4年〜中学2年までを対象に学力検査などを実施し、学力の定着状況の把握、向上に資する。
◇大曲中学校体育館建設事業▽853万円(新規)=老朽化した体育館の基本設計。
◇公民館施設整備事業▽6924万円(新規)=大曲中央公民館の照明設備改修工事。
◇八乙女青年の家大規模改修事業▽2億3570万円(継続)=バリアフリー化、宿泊室、浴場、会議室、体育館の改修。
◇大仙市民俗文化調査研究事業▽84万円(新規)=名古屋大学院・秋田大学共同での大仙市民俗文化の調査研究。
◇名勝池田氏庭園環境整備事業▽9514万円(継続)=洋館修復、庭園整備、蔵の修復、庭園用地取得など。
◇払田柵跡環境整備事業▽1128万円(継続)=外郭北門周辺盛土整地、用地取得。
◇第62回国体競技開催事業▽1億6874万円(新規)=なぎなた少年・成年女子、ハンドボール少年・成年女子、軟式野球一般A・成年、自転車ロードレース競技、デモンストレーション競技などの開催。
◇非核平和都市宣言事業▽50万円(新規)=映写会、平和レポーター事業など。
【活き活きと希望を持って活躍できるまちづくり】
◇農地・水・環境保全向上対策事業負担金▽1億148万円(新規)=農地などの資源保全活動組織に対する助成として県地域協議会への負担金。事業対象面積1万2363ヘクタール。
◇大仙市農業後継者育成貸付金▽144万円(新規)=農業後継者へ大学などの奨学金の貸与。卒業後、市内で農業従事した場合は償還免除。
◇草地改良事業▽5531万円(新規)=西仙北地域尊仏地区の草地改良。災害で荒廃した草地の基盤整備及び植生。
◇第3セクター温泉施設経営改革支援事業▽4025万円(新規)=温泉6施設を経営する第3セクター4社に対する公的支援(神岡、西仙北、協和、太田)。
◇雇用助成金交付事業▽750万円(継続)=市内の会社などで45歳未満の新卒者が新規雇用される場合、会社に対し雇用助成金、雇用拡大助成金、雇用奨励助成金の交付。
【生活の基盤が整ったまちづくり】
◇大仙市都市計画マスタープラン策定事業▽2985万円(新規)=都市計画策定。
◇大曲駅前第二地区土地区画整理事業▽12億7330万円(継続)=建物移転を進めながら、中通線のアンダー及び都市再生住宅の建設。
◇神岡地域まちづくり交付金事業▽2億2268万円(継続)=神宮寺駅舎建設、駅北線改良工事、北口交通広場整備工事など。
◇中仙地域まちづくり交付金事業▽2億6480万円(継続)=市道二日町石持線、駅前3号線、石持館ノ郷線など。
◇協和地域まちづくり交付金事業▽1億6100万円(継続)=市道苅谷沢線、駅東線及び営林署踏切改良事業など。
◇簡易水道施設整備事業▽12億1275万円(継続)=大沢郷地区統合簡易水道、入角地区統合簡易水道、戸地谷地区簡易水道統合整備、仙北南部簡易水道統合整備、南外地区簡易水道統合整備事業など。
◇公共下水道整備事業▽7億9192万円(継続)=大曲地域、神岡地域、西仙北地域で実施。
◇特定環境保全公共下水道事業▽2億3791万円(継続)=中仙地域、南外地域で実施。
◇農業集落排水事業▽16億7616万円(継続)=中仙地域田ノ尻地区、協和地域沢庄・峰吉川、仙北地域板見内地区、太田地域今泉・三本扇地区。
◇地方道路交付金事業▽1500万円(新規)=愛宕下・浮島、合貝跨線橋の耐震補強工事。
◇地方道路交付金事業▽1億8231万円(継続)=黒森山線、中仙4号線、古四王際飯詰線。
◇地方特定道路整備事業▽4550万円(継続)=仙北45号線。
◇住宅市街地総合整備事業▽2億8767万円(継続)=大花町地区へ都市再生住宅建設(鉄筋コンクリート造り7階建て、08年度まで)
【環境と調和し快適で安全に暮らせるまちづくり】
◇水辺の楽校整備事業▽1500万円(新規)=大曲地域玉川松倉頭首工下流の整備。06年度に国交省が河川敷を整備、07年度で市が付属施設の整備。
◇飯田沼つり公園整備事業▽650万円(継続)=計画段階から市民参加を募り、施設の維持管理や運用事業の推進。
◇仙北ふれあい公園整備▽2931万円(継続)=秋田わかすぎ国体軟式野球大会に向けた駐車場の整備。
◇協和カントリーパーク事業▽4254万円(継続)=道の駅周辺のグランドゴルフ場と四季の草花エリアなどの整備。
◇総合公園整備事業▽3881万円(継続)=農業科学館・スキー場・野球場周辺の交流ゾーンの整備。
【仲間とふれあいともに活躍できるまちづくり】
◇高速インターネットアクセス網整備事業▽1357万円(新規)=中仙豊川局、協和荒川局。
◇移動通信用鉄塔施設建設事業▽3億9097万円(継続)=協和地域牛沢地区、南外地域滝・西ノ又・荒又地区。
◇国際交流事業▽184万円(新規)=韓国青少年ツアーの受け入れ。
◇地域振興事業▽4500万円(継続)=地域枠予算で協働の社会の構築(大曲1000万円、ほか500万円)
【計画推進にあたっての行財政運営の効率化】
◇電子入札システム整備事業▽77万円(新規)=行政コストの削減・効率化、業者らの利便性を図り、競争の向上及び不正行為の防止に寄与。
【ゼロ予算事業・新規】
◇大仙市まちづくり塾開催=市の若手職員が市内NPO法人やボランティア団体の代表者と懇談し、連携の下地づくり(企画部総合政策課)。
◇市民向けパソコン基礎講習会開催(企画部情報システム課)。
◇要援護者緊急除雪事業=大雪の際、日常生活に支障のある一人暮らし高齢者世帯などの出入口除雪を職員が実施(健康福祉部社会福祉課)。
◇ダブルハッピー事業=小規模校でのスクールバスや市のバスを利用し、学校全体で他校に移動し、合同で学習発表会や運動会を行う(教育委員会学校教育課)。
◇県南地区職場研修事業=高校生の職場見学などを市が取り持つ(農林商工部商工観光課)。
◇児童生徒創作作品展示事業=小・中学生が授業で製作した作品を公共施設に展示する(教育委員会学校教育課)。
◇大仙読書チャレンジプラン=市内の園児、児童、生徒の読書に全市を挙げて取り組む(同)。
◇バックヤード、君も舞台スタッフ=小学生を対象に普段、見ることができない舞台裏の見学や照明音響設備の操作体験をする(中仙市民会館ドンパル)。
◇こんなに広い私たちの大仙市事業=小学生を対象に市のバスやスクールバスを利用して、市内全域の主要施設などを見学し、広域的なものの考え方を醸成する(教育委員会南外分室)。