ガキ大将など失った5人の指導者
子どもたちと共に前教育長の講演を聴く(2月28日・水)
大仙市大川西根の「昔を語る会(佐々木眞一会長)」主催の講演会が27日、同地区公民館で開かれ、前教育長の笹元嘉辰さん(70)=花館=が、「こころの花咲く里、大川西根を」と題して語った。
昔を語る会は地元の歴史を学ぶ活動が中心だったが、今回は趣向を変えて子どもたちと共に学ぼうと大川西根小の6年生にも参加を呼びかけ、児童18人と地区住民合わせて約70人が聴講した。
小中学校で長年教鞭を執り、大曲中学校長を最後に退職後、旧大曲市教育長、大仙市教育長を務めた笹元さんは「迷走している現代の社会は家庭、親子関係が土砂崩れの状態」と昨年の藤里町、そして大仙市での母親による幼児虐殺事件を引き合いに「こんな辛く悲しい事件・事故が続く世の中になってしまった背景には、大切な5人の指導者を失ったこともある」と指摘した。
その5人の指導者は「叱ったり、さまざまなことを教えてくれたおじいちゃん、おばあちゃんであり、兄弟だった。それにガキ大将、大自然、そして貧乏だ」と語った。花館出身だった笹元さんは幼いころは西山に出かけ、「大自然を相手にサワガニを捕ったり、虫を追いかけて遊んだものだ」と昔を振り返った。しかし、せっかく捕まえたサワガニも地元のガキ大将に取り上げられ、悔しい思いをしたことが何度もあったが、その悔しさも勉強になり、心の栄養にもなったなどと話した。
また兄弟ケンカを通じて痛みを分かり、貧しい生活を通じてがまんすることも学んだとも語り、「仲良く睦まじく暮らす両親の姿から人と人との交流の仕方を学んだが、現代は多忙に成り過ぎた」とも指摘。そして「カゼを引いた時が忙しいお母さんを独占できるチャンスだった」と書いた子どもの作文を引き合いに「子は親の愛情で育つ」と「多忙な中でも親と子のふれ合える時間を見つけ、その時間を大切にしてもらいたい」とも語った。
そして現代の子どもは「傷つきやすく、わがままさから社会への順応性が欠けている」とも述べ、「大切なのはがまんするという忍耐力を身につけさせることで、それにはただ甘えさせるだけでなく、叱る時は叱るなどしつけが大事だ。子供は言った通りに育たない、行なった通りに育つ」と親への警鐘も鳴らした。
合間には今、流行になっている「千の風になって」の詩「わたしのお墓の前で 泣かないでください」を朗読。「この詩と歌が流行し、日本中で話題になっているということはその詩の優しさ美しさに心が動かされ、共鳴していることであり、嬉しいことだ」と話した。
最後には「心に正直さと優しさを忘れることなく、家庭と地域に大きな花を咲かせてほしい」と結んだ。笹元さんのユーモアを交え、琴線に触れた講話は子どもたちにも感動を与え、大きな拍手で終えた。