参院選の風を追う(3)

第21回参院選が12日公示され、本県選挙区(改選数1)では自民党現職で3選を目指す金田勝年氏(57)=公明党推薦=、無所属新人で元アナウンサーの松浦大悟氏(37)=民主、社民両党推薦=、共産党新人で党県青年学生部長の鈴木知氏(30)が立候補し、年金記録不備問題や政治とカネ、格差社会、そして安倍政権の信任をも問う17日間の本格的な論戦が始まった。投開票日は29日。各候補者は支持者を求めて一斉に県内各地を走り始めた。候補者の動きをルポしたい。



共産党・鈴木氏、大仙市へ

自民・公明政治の冷たさを批判

「やりがいがあります」と各地で街頭演説(7月21日・土)

  共産党の鈴木氏は12日の公示以来、大票田の秋田市を中心に県北の遊説に力を入れてきたが、21日は大仙市の佐藤文子市議の案内で午前8時から同市四ツ屋地区を皮切りに運動を展開した。

  四ツ屋地区は佐藤市議の地元。選挙カーに乗ったウグイス嬢が「庶民には増税、大企業とお金持ちには減税という逆立ち政治をただす共産党」と叫ぶと、畑からも田んぼからも手を振って応える有権者の姿が見られた。鈴木氏もマイクを握って「2人の子どもの父親として子育て支援に頑張ります。子どもたちの未来のため、二度と戦争のない平和と生活を守ります」と訴えた。

  車は四ツ屋地域を約30分かけて回り、個人商店前で街頭演説を開始した。マイクを握った佐藤市議は「鈴木さんは河辺出身ですが、大曲工業高校を出ており、ここにもたくさんの同級生がいます」と紹介し、「全国一若い鈴木さんを皆さんの力で国会へ送らせていただきたい」と訴えた。

  そのマイクの音にポツリ、ポツリと人が出て5〜6人のグループ沿道に出来る。鈴木氏はその聴衆を前に新潟沖地震で10人が亡くなったことへの見舞いを述べ、街頭からの募金への協力を最初に求めた。そして「私は母子家庭に育ち、子育てしながら町会議員として生活相談に走り回る母の姿を見てきた」と訴え、「議員というものは常に弱い人の立場に立って頑張るものだと思っていた。しかし、今の政治は支援が必要としている障害者にも負担を求め、母子家庭からは児童扶養手当を取り上げ、庶民は増税で暮らしていけないと苦しんでいる」と自民・公明政治を「冷たい」と批判。

  そして年金に焦点を充て「年金保険料を収めてもそれが受け取れないという問題が起きている。この年金の問題は与野党が力を合わせ、智恵と力を出し合って解決しなければならない。このため、共産党は年金問題が明らかになってから国が責任を持って、国民の証言に基づいて支給すべきだと提言し、国もその提案を受け入れた」と党の実績をPR。

  さらに自民党も公明党も、民主党も年金財源などを理由に消費税を上げようとしていると投げかけ、「消費税を上げようとするならこの参院選を通じて国民の審判を受けるべきだ」と批判した。鈴木氏の演説は若者のワーキングプア、農業問題、中小企業への支援、そして憲法問題と多岐にわたる。

  一つの会場で約15分間の演説だが、ポロシャツ姿で激することもなくユックリと説得するかのように言葉を紡ぎ出す。「話すことは全部、頭に入れてます。原稿用紙にしたら11枚ぐらいでしょうか」と鈴木氏。

  街頭での演説は惜しまない。四ツ屋での演説を終えると神宮寺、土川、刈和野、峰吉川と各地でマイクを握った。神宮寺では70代の婦人たちが鈴木氏を囲み、「この町で初めて共産党の議員となった人は、頑張って保育園を造らせたんだ。オメもガンバレよ」と励ました。土川地区では農家の男性が「一番、いいことを言っているのが共産党だ」と賛同し、拍手。しかし、「投票しますか」と尋ねると言葉を濁した。

  鈴木氏も「比例区では共産党に入れると言ってくれる人も多いのですが、選挙区ではなかなか難しいようです」と票の掘り起こしの困難さを意識する。それでも「若い人、お年寄りの方が良く出てくれるし、トラックの運転手の方も手を振ってくれます。農家の人からは見捨てないでくれとも言われ、これまでになかった風を感じます。やりがいがありますね」と笑顔を見せ、軽々とした足どりで聴衆との握手作戦を展開した。懸命にその後を追う佐藤議員も「子どもを抱いたポスターの評判も良いし、この選挙、手応えを感じてます」と述べた。大仙市での初の遊説はお昼に終わり、午後からは男鹿市へと向かった。26、27の両日、再び大仙市入りするという。