第21回参院選が12日公示され、本県選挙区(改選数1)では自民党現職で3選を目指す金田勝年氏(57)=公明党推薦=、無所属新人で元アナウンサーの松浦大悟氏(37)=民主、社民両党推薦=、共産党新人で党県青年学生部長の鈴木知氏(30)が立候補し、年金記録不備問題や政治とカネ、格差社会、そして安倍政権の信任をも問う17日間の本格的な論戦が始まった。投開票日は29日。各候補者は支持者を求めて一斉に県内各地を走り始めた。候補者の動きをルポしたい。
民主党・菅も応援に駆けつける
政治を変えたいと風の呼び込みに必死(7月14日・土)
松浦氏は序盤戦の3日間は大仙市、仙北市、美郷町の仙北郡に重点を置いた。12日の告示日の夕方には大仙市協和に入り、夜は大曲で個人演説会を開き、13日は仙北市を中心に遊説し、14日は再び協和から運動を始めた。
この日、選挙カーには社民党の佐々木長秀県議が応援団長として乗り込み、後続車には秋田1区選出の民主党代議士・寺田学氏と男性スタッフが松浦カラーとも言えるブルーのポロシャツに半ズボン姿で乗り、松浦氏の法定ビラ配付を請け負った。
車は強首地区から刈和野、土川と走った。選挙カーからの佐々木県議の呼びかけもあって効率的に人が出て、手応えを感じさせる。途中、3年前の参院選で民主、社民両党の推薦を受けて自民党の現職を破った元アナウンサーの鈴木陽悦参院議員も加わって、応援のボリュームも上がった。後続車からは「お願いします」と身を乗り出すように寺田氏が呼びかけ、時には懸命に走る。この3点セットでの応援には有権者も「アッ。寺田だ」と驚く。
事前の呼びかけもあったことだろうが、各地で松浦陣営は歓迎を受け、その都度、マイクを握っては「政治がおかしくなったと思いませんか。地方を切り捨て、若い人を切り捨て、その一方では政治とカネ、年金、天下り問題も起きる。そして大きな農家は補償し、小さな農家は切り捨てようとしている。こうした農政が秋田に似合うだろうか」と問いかけ、「政治に緊張感を持たせ地方重視、生活者重視の政治に変えていきたい。そのためにも政権交代のチャンスを与えて下さい」と訴える。
午前11時20分には神岡総合支所前で民主党代表代行の菅直人氏も合流。3点セットは4点セットの政治ショーとなって「菅さんを見たい」と200人近い群衆が集まった。マイクを握った菅氏は農業問題も今度の選挙の争点になっているとし「自民党の農業政策は競争だ。競争に勝てる大きな農家は応援するが、4ヘクタール以下の小さな農家はもう勝手にしろという。民主党は規模は小さくても米や麦、大豆を作って生活が成り立つような効率的な農業で、若い人も取り組めるようにしたい」と訴えた。そして年金問題にも触れ「こんなにひどくなったのは臭いものにふたをし、隠そうとしたからだ」と安倍総理を批判。「おかしくなった政治をやり直すためにも今度の参院選では、民主党や社民党の野党にやらせてみようという声をこの秋田であげて下さい」と支持を求めた。
選挙カーは花館地区から大曲市街地へと入り、菅氏は中通町のグランマート、さらには戸蒔のイーストモール、そして午後1番には美郷町の道の駅でマイクを握って政策をアピール。それぞれの場所とも若い女性の聴衆も多く、その風を呼び込もうと松浦候補と菅氏は握手作戦を展開。時には携帯電話でのツーショットにも気さくに応じていた。
グランマート前で菅氏の演説を聞いた40代の女性は「自民党は差別するから、今度は民主党を応援したい」。イーストモール前でも70代の男性は「国民の生活が懸かっている年金はあんな扱いをした上に大臣は自分の懐を肥やす。余りにいい加減過ぎる。支持していた昔の自民党と違う」と怒りをぶっつけた。美郷町の道の駅でも60代の男性は「菅さんは我々のような小さな農家にも救いの手を入れると言ってくれた。それにアナウンサーという安定した仕事を辞めて、この参院選に出た松浦の勇気もたたえたい」と好意を示した。
松浦候補は「何もかも初めての経験ばかりで、支持が広がっているのかどうかは分かりませんが、多くの人が出てくれて本当にありがたいと思ってます」と感想を述べ、横手市へと向かった。